なぜソフトバンクはロッテに弱いのか? 柴原洋さんに聞いてみた

文春オンライン / 2020年10月30日 11時0分

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©ノボせもんなべ

 ホークス3年振りに見事リーグ優勝! 最高なシーズンにする事が出来た。

 だけど、戦いはまだ終わっていない。最終目標は日本一。それを果たすためには、クライマックスシリーズで勝ち上がることが必要になる。

 となれば、やはり気になる。

「今年もロッテに苦戦した」

 昨年の対戦成績8勝17敗に続いて、今シーズンもロッテ戦には本当に苦しめられた。

 何故ロッテにだけ?

 ロッテには井口監督、鳥越ヘッド兼内野守備走塁コーチ、吉井投手コーチ、清水バッテリーコーチ、的場戦略兼バッテリーコーチ補佐と、元ホークスの方が多い。だから、ホークスの戦術を見破られているのでは無いか? だとしたら恐ろしい。

 でも、プロの世界。そうだったとしても、すぐに対策を講じるに違いない。じゃあ何故2年連続ロッテに苦戦したんだ。気になり過ぎてソワソワが止まらない。

 僕の脳でいくら考えても答えは出ない。どうしたものか。そうだ! 井口監督、鳥越ヘッドの事を良く知るあの方に聞いてみよう!

 その人は、井口監督と同じ歳かつ同期入団で仲良し。もちろん鳥越コーチともチームメイトとして共に戦ってきた。そして、僕とはテレビやイベントでご一緒させて頂いている、現プロ野球解説者の柴原洋さんに電話をした。この方なら何か知ってるに違いない。

柴原さんが語る“ロッテに苦しめられている理由”

――柴原さん! ズバリ何でホークスはロッテにだけ負け越しているんですか?

「それ俺も聞きたいんだけど~」

 うそーん! でも、そりゃそうだ。本当の事なんて誰にも分からない。

 では、まずは大学時代から一緒にプレーしてきた井口監督について聞いてみた。

――井口監督はどんな方なんですか?

「井口は一番良いやつ!」

 色んな方にお会いしている柴原さんが一番良いやつという人。実績のみならず人間的にもスゴイ方なのだ。

「人の悪口や、弱音を吐いているのを一回も聞いた事がない。大学時代の選抜チームの時から一緒だけど昔からチームをまとめるリーダー的存在だったし、毎年49年会という同学年の集まりがあるけど、その時も皆の事を気にしている。井口は監督には向いてる!」

 同期の柴原さんをここまで言わしめる井口監督は監督になるべくしてなった方なのだとしみじみと感じた。

――では、ヘッドコーチの鳥越さんはどんな方ですか?

「野球に厳しい人! 相手に関係なく思った事はちゃんと意見する人。だからホークス選手からしたら怖い存在と思ってる人も多いんじゃないかな」

 僕も鳥越コーチがホークスのコーチをされている時に、選手に厳しく指導する姿を見ていた。全然違うロッテのトップのこの2人のバランスがかなりマッチしていると柴原さんは言う。さらに柴原さんはこう続けた。

「去年のシーズン後に、何でロッテがホークスに勝ち越したのか井口に聞いたんだよ!」

 おー! まさか監督ご本人に? 勿体ぶってないで早く聞かせて下さーい! 何と返って来たんですか?!

「何もしてないよ。って言ってた(笑)」

 くぅー! そりゃそうかー! もし何か秘策を使ってたとしても言ってくれるはずは無い。では、ホークスがなぜロッテにだけずっと苦戦しているのか、柴原さんの見解を聞いた。

「選手が勝手にビビっちゃう部分もあるんじゃないかな」

「もちろんデータをしっかり集めているというのはあると思うけど。ホークスがロッテを意識し過ぎなんじゃないかなぁ。ただ、鳥越さんがロッテ選手に、特にホークスには勝たないかん!と言っていると思う。だからロッテの選手もホークス戦は特に気合入ってるのかも。だけど、ホークス選手の方がロッテには監督、コーチとホークスの事を良く知る人が多いから攻め方を読まれてるんじゃないかと意識し過ぎて、ピッチャーも厳しいコースばかり狙い過ぎている。ロッテの選手は粘れるバッターが多いから、厳しいところは粘って、ボール球を見極める事によって、ホークスの四死球が多くなっている。そこでチャンスを作って甘く入った球を打たれて得点されている」

 なるほど。ロッテがホークスの事を知り尽くしているというよりも、ホークス選手がロッテに知り尽くされてるのではないかと勝手に意識し過ぎているという事なのかぁ。

「今シーズンは相手チームとの会話は難しいと思うけども、去年まではホークス選手が鳥越コーチに挨拶に行ってた。その時に鳥越コーチとホークス選手の他愛もない会話の中で実はプレッシャーになるような言葉をかけてたりすると思うんだよね。それでホークス選手が勝手にビビっちゃう部分もあるんじゃないかな。さらに今シーズンの開幕3連戦のロッテ戦も1勝2敗と負け越してしまったから、今年もロッテは脅威になるというイメージが植え付けられた部分もあると思う」

 元々ホークスのコーチで直接指導を受けた事もあるが故に、鳥越コーチの厳しさも身に染みて知っている。ただただ話しただけでも勝手に見えないプレッシャーを感じて意識し過ぎてしまうと言う流れが出来ている。鳥越コーチ恐るべし。それをまとめる全体が見れるリーダー井口監督。

 この2人のタッグは底知れない。

 パ・リーグ2位争いも過熱してきたが、恐らくこのままいけばクライマックスシリーズはロッテが2位になり対戦相手になる可能性が高い。そして、来年以降もロッテは脅威になるだろう。

――このロッテに勝ち越すには?

「ピッチャーがビビらず攻める事。上手くやろうとすると粘られて、四死球が多くなる。上手くやろうとせずに攻めれる所は攻める事。ホークスには力があって球が強いピッチャーが多いから力で押していけば抑えられると思う」

――そして、ズバリ! クライマックスシリーズのキーマンは?

「クライマックスシリーズ1戦目の先発ピッチャー! 力で押せるピッチャーが投げると思うから、力で押さえて1勝できれば王手だから(今シーズンは3勝したチームがクライマックスシリーズ優勝。ホークスはリーグ1位なのでアドバンテージの1勝がついている)。逆に負けたらロッテへの苦手意識が再び出てくる可能性があるから怖い。初戦がかなり大事」

 クライマックスシリーズで初戦を勝ちさえすればクライマックスシリーズ優勝にぐっと近づくはずだ。そして勢いそのまま4年連続日本一が見れる事だろう。

――では、最後に仲良しの井口監督は柴原さんにとってどんな人ですか?

「井口は目標! 大学の時から井口という存在がいるから努力出来たし、今も井口の頑張ってる姿を見て井口に負けないようにもっと頑張らないと、と思わせてくれる」

 2020年ホークスの4年連続日本一。そして、近い将来、井口さんと柴原さんが同じユニフォームを来て、仲良しコンビの采配が見られるのが今から楽しみである。

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(ノボせもんなべ)

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