《「座間9人殺害」初公判》白石被告が拘置所面会で語った“遺体処理”「首から上は、大変なんですよ」

文春オンライン / 2020年9月30日 15時0分

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白石被告 ©文藝春秋

 9月30日、「座間9人連続殺害事件」で強盗・強制性交殺人罪などに問われた白石隆浩被告(29)の初公判が東京地裁立川支部で行われる。

 2017年8月からの約2カ月間に、SNSで自殺に関する投稿をした当時15~26歳の男女9人を誘い出して殺害し、自宅で遺体を解体。遺体の大部分は遺棄されていたが、頭部などは自宅のクーラーボックスから発見された。

 この世間を震撼させた凶悪事件の加害者である白石被告は一体どんな人物で、如何にして犯行に及んだのか——。

 ノンフィクションライターの小野一光氏は、立川拘置所(東京都立川市)で白石被告と11回に渡って面会し、その対面記録を「 週刊実話 」(日本ジャーナル出版)に連載している。本記事では同誌2020年9月10日号に掲載された連載第4回から抜粋する。

※本稿にはショッキングな表現が多出します。ご注意下さい。

 ◆◆◆

「最近、カップヌードル・ミニに七味(唐辛子)を入れて、辛いラーメンにして食べてるんですよ。ただ、お湯が支給される時間って決まってるので、待ちきれなくて、“水ヌードル”も始めました」

 7月22日の4回目の面会は、白石隆浩の“マイブーム”の話で始まった。彼は「食事がストレス解消なんです」と語る。

「昼とかに“当たり”があるんですよね。麺類が好きなんですけど、天ぷらそばとかが出ることがあるんですよ。自弁(個人で購入する弁当)にしちゃうと、それが潰れてしまう(食事が出ない)んで、もったいないんですよね」

 ちなみに、食事の他には絵を描いたり、写経をすることも、ストレス解消法だという。

「なにもしていないと、時間が経つのが遅いんです。絵とかに集中すると、時間がすぎるのが早いから…」

不思議なくらい、事件についての夢は見ない

 時間潰しの手段として睡眠を連想した私は、唐突に「夜に寝てて、夢とか見る?」と尋ねた。

「夢はめっちゃ見ますね。今朝見たのは、××(白石が社員だったスーパーマーケットチェーン)の総菜コーナーで、バイトをしてる夢でした。商品に値引きシールを貼ってるんです」

「事件についての夢とかは、見たりしないんだ」

「そうですね。不思議なくらい、事件についての夢は見ないですねえ」

 嘘をついたり、虚勢を張っている表情ではない。本当に見ていないのだろう。

 前回の面会終了の直前、白石は殺害した9人の遺体を部屋で保管した際の臭いについて、消臭方法を次回に話すと口にしていた。そこで私は話を持ち出す。

「臭い消しについては、最初に携帯で調べたんです。『腐敗臭』でやると、バーッと出てきますよ。漂白剤が効くとか、ネコ砂がいいとか…。その通りに試してやってました。もう、××(商品名)が半端ないです。まな板の消毒とかにもいいし…」

「やっぱり遺体は臭いが強いものなの?」

「腹を割った瞬間に臭いが出てきますから」

「そうですね。とくに内臓とか尋常じゃないです。腹を割ったときが一番すごい。割った瞬間に臭いが出てきますから。臭いについては警察でも聞かれたんですけど、説明しようがない、それまでの人生で嗅いだことのない臭いです」

 まるで夏場の食品について話すかのように、平然と口にする。そんな彼に聞く。

「解体するときに、気味の悪さは感じなかったの?」

「それはもう、自分でなんとか乗り越えました。腐敗臭で満たされるのは辛かったですよ。腐敗臭がとにかく辛いけど、捕まりたくない一心だったんです」

 続いて、解体用の道具についての説明を始めた。

片刃ノコギリ、包丁2本、ハサミ

「片刃ノコギリと包丁2本、あと包丁を研ぐための砥石とハサミを用意しました。ハサミは皮を切るためです。僕も自分でやるまで分からなかったんですけど、人間の皮って尋常じゃないくらい硬いんですよ。分厚いし切れない。最初は包丁でやろうとしたんですけど、刃が滑って切れないから…。ハサミの方が切りやすかったですね。解体方法についてはネットで調べました。調べた通りにやったんです。風呂場で…」

 その後も遺体の処理方法について、白石は饒舌に語る。そこではいくつかの具体的な商品名が出てくるが、模倣犯を防ぐために割愛させていただく。ただ、彼がいかに臭いを消すことに腐心していたかが、明確に伝わってくる。

「小野さん、知ってます? 肉と脂肪を取って骨だけになると、ほんと軽いんですよ。そうして切り取った肉と脂肪は、××で包んで、××に入れ、最後は新聞紙でくるんで、燃えるゴミとして捨ててました」

 手首や足首などは、原形を留めたまま、ある商品で梱包してから、何重にも新聞紙でくるんで、捨てていたそうだ。

 ただ、ここで疑問が生じてきた。そのように遺体の一部を燃えるゴミとして捨てていたにもかかわらず、逮捕時の白石は、警察官に「これは××さんの遺体です――」との説明をしたと以前に聞いた。いったい彼の部屋には、なにが残されていたのだろうか。

自宅で発見された「骨と首から上」

「警察がやってきたときは、骨と首から上があったんです。首から上は、バラすのがめちゃくちゃ大変なんですよ。調べたら、とくに顔の上半分がとにかく骨が硬いみたいなんです。だからやる前に諦めて、首ごと捨てるつもりでした」

 そのときの状況を想像するだけで、警察官が踏み込んだ際の現場が、いかに修羅場だったかが分かる。

「すみません、あと残り5分です」

 白石の背後にいる刑務官が残り時間を告げたことに、救われる思いがした。

 事件についての話はそこで切り上げ、次回の面会日についての打ち合わせをする。最近は面会希望のメディアが多いらしく、彼はやってきた複数の新聞とテレビ局の名前を挙げた。

白石被告は「連続殺人犯」を熟読

「基本的に知らない人とは会わないようにしています。だからいきなり面会にやってきても受けていません」

 そこまで話した後で白石は、そういえば、といった顔で、私が以前差し入れた拙著 『連続殺人犯』(文春文庫) についての話題を切り出してきた。

「小野さんの本、熟読しましたけど、よく被害者(遺族)のところとか、会いに行けますよねえ…」

 それを君が言う? 声にならないツッコミを胸の奥にしまい込んだまま、その日の面会を終えたのだった。

(小野 一光/Webオリジナル(特集班))

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