「脱がさないで」という女性に…俳優・新井浩文被告が法廷で明かした“性的武勇伝”《懲役4年の実刑判決 東京高裁》

文春オンライン / 2020年11月23日 17時0分

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映画「百円の恋」舞台挨拶。左から脚本を書いた足立紳、新井浩文被告、安藤サクラ、武正晴監督

 自宅で出張マッサージ店の女性従業員に乱暴の上、無理やり性交したとして、強制性交罪に問われた元人気俳優・新井浩文被告(41)=本名パク・キョンべ=。11月17日、東京高裁での控訴審を終え、実刑判決を免れるのは厳しい情勢となっている。

 新井被告は強面にするどい眼光から、悪役など一癖ある役を怪演することで人気を集めてきた。出世作となった松田龍平とのW主演映画「青い春」では、不良高校生の暴力的な狂気を演じきって映画祭の最優秀新人賞なども獲得。大河ドラマなどにも出演し、人気俳優の地位を確立していた。

新井被告の法廷での一人称は「うち」

 個性的な演技同様、法廷でも一人称を「うち」と発言するなど、独特の感性をのぞかせている。

 2019年12月、一審の東京地裁で懲役5年の判決が下されたが、後に慰謝料300万円の支払いなど、被害女性との和解が成立したことから、控訴審で細田啓介裁判長は一審判決を破棄。懲役4年を言い渡した。

「被害女性と和解はしたものの、女性の処罰感情は冷めず、一審同様に執行猶予はつかなかった。新井被告は最低でも執行猶予を得るため、最高裁まで争う意向との見方もあるが、近年では性犯罪の厳罰化が進んでいることもあり、たった一度の過ちでも、実刑となることは珍しくない」(大手紙司法担当記者)

 「(性交は)被害者との同意があると思っていた」と無罪を主張し控訴した新井被告だが、今回は出廷しなかったため、被告不在で裁判は進んだ。

 控訴審で細田裁判長は一審判決を破棄しているが、一審の判決については「合理的で支持できる」ともしている。

 一審判決などによると、新井被告は2018年7月1日午前3時半ごろ、友人との飲酒後に自宅で出張マッサージを利用し、被害女性を初めて指名。この店に性的サービスはないが、鼠径部など際どいところを触らせて興奮した新井被告が、女性が嫌がっているにも拘わらず、性的サービスの強要どころか無理やり性交までした、というのが事件の概要だ。

 一審公判では、新井被告と被害女性の生々しい証言から犯行状況が明らかになっている。事件概要を振り返ってみよう。

 まず、施術時間90分で指名料などを合わせて1万8500円で女性は新井被告の自宅へ呼ばれた。施術の際の服装は新井被告が紙パンツ1枚姿、女性はTシャツにスボンという特段、刺激的な格好ではなかった。

 新井被告が寝室を暗くしてほしいと要望を出したため、女性が照明を落としてベッドでマッサージをしていると新井被告は興奮し始めた。次第に「鼠径部を触って」などと要求がエスカレート。ついに新井被告は女性の手を掴み、自身の股間にあててきたという。

「そういうことをするのであれば、帰ります」

 女性は拒否したが、新井被告は女性のTシャツを上にまくりあげ、ブラジャーをはずし体を舐めた。さらに無理やりズボンを下着ごと脱がそうとしたという。

「脱がさないで」という女性に「なめて」

 女性は「脱がさないで」と必死に抵抗したと証言したが、体格など力の差から叶わなかった。女性の証言によると、陰部を女性の口元にさらけ出し「なめて」とも言った新井被告。女性は必死に抵抗して口は開けなかった。

 新井被告によると、女性の下半身をさわり、抱きかかえるように上に載せ互いの下半身を合わせようとしたが、女性は上の方に避けた。そこで新井被告は女性を仰向けにしたのだという。女性は「入れないで」と手で自身の陰部を隠そうとしたり、足を閉じようとしたりして、必死の抵抗を続けていたが、「無理やり性交させられた」という。

 争点になっているのは「同意の有無」だ。

 暗闇で逃げることもできなかったと、女性は「決して合意していない」と涙ながらに訴えている。

新井被告は「受け入れられているのかと思った」

 一方の新井被告は被告人質問の際に「女性の証言を聞いて本当に嫌だったんだな、と反省している」と謝罪しながらも、「体をなめた際に、女性が嫌がったりする様子は特になかった」と話し「(犯行当時は)受け入れられているのかと思った」と訴えた。

 ズボンも「すんなり脱げた」として、口では嫌がっていたが、物静かな様子だったとして、女性が抵抗していないと思ったと主張。「入れないで」とは言われていないとして、女性が性交を受け入れていると誤解した旨を訴え、無罪主張をしたのだ。

 一審の法廷で新井被告は、自身の行為がありふれたことであるかのような主張もしている。

心象を悪くした新井被告の”武勇伝”

 新井被告は、過去に性的サービスのないはずの純粋なマッサージ店で性的サービスを受けたことがあることや、事件後に被害女性が勤務していたマッサージ店の別の女性と性的な行為をしたとも証言。検察官からの質問に、デリバリーヘルスでも禁じられた本番行為をしていたとも明かした。

「女性との性行為に苦労はなく、今回も同意の上だった」とでも言いたいのか、心証は非常に悪くなっていた。

 さらに新井被告は「合意があった」と無罪を主張しながらも、被害女性の帰り際に現金を渡したり、事件発覚前に1千万円や2千万円を提示して、被害女性との示談を試みている。しかし当時は「金で解決しようとしている」と女性との示談は叶っていない。

 一審判決後に被害女性が慰謝料300万円での和解を受け入れたのは、実刑判決あっての和解で、新井被告が期待したと見られる「宥恕」(被害者が加害者の罪を許すこと)は得られず、被害女性の処罰感情はいまだ強い。

 法廷でも自身の性的な「武勇伝」を披露したり、金で解決しようとしたりと真に反省しているとは思えない態度をとっている新井被告。所属事務所は契約を解除し、頼みの控訴審でも実刑判決となった。被害女性から許しを得るのは、到底、難しいだろう。

(西川 義経/Webオリジナル(特集班))

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