客がソープ嬢を撮影したことが発端……「角海老」を“売春”で摘発 何があったのか?

文春オンライン / 2020年9月5日 6時0分

写真

売春現場となった「亀有角えび店」(ANNより)

“野暮”な捜査といっては言い過ぎか。警視庁保安課が売春防止法違反(場所提供業)の疑いで、老舗ソープランド「角海老」グループの「亀有角えび店」(東京都葛飾区)責任者の坂口敏(48)、店長の坂本大輔(39)両容疑者と従業員3人の計5人を8月26日までに逮捕したのだ。警視庁担当記者の話。

「逮捕容疑は6月20日、ソープ嬢が売春すると知りながら場所を提供した、というものですが、一度でもソープに入ったことがある男性なら背筋が寒くなったでしょう。ソープは正式には『個室付き特殊浴場』といい、あくまで有料で風呂を提供する場所で、『個室内で出会った男女がたまたま恋愛感情を抱いてベッドに入っただけ』というグレーなシステム。店は売春を関知していないという建前ですが、もし性行為ができなかったら、今度は詐欺になりかねない業態です」

 確かに売春は御法度だが、警察当局が“ソープランド撲滅”に動いたのかといえば、そうでもないようだ。

「今回は客がソープ嬢を撮影したというトラブルがあり、店が介入した際に恐喝などの違法行為があったようで、客自らが通報したことが発端。なので、すぐに他のソープにも捜査が入る、というわけではなさそうです」(捜査関係者)

摘発の目的は何だったのか?

 GHQが1946年に公娼廃止指令を出して以降、性風俗業は「赤線」として存続を試みたが、反対運動もあって58年に売春防止法が施行。紆余曲折を経て、脱法的なソープが誕生した。ただ、売防法が禁じるのは売春の斡旋や場所の提供などの商売で、売春した本人と相手方には罰則はない。

「“三店方式”で景品への交換を一度通して玉を換金するパチンコが賭博に当たらないのと同様、ソープも売春にあたらない、というのが世間の“暗黙の了解”です」(前出・記者)

 とはいえ、実はソープはこれまでに何度も摘発を受けている。2012年には2年半で約100億円を売り上げていたソープ経営者が逮捕され、13年には在日韓国人系の財界人が実質経営者として挙げられた。今回、対象となった角海老グループの創業者にしても複数の逮捕歴があり、直近では09年に逮捕されていた。

「風俗店を管轄する保安課はソープの実態について百も承知で基本的に逮捕はしません。ですが、目に余るやりすぎ行為があった場合は“見せしめ”のために摘発する。角海老創業者を逮捕したときは、無届けの風俗案内所を始めており、警察が手を焼いていたことが背景にあった。今回は客への恐喝に加え、過去の『前歴』も考慮されたとみていいでしょう」(同前)

 店の責任者は「店の営業方針としてやっていた」などと供述。だが今後、方針転換することはないだろう。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年9月10日号)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング