《直筆回答入手》NHK番組ジャニーズJr.“ランキング改ざん”事件 落とされたメンバーは?

文春オンライン / 2020年11月6日 17時0分

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左から久保廉、藤井直樹、中村嶺亜(ISLAND TV公式サイトより)と、Jr.たち直筆のアンケート用紙 Ⓒ文藝春秋

3位の中村嶺亜より高得票のメンバーがいた

「NHKの音楽バラエティ『ザ少年倶楽部』の中で、ジャニーズJr.がお互いに投票して、“最も笑顔が素敵”なメンバーを決める『笑クラキング』というアンケート企画がありました。2月17日に収録されて3月13日に放送されたのですが、結果は1位が『少年忍者』の久保廉くん(15)、2位が『美 少年』の藤井直樹くん(20)、3位は『7 MEN 侍』の中村嶺亜(れいあ・23)くんでした。

 しかし実際にアンケート回答を集計してみると、順位は違う。3位の中村くんの得票は6票なのですが、ある別のメンバーには8票入っており、本来なら中村くんより上なんです。でも放送ではそのメンバーの出番はありませんでした」

 こう語るのは、人気番組「ザ少年倶楽部」の内情に詳しいテレビ関係者だ。ジャニーズ所属のタレントが多数出演する同番組だが、制作会社の女性社長の好き嫌いによって出演者に優劣が付けられるという“私物化”が常態化し、アンケート企画も思いのままに改ざんされたというのだ。

ジャニーズJr.がメインの貴重な番組

「ザ少年倶楽部」は、NHKBSプレミアムで毎週金曜18時から放送されている1時間の音楽バラエティ番組。地上波のNHK総合でも土曜日の深夜0時台に前月の再放送がある。現在は「 A.B.C-Z」の河合郁人 (33)がメインMCを務め、歌とバラエティ企画で構成されている。

 キャストの中心はジャニーズJr.たちだ。他の番組では「嵐」や「関ジャニ∞」などデビューグループのバックダンサーとしての出演が多いジャニーズJr.たちだが、この番組は彼らにスポットが当たる貴重な場であり、次世代ジャニーズに関心が高い熱心なジャニーズファンたちから支持されている長寿番組だ。

 収録はNHKホールを貸し切って行われる。コロナ禍前は200人以上の観覧客を入れていたため、会場には黄色い歓声が飛び交っていた。番組のファンは20代前後の女性がメインで、観覧客は曲にあわせて一糸乱れぬ振り付けでエールをおくる。

嵐も関ジャニもこの番組で育った

 最近は「Travis Japan」「HiHi Jets」「美 少年」「7 MEN 侍」「少年忍者」などの人気Jr.ユニットがレギュラー出演している。メインMCの河合郁人のほか、「King&Prince」「SixTONES」「Snow Man」などのデビュー組も出演しているが、Jr.ユニットも彼らと対等に扱われている。

 前出のテレビ関係者が説明する。

「『ザ少年倶楽部』は、ジャニーズJr.にとってステップアップの大きなチャンス。観覧には応募が殺到しますし、番組収録の日は“出待ち”のファンがNHKホールの周辺に大勢集まる人気番組です。デビュー間もない頃の『嵐』はこの番組で人気の土台を固めましたし、『関ジャニ∞』のバラエティ能力もこの番組で磨かれたと言えます。

 滝沢秀明さんがジャニーズJr.を管理・育成する関連会社『ジャニーズアイランド』の社長に就任した2019年1月頃から、Jr.のメディア露出は急激に増えています。昨年8月8日にはジャニーズJr.単独としては19年ぶりとなる東京ドーム公演『ジャニーズJr.8・8祭り~東京ドームから始まる~』が開催され、チケットは即日完売。Jr.グループ単独でのコンサートも増えています。

 最近では、2020年10月16日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に、Jr.グループ9組が総勢67名で合同出演して、ジャニーズの先輩たちの曲をカバーしたことも話題になりました。『ザ少年倶楽部』は、そんなJr.人気の原動力の1つです」

アンケート企画で“改ざん”が……

 そんな、ジャニーズにとってもファンにとっても重要な「ザ少年倶楽部」で起きた“アンケート改ざん事件”。

 取材班は3月13日放送回の映像を確認した。「ザ少年倶楽部」では放送回ごとに「春」や「Dream」などのテーマが設定されているが、この日のテーマは「笑顔」。それにちなんで「笑顔が素敵、かわいい」メンバーを、Jr.の相互投票で決める「笑クラキング」というアンケート企画が行われた。

中村は「6分前ぐらいに聞いて、3位で出るよって」

 コーナーMCの「HiHi Jets」の髙橋優斗(20)と「美 少年」の岩﨑大昇(たいしょう・18)が、アンケートの3位から順に選ばれたメンバーを発表。呼ばれたメンバーは大勢のファンが待つトンネルからステージに登場すると、照れながらもカメラに向かって笑顔でポーズを決める。

 3位の「7 MEN 侍」中村嶺亜、2位の「美 少年」藤井直樹、1位の「少年忍者」久保廉が順番に登場し、MCの2人に迎えられて、笑顔あふれるトークが展開された。3位の中村は「6分前ぐらいに聞いて、3位で出るよって」とコメント。自分が3位であることは直前まで知らされていなかったようだ。

 4位以下のメンバーは名前を紹介されることもなく、放送的には存在感ゼロだ。“本当の3位”だったメンバーもまったく呼ばれなかった。

ジャニーズJr.手書きのアンケート約50枚を入手

 取材班は、約50枚のジャニーズJr.たちの手書きアンケート用紙を入手した。A5サイズのペーパーには、左上に《ザ少年倶楽部 アンケート》と書かれ、右上に《名前》の欄があり、その下に《★笑顔が素敵だと思うジュニアは誰ですか?》という質問が1つだけ記されている。

 記入できるメンバーの人数は厳密に決められていないようで、1人だけに投票した人もいれば、3人に投票したものもあった。

本当の3位は「Travis Japan」吉澤閑也

 取材班が実際に集計してみると、久保廉が「22票」でダントツ、2位は「9票」の藤井直樹。しかし3位として放送された中村嶺亜が「6票」だったのに対して、「Travis Japan」の吉澤閑也(しずや・25)は「8票」も獲得している。

 取材班が集計したところ、その下には「5票」の佐藤龍我(17)、「3票」の松田元太(21)、井上瑞稀(20)、菅田琳寧(すげたりんね・22)、田村海琉(かいる・14)、青木滉平(18)の5人が続く。

 1位、2位は放送と同じだが、本来の3位は中村嶺亜ではなく、吉澤閑也だったのである。画像の通り極めてシンプルなアンケートで、集計を2票も間違えることは考えづらい。

 なぜこんなことが起きたのか。ある芸能関係者が、その背景を説明する。

「それは、集計結果を見た制作会社の女性社長のAさんが得票を改ざんしたからです。Aさんは同番組制作のトップの1人。そのAさんが吉澤くんの得票数を2つ減らして、中村くんに票を追加したのです。制作スタッフの中にはそれに気付いた人もいましたが、怖くて諫言することは誰もできませんでした」

 同番組を担当している制作会社は2つあり、A女史はその片方である「オフィスホー」の社長だという。

A女史のお気に入りは、河合郁人と「SixTONES」

「Aさんは50代後半の小柄な女性で、髪はボブ。少年倶楽部の立ち上げから制作陣に入っていて、ジャニーズやNHKとの付き合いは長い。もともとは近藤真彦さん(56)の追っかけだったそうで、出待ちでファンを整列させたり、エキストラを誘導したりする"仕切り"と呼ばれるファンでした。

 しかしこのAさん、とにかくタレントの好き嫌いが激しい。お気に入りは『A.B.C-Z』の河合くん、『SixTONES』のメンバー、『7 MEN 侍』の中村嶺亜くん、『HiHi Jets』の井上瑞稀くんと猪狩蒼弥くん(18)、『美 少年』の浮所飛貴(うきしょひだか・18)くんです。

 彼らが溺愛される一方で、逆に嫌われてしまっているのが『Travis Japan』のメンバーたちなんです」(同前)

「従順ではない」「挨拶や媚び売りがわざとらしい」

「Travis Japan」は2012年に結成された7人組ユニットだ。ジャニーズJr.随一のダンスパフォーマンスを誇るグループでもある。今年5月、「Travis Japan」が表紙を飾った女性誌「an・an」は発売2日間で完売し、10月にはJr.グループとしてはじめて女性誌「ViVi」の表紙にも抜擢された。同じ2012年結成の「Snow Man」や2015年結成の「SixTONES」にデビューでは先を越されたが、現在デビューに最も近いグループの1つだ。

「『Travis Japan』はJr.の中ではキャリアも長いので、各メンバーも自我が確立されていて指示や注意に対しても自分の考えを主張します。それがAさんには、『従順ではない』と映ったようです。いったん嫌われてからは『全員顔がパッとしない』『川島如恵留は小さい頃から挨拶や媚び売りがわざとらしい』など言いたい放題なんです」(同前)

「滝沢の指示だから」と聞く耳を持たないA女史

 A女史の“Travis Japan外し”は、番組制作にも影響しているという。

「番組内の『ジュニアにQ』という質問コーナーでの扱いは特に顕著です。オフィスホー制作の回では明らかにグループによって出演頻度に差があり、『Travis Japan』メンバーはほとんど出ていません。ファンもそれには気づいていて、番組宛のメールでも『毎回同じ子ばかりで別の子も出してください』というコメントがたくさん寄せられています。

 あまりにも不公平な扱いが続くと周囲のスタッフも注意しようとするのですが、『滝沢の指示だから大丈夫』と聞く耳を持たない。しかし、ジャニーズ事務所スタッフに聞いても『そんな指示は聞いたことがない』と言っているんです」(同前)

 過去の放送を確認すると、オフィスホーが制作を担当した13回分で、2019年は「Travis Japan」のメンバーの登場はゼロ。「Snow Man」と「SixTONES」がデビューし、ジャニーズJr.ではなくなった2020年でも、4回の登場にとどまっている。この間、「美 少年」は11回、「HiHi Jets」は7回、「7 MEN 侍」は6回登場している。「Travis Japan」の登場は確かに少ない。

「Travis Japan」のメンバーたちやマネジャーもA女史からの扱いの悪さには気づいているという。

「日頃からメンバーは『俺たち嫌われているからさ』とボヤいています。ただ、逆にAさんに気に入られたタレントも大変です。『A.B.C-Z』の河合くんはAさんのお気に入りの1人ですが、ある意味では彼も“被害者”です。

 先輩の曲を数人のメンバーでカバーするコーナーのMCで、河合くんは『歌ってもらうのは僕が選んだ〇〇くんです!』と言って曲紹介をします。それに対して視聴者から、『河合くん、好み偏りすぎ』『番組を私物化している』というクレームが来るんです。

 ですが、もちろん出演者を決めているのはAさんです。河合くんは『自分が選んだ』と言わされているわけです。ただ、それを公言することもできないので、可哀想なんです」(同前)

ジャニーズを怒らせたNHKホール“舞監室”説教事件

 事ここに至って、「Travis Japan」に対するA女史の言動については、ジャニーズ事務所も問題視しているという。きっかけは、2020年3月16日の収録。A女史が「Travis Japan」を、NHKホールのステージ袖にあり制作陣の控室として使われることが多い“舞台監督室”に呼び出して説教したことだった。

「『番組収録中にふざけてピースなどをしていた』というのが説教の理由だったんですが、現場の進行的にはまったく問題なく、放送を見れば『SixTONES』のメンバーも同じようにはしゃいでいました。

 しかしAさんは『Travis Japan』のメンバーだけを呼び出し、『人気がないのに番組の空気を読まず行動しないで』、『そんなんじゃ、舞台班(CDデビューせず舞台中心に活動するグループ)にしかなれない』、『番組内コーナーに出られないのは面白くないから』など、根拠のない暴言をぶつけたのです。メンバーもさすがに理不尽だと思ったのか、この事件を事務所に伝えて、それが“乗り込み事件”につながりました」(前出・テレビ関係者)

“越権行為”についてジャニーズが強く注意

 3月中に、ジャニーズ事務所の人間がわざわざNHKに乗り込んできたという。

「ジャニーズ社員の方が苦情を伝えるためにNHKに直接乗り込んできたのです。内容は『何か問題があってもタレントでなくマネジャーに伝えて欲しい』ということで、演出の枠を超えたAさんの“越権行為”を指摘するものでした。これにはさすがのAさんもしょげ返っていました」(同前)

 これらのことについて、事実確認を求めたが、NHKとオフィスホーは「番組の制作過程についての質問にはお答えしておりません」と回答した。

 ジャニーズ事務所にも確認をしたが、期日までに回答はなかった。

 言うまでも無く、NHKは視聴者の受信料で成り立っている公共放送である。だからこそ、「紅白歌合戦」に出場する歌手の選考基準が毎年のように問題になるのだ。規模の大小はあるにせよ、「ザ少年倶楽部」が抱えているのも同様の問題である。制作者側の私物化によって、公共放送のキャスティングに偏りが生じるべきではない。

 そもそも、単一の芸能事務所の所属タレントだけで制作される「ザ少年倶楽部」のような番組が公共放送の制作物として相応しいのか。NHKとジャニーズの“近すぎる関係”については長らく問題視されているが、NHKのキャスティングには、民放とはまったく異なる、高いレベルでの公正性が求められて当然だろう。

 11月6日(金)21時から放送の「 文春オンラインTV 」では、担当記者が本件について詳しく解説する。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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