上海出身ジャニオタのリアル「自担は関ジャニ∞の大倉忠義くん、オタ活資金は『その時ある金、全部』」

文春オンライン / 2020年8月19日 11時0分

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大倉忠義 ©文藝春秋

『 浪費図鑑 』で話題のオタク女性4人組「劇団雌猫」が、近著『 海外オタ女子事情 』で世界の同志のリアルを徹底調査。上海出身、自担は関ジャニ∞の大倉忠義というジャニオタのエピソードを抜粋して紹介する。

チャボさん(24):もともとアニメオタクだったが、ふとしたきっかけでジャニーズ沼に。自担は関ジャニ∞の大倉忠義くん。現在日本在住で、中華系のオタク仲間と楽しくジャニオタライフを送っている。

◆ ◆ ◆

ライブのあとは「鳥貴族」で乾杯

――上海出身のチャボさん。関ジャニ∞がお好きだと聞きました。

 はい、大倉担です!(大倉忠義くんが一番好き、という意味)関ジャニ∞は前から好きなのですが、2018年に日本に住み始めたことで初めてコンサートに行けてうれしかったです。2018年のツアーは北海道、東京、福岡、大阪に行きました!

――いいですね、満喫している! 本拠地・大阪も。

 大阪は絶対一番盛り上がるし、関ジャニ∞のホームだからどうしても行きたかったんです。渋谷すばるくんがグループ脱退してから初めての全国ツアーで、しかも大阪オーラス(最後の公演)を取れたので、行くしかなかったです。

――ライブ後はやっぱり「鳥貴族」ですか?

 もちろん。トリキ(鳥貴族、※1)で大倉くんのお父さまに感謝しながら打ち上げです。

※1 鳥貴族:大倉くんのお父さんは焼き鳥チェーン「鳥貴族」の創業者で、大倉くん自身も株主。

――ちなみに、大倉くんの特に好きなところは?

 え~~たくさんありますが、一番は顔がいいところですね。顔がかっこいいし、ドラム叩いてる時の顔もすごくかっこいいし……うん、やっぱり顔がいい。

――推しを前にすると語彙力を失うのは世界共通だ。

 ちなみに中国語で私のような人のことを「顔狗」(イェンゴウ)といいます(笑)。

――顔の犬……「きれいな顔が大好き」みたいな意味ですね(笑)。大学を卒業してからすぐに日本で就職したんですか?

 そうです、アニメコンテンツ関連の会社で働いています。上海のマーケット調査など、中国関連の仕事もやりました。オタクの道に入ったのはアニメがきっかけなんですけど、いつか日本に行きたいとずっと思っていましたね。とはいえ、留学するにもお金がかかるのでなかなか……。大学で、日本での就職支援プロジェクトが行われていたので参加し、無事に今の会社に内定をいただきました。

――そもそもアニメオタクだったんですよね。どんな経緯で関ジャニ∞にたどりついたんですか?

 日本のアニメの入り口は中学2年生の時に観た『機動戦士ガンダムSEED』でした。ガンダムにハマって『SEED DESTINY』『00(ダブルオー)』と観ていって。

――ガンダム! テレビ放送ではないですよね?

 ちょっと言いにくいですが……本屋で売っていた海賊版雑誌の付録についていたDVDですね。海賊版雑誌、今はもうないと思うんですけど、当時は街の本屋さんで普通に売っていました。大学に入る前はアイドルに興味はなく、アニメ一筋でいろいろ観ていました。

紅白で知ったジャニーズの世界

――となると、ジャニーズとの出会いは?

 2014年、大学1年生の冬に観た、「紅白歌合戦」です。

――紅白歌合戦!? 意外すぎる単語で驚きました。

 CCTV(中国中央テレビ)で放送されていたんですよね。水樹奈々さん目当てで観ていて、「いい曲だな」と気になったグループが嵐だったんです(笑)。

――へぇ~。じゃあ、最初は関ジャニ∞じゃなくて嵐のファンだったんですね。

 そうなんです! これも少し言いにくいんですが、好きになってからは「bilibili」(中国の動画共有サイト)にアップされていた、中国語訳のファンサブ(※2)がついているバラエティー番組を端から観ていきました。アニメを何年も観ていたらいつのまにか日本語もだいたい聞き取れるようになっていたので、字幕なしでもなんとか。

※2 ファンサブ:fan subtitle。海外のファンによりつけられた非公式の翻訳による字幕。字幕をつけた作品、字幕をつける行為自体を指すこともある。

――さらっと言いましたけど、「いつのまにか」でそこまでわかるようになっているのはすごいですよね。

 そうですか? 音声と一緒にファンサブの字幕を観ていたらなんとなく覚えてましたね。アニメ好きな友達も周りに多かったので「今から日本語しゃべってみようか」と遊ぶこともありました。それが練習になっていたかも(笑)。

――その頃、中国でオタクはどんなポジションだったんでしょう?

 わりとポピュラーな趣味でしたよ。「特別な一部の人の趣味」って感じではなく、男子も女子もみんな何かしら観ていたような気がします。私はアニメから声優さんにも興味がだんだん広がっていったタイプですね。今は小野賢章さんが好きなので、小野さんが出ている作品を中心に観ています。『文豪ストレイドッグス』が一番好きです。

――声優オタでもある、手広い! ジャニーズは嵐から入って、関ジャニ∞を好きになったんですか?

 そのあいだにKinKi Kidsです。嵐を知った翌年、「ジャニーズカウントダウン」のスペシャル番組で、堂本光一さんが「アンダルシアに憧れて」という曲の歌詞にめっちゃツッコんでるのを観て、それがすごく面白くて(笑)。初めて日本に来たのは2017年、KinKi Kidsのアリーナツアーでした。

――結構最近なんですね。初めての日本、どうでしたか?

 その時は1人で日本に来て、4日くらい滞在したんですけど全然旅行って感じじゃなかったです。日本のお店はなんだか高そうなイメージがあったのと、日本在住の友達に代理で取ってもらったチケットを郵送で送ってもらっていたので、ホテルに待機していなくちゃというのもあって。不安で、滞在中コンビニしか行かなかったです(笑)。

――気楽に旅行するだけじゃなくて、チケットを受け取る大事なミッションが! ここまで来て受け取れなかったら大変ですからね……。

 慣れてからは土曜の朝来て、コンサート行って、日曜の夜帰る、という弾丸スケジュールで動けるようになりました。上海から東京、飛行機で3時間くらいですからね。週末だけでも余裕です。

――確か3時間なら東京から福岡とそう変わらないですね。中国では、ジャニーズファン同士はどうやって交流するんでしょう?

 情報収集したり、友達を作ったりするのは「Weibo」(中国最大のSNS)ですね。そこで知り合って一緒にコンサートへ行く人もいるし、私のように1人で会場に来て現地集合する人もいます。いきなりリアルで会うことになっても抵抗はないですね(笑)。仲良くなってからはWeChat(※3)でやりとりするかな。Weiboは中国本土だけでなく世界中の中華系の人が使っているので、オーストラリア在住のオタク友達もいますよ。

※3 WeChat:チャットアプリ。個人間での決済も可能。

――ワールドワイド! そして、関ジャニ∞を好きになったきっかけは?

「Mステ」(ミュージックステーション)の映像を見たのがきっかけでしたね。「NOROSHI」という曲を着物姿でバンド演奏していたのがすごくよくて! そこから興味を持ちました。

――紅白歌合戦からのMステ。主要な歌番組はちゃんとチェックしていたんですね。CDは普通に買えるんですか?

 はい、通販で。日本のAmazonやHMV、タワーレコードのサイトで買ってました。送り先を日本にいる友達の家にして預かってもらっていました。みんな同じようにしているので日本に行く人がいれば、その人にまとめて何人分かの荷物を受け取ってきてもらうのは珍しくないんです。直近で日本に行く友達は神扱いです(笑)。

日本にいないと手に入れにくいもの

――逆に日本にいないと手に入れにくいものって、チケット以外に何かあるんでしょうか?

 ジャニショ(ジャニーズショップ)の販売物は日本じゃないと手に入りませんね。コンサートのグッズもやっぱり来ないと買えない。まぁでもそれも、今はAlibabaやTaobaoで購入代行があるのでなんとかなると言えばなるんですけど。私は日本に来ると、だいたいコンサート会場でグッズを買って、「まんだらけ」などの中古ショップで昔の生写真を買っていましたね。あとは原宿のジャニショで散財!

オタ活資金は「その時ある金、全部」

――遠征1回あたり、いくらくらい用意していたんですか?

 えー……わからない。その時あるお金、全部(笑)。

――力強いお言葉!(笑)

 だってどんなものと出会うかわからないですからね、なんでも買えるように! 最近は、コンサートの物販がクレジットカードに対応してくれるようになって本当に助かりました。

――クレカ対応は大事ですよね。他に海外ファンとして「こうしてくれればもっと便利なのに」と思うことはありますか?

 周りのファンが口を揃えて言ってるのは、やっぱり日本以外の国でもファンクラブに入れるようにしてほしい、ですね。海外の人でも簡単に入れるようにしてもらえれば、チケットも公式で買えますから。

――ジャニーズは、チケットを手に入れるファンクラブに入るために、まず日本の住所がないとダメなんですよね。

 そうなんです。海外在住だとファンクラブに入れないのが歯がゆくて。日本で就職できたことで、いろんなコンサートに行けるようになったのはもちろん、やっとファンクラブに入れたという喜びが大きいですね。あとキャンセルについても、オリンピックのチケットみたいに、公式で何かしらチケットのやりとりができるようにもしてほしいです。海外のファンからすると、そもそも正規の値段より高額な転売チケットが出回ってしまうのは、「他に手段がない」こともあるんじゃないかと思います。他に手に入れようがなければ、罪悪感を持ちつつも手を出してしまいますよね……。ジャニーズに限らず、オタ活において「お金で解決できる問題は問題ではない」という思いを持っている人は多いんじゃないかと。

中国の同人文化と検閲事情

――中国の同人文化についても教えてください。同人活動は、ネット上がメインなんですか?

上海では「COMICUP」(CP)という夏冬年2回の大規模なイベントがあります。私も同人誌を買いに何度か行きましたね。イラストや漫画はpixiv、小説はLOFTERが多いイメージですね。ただ、pixivは2017年に中国国内から見られなくなってしまったので、今はどちらもLOFTERに移っているかも。

――中国ではWeb小説からアニメやドラマになるケースも多いと聞きました。

 そうですね、Web小説でヒットして商業化という流れは多いです。特にBLは、本として出版するのは厳しいので……。いわゆる18禁シーンは完全にダメ。Web小説にあったシーンが紙の小説になるとなくなる、ということはよくあります。

――Web上のコンテンツだと検閲はないんですか?

 いや、表立ってはダメです。なので、そういう描写が含まれた「完全版」は裏で流通しています。

――裏サイトってことですか……!?

 そうです、そうです。問い合わせたらメールで送ってくれたり、ファンのあいだで共有されていたり、パスワード付きのページに置いてあったり。なので、仲間同士の助け合いが大事です(笑)。

――日本に来て新しくハマったジャンルってありますか?

 日本と関係ないんですが、最近は洋画ジャンルにハマっています。中国の同人市場でもマーベルやDCの二大アメコミを筆頭に欧米系作品はすごく勢いがありますね。もしかしたら日本のアニメ・マンガジャンルより盛り上がっているかもしれません。私はアメコミではなく『ファンタスティック・ビースト』シリーズの主役、エディ・レッドメインさんが大好きで! 日本で行われた試写会とレッドカーペットにも行きました。その前は中国の俳優さんにハマっていたので、中国にいたほうが便利だったなと思いました(笑)。結局ジャンルによりますよね。

Twitter最新情報は、ほぼリアルタイムでWeiboに

――日本でオタク友達はできましたか?

 日本人というより、日本に住んでいる中国人のオタク友達が増えました。日本に来てからも、基本はずっとWeibo。Twitterはどうしても日本語で見たい情報がある時にちょっと使うくらいかな。Twitterで話題の最新情報は、ほぼリアルタイムで中国語に翻訳されてWeiboにも流れるんですよ。

――中国国内ではTwitterは基本的にアクセスできないんですよね?

 そうですね。昔は普通に使えてましたし、VPN接続を使って見る方法もあったんですが、どんどん規制が厳しくなっています。ちょっと面白いのは、日本に住んでいるオタク仲間にはVPN接続で中国のサービスにアクセスしている人も結構いるんです。bilibiliで配信されているアニメやドラマを観ようとすると、中国のIPアドレスじゃないと観られないから。

――へえ~! 国の壁を逆に使いこなしているんですね。たくましい。最後に、この数年はジャニーズを退社される方も多く、関ジャニ∞も渋谷さんと錦戸さんが脱退し5人体制となりました。ファンとして心境はどうですか?

 実は、大倉くんの次に好きなのが錦戸くんだったんです。だからすごく悲しかったんですけど、一番の友達が錦戸くんファンで、大号泣していたので、ちょっと自分は泣けなかった(笑)。彼女はその前にはすばる担だったので本当にかわいそうで……。5人の関ジャニ∞も好きなので、大倉くんにはグループを支えられるように、もっと頑張ってほしいです! え、もし大倉くんもやめたら? どこに行こうと、どこまでも大倉くんについていきます!

(劇団雌猫)

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