「さらば青春の光って、時代が時代だったら突き抜けて売れてる」 9万のプレ値がついた、18禁ライブの“中身”

文春オンライン / 2020年11月26日 17時0分

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©MBS

 地上波、YouTube、Netflix他、数えきれないプラットフォームが無数のコンテンツを発信している世の中で今、見るべきものは何か。テレビやネットなど、様々なジャンルの垣根を超え活躍するロンドンブーツ1号2号の田村淳が、時代を席巻するクリエイターから、面白いコンテンツを聞く番組「田村淳のコンテンツHolic」より、一部を紹介する。

◆◆◆

藤井健太郎さんにスタッフ大喜び

 いよいよこういう形(対面)で、藤井健太郎さんと会うことになりまして。藤井さんのアンテナに引っかかってるのはうちのスタッフさんがもう大喜び。もう2週分やるって決めてるんでしょ?

スタッフ はい!

 ははっ! 俺に対しての接し方と、藤井健太郎に対する接し方が全然違うよ!

◆藤井健太郎
1980年生まれ、東京都出身。立教大学卒業後、2003年にTBSに入社。
 「リンカーン」、「ひみつの嵐ちゃん!」などの人気番組のディレクターを経て、「クイズ☆タレント名鑑」、「テベ・コンヒーロ」等を演出・プロデュース。現在は「水曜日のダウンタウン」の演出を務める。「田村淳のコンテンツHolic」でテレビ初出演。

藤井 最初は、YouTuberであるあさぎーにょさんの動画、「もう限界。無理。逃げだしたい。」です。

 あっあれ?  PVというか、物語みたいな動画でしたっけ?

◆あさぎーにょ
YouTuber、アーティスト、アパレルプロデューサーなど、多岐にわたって活動する27歳。YouTubeは現在登録者数が77万人。

藤井 この動画は、一言でいうと「超YouTubeクオリティ動画」なんです。昔、フジテレビで「放送禁止」っていう、深夜に不定期でやっていた番組があったのはご存知ですか?

 名前は知ってます。

藤井 番組の入り口はドキュメンタリーの体をとっているんですけど、内容を見てくと結構衝撃的な事件が起こるんです。「ん? ちょっとおかしいぞ」みたいに感じるのがすごく好きで。このあさぎーにょの動画も、YouTubeのあるあるで入って、内容に段々違和感が出てくるけど、実はちゃんとしたストーリーものだったよっていう構造がすごい面白いなーと思っていて。

藤井 初めはまだ普通の動画ですね。

 YouTuberが旅に行ったぞっていう感じのね。

藤井 この辺から、明らかな違和感を出してるって感じですね。

  タイムリープものね。

誰も想像できないような展開が好き

藤井 タイムリープもの自体は珍しい訳ではないですけど、YouTuberが日常を撮ってる感じで、そこ(タイムリープ)に入っていくのは導入として素晴らしいなと。

 ほんと緻密に。

藤井 “なんとなく”で撮ってる瞬間はたぶん無いと思います。YouTubeでちゃんとこのぐらいのクオリティのコンテンツが出るんだっていうことに、僕はビックリした。もうメディアがどこっていうのは、あんまり関係なくて、コンテンツそれぞれの時代なんだなって思いました。

 俺も(藤井くんの)番組に呼ばれて行くと、ドキドキしてんのはそういう事なんだ。「タレント名鑑」の番組でも、急にドラマになってきましたよね。誰も想像できないような次の展開にしていくのが好きなんだもんね? たとえ、上層部に怒られても。

藤井 別に怒られてはないですけど、めちゃめちゃ数字は下がってましたけどね。

 ハハハハハ。

――「クイズ☆タレント名鑑」で藤井健太郎が手掛けた企画が「GO!ピロミ殺人事件」だ。
タレント名鑑の定番コーナー「モノマネ芸人いる?いない?クイズ」で必ず最後に指名されるモノマネ芸人“GO!ピロミ”。その登場シーンで幕が上がると、そこには床につっぷして倒れている男の姿が…。
出演者たちはざわつき、スタッフが収録を一時中断。ただならぬ雰囲気と緊張感のなか、画面には突然「GO!ピロミ殺人事件」のタイトルが。するとなぜか枡田絵理奈アナウンサーが探偵役となり事件を解決する、謎のドラマが始まる。

藤井 前半は、モノマネ芸人がいるか?、いないか?っていうクイズで、GO!ピロミっていう人がオチ的な要因だったんだけど、必ず最後に出てくる所で倒れて死んでるんですよ。

 クイズ解答者にも全く言ってないからね。男性が急に死んでるし「え? 何が起きたの?」みたいな。

藤井 知ってるのはスタッフとMC淳さん、そして枡田アナだけだったんで、パネラーたちはほんとにビックリしてましたね。急にドラマが始まったら「おー、なんだなんだー」って、目が離せなくなると僕は思ってたんですけど……。まあ数字は下がってしまいましたね。

 テレビの枠を急に超えられたら、ついて来れない人もいるのは(仕方ない)ね。

「映像版ゲームブック」バンダースナッチ

藤井 続いてのオススメも、作り自体がちょっと変わってて、画期的だなと思った作品なんです。「ブラック・ミラー:バンダースナッチ」というNetflixのドラマです!これは「映像版ゲームブック」なんですが、ゲームブックってご存知ですか?

 こっちを選ぶなら何ページ、とか選ぶ本ですよね。

藤井 そうそうそう。「これどっち行きますか?」みたいな。あれの映像版です。

 映像版でそれぞれが行きたい方向に行けるってこと?

藤井 そうなんですよ。

◆「ブラック・ミラー:バンダースナッチ」
イギリス発の1話完結ドラマ「ブラック・ミラー」。
現在シーズン5までNetflixで公開。そのスピンオフで作られた映画がこの「バンダースナッチ」だ。ビデオゲームの開発チャンスを得た若いプログラマーが、ファンタジー小説に基づくゲーム開発に取り組んでいくと、現実とパラレルリアリティが混同し始める。

藤井 やってみますか?

 えっ? ここで?

 いやこっちだ。えー、すげーな。どうなってんだ。

藤井 今まだ最初の方なんで、軽めのチョイスですけど、そのうち「死体どこに隠す?」とか(聞かれる)。

dボタンじゃ太刀打ちできないでしょ?

 アッハッハッ。ストーリーの重要なとこ担わされんの?

藤井 ゴールがいっぱいあって、短く終わっちゃうやつもあるんですよね。映像コンテンツだけどゲームみたいな要素もあるし、選び方によっては主人公がこっち側に対して「誰かに俺操られてる気がする」みたいな事を言ってたりもする。

 そっか、こういうの見て、感性を磨いてんのね。でもNetflixにこんなことされたら絶対に勝てないじゃん。dボタンの4色ぐらいじゃ太刀打ちできないでしょ?

藤井 ステイホーム期間中に、クロちゃんに出演してもらって、「リモート“コントロール”クロちゃん」という企画をやったんです。まさに「バンダースナッチ」のように、次にクロちゃんに何をさせるか? っていう行動を、視聴者にdボタンで、生放送中に選んでもらうんです。

 なるほど。

藤井 多数決にしたんですけど、視聴者全員だと面白くないの選ぶんですよね、やっぱ。

 えー、ハハハ。

総意ってなると意外とつまんねー

藤井 ABCDだったらDはやっぱり派手なやつにするじゃないですか。すると、(視聴者は)そこばっかり行くから、そういう事じゃないんだけどなーと思いながら。

 ハハハハハ。

藤井 ほんとは仕掛けを結構作ってたんですけど、あんまりそっちに行ってくれなくて、もどかしかった。服脱いで、その服どうする? みたいな4択の中に、「メルカリで出品する」っていう選択肢を作ってあって。そのまますぐ売れるようにしてたんですよ。

  あー、面白い。こっち側に行ってほしいなーっていう仕掛けがあったってことでしょ?

藤井 でも、視聴者全員の総意ってなると意外とつまんねーと思って。

 ハハハハハ、それもうしょうがないね。

 でも全然諦めなくていいんだな。dボタンでも。そうやってふざけて楽しもうと思えばできるってことだね。

藤井 それがスタンダードにはならないけど、たまにそんな番組があっても面白いよねっていう。

藤井 続いては僕自身のコンテンツでもあるんですけど、淳さんにも事前に見ていただいた……。

 あれね、衝撃作だね!

藤井「さらば青春の光×藤井健太郎テレビでもネットでもできないし、個人事務所じゃなきゃできない映像LIVE」です。

 その言葉の通りだね、ハハハハハ。

◆「さらば青春の光️×藤井健太郎テレビでもネットでもできないし、個人事務所じゃなきゃできない映像LIVE」
今年はじめに開催された、藤井健太郎とさらば青春の光がタッグを組んだ映像ライブ。

開催地は東京と大阪の2箇所のみ。さらに、入場できるのは18歳以上の男性に限る。ライブで見た内容は絶対口外禁止なので、内容を知っている人は日本でわずか数百人程度の超プレミアの幻ライブ!

藤井 今は見られないし、チケットは物凄い争奪戦だったので。転売が凄かったです。MAX9万円っていう価格がありました。

 おー!! でもその価値はあるよね。

藤井 今のところ関係者全員赤字なんで、ハハハハハ。

 この企画をさ、TBSの社員でありながらやってみちゃおう! って思うのがすごいよね。

藤井 まあ、どっかでこういうのができるのは良いことですよね。

こんなのに慣れたら、バカになっちゃう

 良いことだと思うし、藤井健太郎という演出家がこういうものを通して、より演出に磨きがかかるんだったら、違法なことをしている訳ではないし。演出の中で最大限に自分がどこまで演出できるかっていう幅を持ってるのは、相当な強みだと思うよ。

藤井 僕らみたいな、テレビでやってる技術の高い人間がある程度ルール無しでやったらここまでいけるぞっていうか。あと演者ももちろん、「さらば」とか、ちゃんと面白い人たちがここまでリミッター外せばこんだけ面白くなるぞっていうのはあるかなと。

 そうね、これどこまで伝えられるの?

藤井 一応「口外厳禁」っていうスタイルで。

 そうだよね。キーワードやっぱ……言えないもんな。やっぱりあのー×××××

2人 ハハハハハ!!!!!!

 この10年で一番のパンチラインだな。

藤井 現場で×××××って、みんな死ぬほど笑ったんですけど。

  ハハハハハ。

藤井 こんなのに慣れたら、なんかバカになっちゃうなっていう。

 ハハハハハ。

藤井 変な激辛食べ過ぎて、普段のやつで笑えなくなっちゃうっていうか。

 Netflixとかでも流せないのかな。

藤井 いけるかもしれないですね。

 ズルいわーと思ったのが、最後のあの×××××のシーン!「めっちゃ感動するやん!」と思った。めちゃめちゃ良かった。俺、あの2人のこと好きになったから。

藤井 そうなんですよ。やっぱりさらば青春の光、いい2人だな、カッコイイなっていう。

 うん、あれだけ優秀なコント師って、時代が時代だったら突き抜けて売れてる人たちじゃない。だけど今そうなってないからこそ、俺たちはこういう形でもいいから楽しいことを届けたいみたいなのが伝わってきて、めっちゃカッケーってなったもん! ×××××姿見たら××××× だし。

藤井 ハハハハハ。いつでもどこでも気軽にいろんな映像が見れる時代に、あえて視聴のハードルがめちゃくちゃ高いっていう面白味もあったのかなっていう。

 ハハハハハ。

(田村 淳,藤井 健太郎)

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