「トランプは史上最低の大統領」A・シュワルツェネッガー73歳が決起した理由

文春オンライン / 2021年1月27日 6時0分

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SNSにスピーチを投稿したシュワルツェネッガー(自身のインスタグラムより)

「トランプは嘘で人々を欺き、クーデターを企てた。史上最低の大統領として名を残すだろう」

 1月10日、こう語る動画をSNSに投稿したのは、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー(73)。6日の米議会襲撃事件を、ナチス・ドイツが扇動した反ユダヤ暴動になぞらえて、トランプ支持者たちを糾弾した。動画の再生回数は3800万回を超えている。

 実は襲撃事件の前日、彼は「共和党がトランプを阻止すべき理由」を英エコノミスト誌に寄稿していた。

「彼が生まれ育ったのは、かつてナチス・ドイツ統治下だったオーストリア。その時の体験をもとにアメリカの現状を憂え、バイデンの勝利を認めない共和党議員たちに向けて、選挙結果を受け入れるべきだと警告した。この文章は世界で500以上のメディアで取り上げられたのです」(在米記者)

 渡米したのは1968年、21歳のとき。当初は英語もあまり話せず、所持金は20ドルだったが、ボディビルで世界の頂点に立ち、「ターミネーター」シリーズでアクションスターとして不動の地位を獲得した。そして、2003年、カリフォルニア州知事選に出馬。

「大統領選の最大の票田で、民主党の地盤だが、前知事のリコールを受け、共和党から『カリフォルニアのために』と立候補し当選し、2期7年務めた」(同前)

「資格さえあれば大統領選に出馬したかった」

 共和党員だったが、トランプが当選した16年の大統領選直前に「今回初めて共和党に投票しないつもりだ」と宣言。「資格さえあれば今年の大統領選挙に出馬したかった」と打ち明けた。

「彼はアメリカ生まれでないため、大統領になれない。移民から大スターとなった、アメリカン・ドリームの体現者である彼は共和党穏健派として、排外主義的な発言を繰り返すトランプを許せないのでしょう」(同前)

 17年1月、大統領に就任したトランプの後任として、シュワルツェネッガーはリアリティー番組のホスト役となったが、視聴率が低迷。トランプに揶揄されると、「仕事を交換しないか。そうすれば皆眠れるようになる」とツイッターでやり返す一幕もあった。

 ただ、映画では米大統領役を演じた。『カン・フューリー2』を19年に撮影した際、こう語っていた。

「大統領になったらということを想像するよ。なる機会があれば断らない。世界とともに様々な問題に取り組む機会と権力があったら、素晴らしいと思う」

 今回のトランプ批判を共和党員からも称賛されたシュワルツェネッガー。政界に復帰する気はないものの、自分の影響力を使って、「共和党をよりよい方向へ変えていきたい」という。

(近藤 奈香/週刊文春 2021年1月28日号)

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