《写真多数》「逆にヤバくないっすか?」コロナ禍でも渋谷カウントダウンに集う若者を直撃ルポ

文春オンライン / 2021年1月1日 12時0分

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街のいたるところで掲げられていた看板 ©文藝春秋

 例年であれば賑やかなイベントが開催され、大勢の若者や観光客で狂騒の渦と化す渋谷のカウントダウン。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大やクラスター発生の懸念から、9月の時点で早々にイベントそのものの中止が発表されていた。

 渋谷区の長谷部健区長は「年越しの瞬間を祝ったり盛り上げるような要素は一切ありません」「カウントダウンを目的とする渋谷駅周辺への来街をぜひお控えくださいますよう、強くお願い申し上げます」「今一度やらないことを伝える必要がある」と直前まで数回にわたってメッセージを発信。

 大型ビジョンは23時に停止し、渋谷駅に乗り入れている鉄道各社は終夜運転を取りやめるといった官民が連携しての対策がとられ、結果的に例年に比べると少ない人出となった。

いたるところで“濃厚接触”が

 しかし、ハチ公前広場を中心に人々がソーシャルディスタンスお構いなしでコミュニケーションをとっていたことも事実だ。

 政治団体「国民主権党」がお囃子のような大音量の音楽とともにライブパフォーマンスを繰り広げるエリアを中心に、人がごった返していた。歩けないほどではないが、スムーズな往来は困難な程度といった具合だろうか。マスクを着用していない人もおり、“対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触”という定義に則ると、いたるところで濃厚接触が起きていたと思われる。

 なぜ、コロナ禍にもかかわらず、渋谷に集うのだろうか。若者の街の様子を観察してみた。

即席で開催されていたDJイベント

 例年に比べると人出は減っていたものの、決して“静かな年越し”とはならなかった。ハチ公像から少し離れた場所に陣取り、持参したレーザー投光器で街を照らす人。

 そして、ハチ公像前では即席のブースから大音量でダンスチューンをかけ続けるDJの周りに人が集っていた。

 24時が近づくにつれ、年越しの瞬間を盛り上げようとする熱気が高まり続け、ハチ公前は祭のような雰囲気と化していた。

 至るところに警察は配置されていたものの、大音量で繰り広げられる騒ぎに注意の声をかける様子は皆無。「交差点内に立ち止まっている方! 前の方に続いてゆっくりお進みください」という声かけとともに、交通整理に専従していた。

 これらの写真を見てもわかるとおり、決して静かな年越しになったとはいえない。

「逆にヤバくないっすか? 逆にイケてる!」

 そして迎えた年越しの瞬間。「10、9、8、7…」といったカウントダウンは発生しなかった。その代わりに、目立ったのがスマートフォンを上方に向ける人の多さ。

 何を撮っているのか、前方にいた20代男性に聞いてみると「逆にヤバくないっすか? 逆にイケてる!」との返答があった。

 “カウントダウンの瞬間なのに、大型ビジョンが消灯されている”ということが、逆に“ヤバい”ということらしい。

 また、一人で渋谷を訪れている人が少なくなかった。

 コロナ禍で外出自粛を続けた1年だったから、最後の瞬間くらい自粛のストレスを発散しようということなのだろうか。

 終電ギリギリまでこの祭りを楽しもうという思いからか、0時を回っても家路につく人はほとんどいない。終電の時刻を迎えて一帯にとどまっていた多くの人は、次第に近隣で営業する居酒屋へと足を延ばしていた。

 繰り返しになるが、“例年に比べると”確かに人出は少なかった。しかし、決して“静かな年越し”だったとは言い難いのが実際のところだ。感染拡大防止と経済活動のせめぎあいが続くなか、果たして2021年はどのような年となるのだろうか。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。 こちら よりぜひご覧ください。

(「文春オンライン」編集部)

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