「ふざけるな、これからだろう」森且行の転身に泣いた元SMAPメンバー《オートレース日本一秘話》
文春オンライン / 2020年11月20日 17時0分

優勝した森且行 ©時事通信社
元SMAPのオートレーサー、森且行(46)がデビュー24年目にして悲願の日本一になった。今月3日に埼玉・川口オートレース場で開催されたオートレースの日本一決定戦「SG第52回日本選手権オートレース」決勝戦で勝って、最高峰のレースを制した。
森は「(日本一になるといってオートレーサーになったので)約束が守れて良かった。本当に二十数年間、頑張ってきて全然、SGの優勝に届かなかった。日本選手権という一番取りたいタイトルを取れてうれしい」と喜びをかみしめた。
解散してから足並みが揃うことのなかった元SMAPの面々も、仲間の勝利にお祝いメッセージをそれぞれ発表。ファンでなくても“胸アツ”な展開となった。
森が芸能界の頂点に上り詰めようとしていたジャニーズのアイドルグループSMAPからまさかの脱退をし、公営ギャンブルの世界に飛び込んだのは1996年。まだ22歳の頃だった。そんな“変わり者”がたどった軌跡と、元SMAPのメンバーたちとの絆を検証する。
王子様というよりワイルドな戦士タイプ
森は1987年、中学2年の時にジャニーズ入りした。1988年4月にSMAPが結成され、1991年9月に「Can't Stop!! -LOVING-」でCDデビューした。
当時のSMAPは6人組。背が高くて大人びて見えた森だが、リーダーの中居正広(48)と木村拓哉(48)の方が年上で、早生まれの森は稲垣吾郎(46)と同学年。その1学年下が草彅剛(46)で、香取慎吾(43)はさらに2学年下だ。
「ジャニーズアイドルの基本は“王子様”。森君はスタイルもいいし格好良かったのですが、王子様というよりワイルドな戦士タイプで、人気が集まるタイプではありませんでした。大人びたハンサムボーイということで、木村拓哉と比べられることも多かったけど、クールで面白いことを言うタイプでもないし、正直あまり目立ちませんでした」(ワイドショーリポーター)
CDデビュー前から日本武道館で単独コンサートを開くなど期待が大きかったSMAPだが、ブレイクには時間がかかった。ヒットチャートの1位を獲得したのは、デビュー4年目の12曲目の「Hey Hey おおきに毎度あり」。そんな苦難の道のりの中で、森は他のメンバーと違う独自路線を歩んでいく。
全員主演でも、微妙な立ち位置だった森
「1992年にスタートしたバラエティー番組『夢がMORI MORI』(フジテレビ系)のスーパーキックベースで、抜群の運動能力を見せつけました。ピッチャーが転がしてくるボールを蹴って打つんですが、森が蹴ると軽々と飛んでいきました。目立ち方はアイドルというよりもアスリートとしてでした」(女性誌編集者)
当時のSMAPは連ドラに起用された木村と稲垣が「ドラマ班」、中居、草彅、香取が「バラエティー班」。しかし森はどちらでもない中途半端な立場だった。
「1994年にSMAP全員が主演の映画『シュート!』が公開されました。全員主演と言いながら、スポットが当たったのは前年に『あすなろ白書』(フジテレビ系)に出演していたキムタク。森はゴールキーパー役で、決して主役になれないポジションの役をあてがわれた。このことからも、当時の森の微妙な立ち位置が分かると思います」(スポーツ紙芸能デスク)
当時は“ご法度”だった熱愛報道
1995年6月には、バラドルで5歳年上の山瀬まみ(51)との同棲交際が報じられた。当時、ジャニーズタレントの熱愛報道は現在と比べようがないくらい“ご法度”だった。
「当時、『FOCUS』で2人がもんじゃ焼きデートをしたり、同じアパートへ帰っていったりする様子が報じられました。ジャニーズアイドルとバラドルという組み合わせの意外性もありましたが、なにより将来を嘱望されるジャニーズタレントの熱愛報道には驚きました。ジャニーズ事務所も“おかんむり”で、森が干されるのではないかと噂されていました」(週刊誌記者)
その間にはすでに次のステップの準備をしていたのだろう。森は翌1996年に転身を図る。
「3月に、森が27倍の難関を突破してオートレース選手の試験に合格したことが明らかになりました。もちろんジャニーズ事務所には内緒での受験。森は『これから事務所に相談したい』とのんきにコメントを出していたが、上層部は大激怒でしたよ。そんなわがままを許していたら、事務所経営は成り立たない」(テレビ関係者)
森は小学校低学年の時に両親が離婚。父親が男手ひとつで、1歳上の兄と共に育てた。この父親がオートレース好きで、森を連れてレース場に通った。
オートレーサーはお父さんの夢でもあった
「森君のお父さんは自身もオートレーサー志望だったけどかなわなくて、息子に夢を託した。森君もオートレーサー志望だっただけど、SMAPでデビューして、一時期はその夢も消えていたようです。だけど人気が上昇するグループとは裏腹に、自身の微妙な立場がオートレーサーの夢を再燃させたのでしょう。中居が森に電話して、脱退しないよう説得したがダメだった」(スポーツ紙芸能デスク)
しかし、1996年5月7日に森が開いたオートレーサーへの転身発表会見には、中居がプロ野球の巨人軍のユニホーム姿で付き添っている。
森は「オート選手は自分の夢だった。SMAPを辞めることは自分のわがままかもしれないが、あきらめられない。やるからにはオートの世界で一番を目指したい」と語り、中居は「森君の気持ちは分かる。僕の夢はプロ野球選手になってジャイアンツに入ることだった。僕は今、SMAPとして野球大会で東京ドームにも立てる。僕の夢は実現した。森君にもやるからには一番になってほしい。僕らみんなの願いです」と笑顔で送り出している。
「森の将来のためにわだかまりを残さないようにという、SMAPリーダーとしての配慮だったのでしょう。6月1日森の自宅で、所用で欠席した稲垣以外のメンバーによって、シェーバーで丸刈りにされ、オートレーサー候補生の養成所に入りました。その翌年7月にはデビュー戦でいきなり勝利を掴んだので、スターならではの強運を感じました」(スポーツ紙記者)
夢を叶えた森は、それなりに順調なオートレーサー生活を送った。2014年に小倉競輪祭のトークショーにゲスト出演した時には「ギャンブル好きの父親がオートレースで使ったお金を回収するためにオート選手になりました」と冗談を飛ばし、笑っている。
SMAPの過去の映像からも、森の姿は消された
その一方で、芸能界とのつながりは一切絶たれた。SMAPの過去の映像を放送する時には森の姿が消され、あたかも初めからいなかったかのように編集された。
森の脱退後、1996年4月に「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)がスタート。SMAPは「青いイナズマ」が80万枚、続く「SHAKE」が100万枚超の大ヒットとなってスーパーブレイクを果たし、国民的スターへと上り詰めていった。
「ずっと絶縁状態を余儀なくされた森とSMAPですが、ついに2014年の『27時間テレビ』(フジテレビ系)で絆がつながりました。森から、各メンバーに宛てた手紙が紹介されたのです。スーパースターになったSMAPのメンバーたちの森に対する熱い思いに、胸を打たれたという視聴者は多かったのではないでしょうか」(テレビ関係者)
SMAPは解散、バラバラに
だが2016年いっぱいでSMAPは解散する。
「中居は2016年末に『SMAP×SMAP』の最終収録を終えた時に『これで来年、森と飲んでも文句は言わねえべ』とつぶやいたと報じられています。実際、同年の大みそかには六本木の焼き肉店で木村以外の4人で開いた“お別れ会”には森を招待している」(スポーツ紙記者)
2017年9月には稲垣、草彅、香取がジャニーズを退所して「新しい地図」を結成。今年3月には中居も退所し、個人事務所「のんびりな会」を設立。今やジャニーズに残っているのは木村だけだ。
そんなバラバラになったSMAPを、再びつなげたのが今回の森の日本選手権優勝だった。
稲垣、草彅、香取は連名で《念願の日本選手権での初優勝、おめでとう。(中略)森くんが夢をかなえる事が出来、僕たちも本当にうれしいです。(中略)これからも、お互いに、何があっても諦めずに、前に進んで、頑張りましょう!!!》と喜びのコメントを発表。
脱退の際に「森君の決心を誰にも止められない」と理解を示した稲垣は、元SMAPのメンバーで唯一、森の連絡先を知っていると言われているし、森とハーレーダビッドソンでツーリングするのが夢という草彅は「夢のデカさを感じたから送り出せた」と振り返っている。
香取は、森がSMAPを抜ける時に激怒して、暗い夜道を泣きながら歩きながら 「ふざけるな、これからだろう」と叫んだと、17年11月2~5日の AbemaTV「72時間ホンネテレビ」で21年ぶりに共演したときに明かしてい た。
そして、今回の森の優勝で、また泣いた。11月15日に放送されたラジオ 「ShinTsuyo POWER SPLASH」(bayfm)で「『72時間テレビ』で森君からもらったウイスキーを開けて飲んで、泣きながらSNSに書き込みました」と明かしている。
中居も森へ直接コメントを送ったことを明かして「森っ! おめでとう!」とコメントを発表。そして11月7日の「中居正広のニュースな会」(テレビ朝日系)では「“熱森”な日。熱い森」と笑顔を見せた。
森が「一番、多く遊んだ相手」
そして唯一ジャニーズ事務所に残っている木村も、他のメンバーに呼応するようにこうエールを送った。
「それぞれの選んだ道で、それぞれが掴むもの。今後も健闘を祈ります」
実は森が「一番、多く遊んだ相手」と言うのが木村なのだ。森が20歳の時に買った白いフェラーリで一緒に河口湖まで釣りに行く仲でもあった。世間体を気にしてコメントを出したのではないかという批判もあったが、森にその思いは伝わったはずだ。
バラバラになったSMAPが少しだけつながった。そんな森の優勝だった。
(川田 南雲/Webオリジナル(特集班))
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