1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

「あきらかに気配がおかしいって…」警察による“乱交パーティー”や歌舞伎町の“幽霊騒動”…コロナ禍の歓楽街で起きている“事件”

文春オンライン / 2021年7月6日 11時0分

写真

©iStock.com

「前の客が舐めた乳首をそのまま口に含むことに…」風俗ライターが見たコロナ禍の歌舞伎町の“微妙”な変化 から続く

 コロナ禍、眠らない夜の街では、警察職員による乱交パーティーや、季節外れの歌舞伎町幽霊騒動など、様々な事件が起きていた。

 30年以上、新宿・歌舞伎町を「定点観測」してきた風俗ライター・羽田翔氏の『 歌舞伎町コロナ戦記 』(飛鳥新社)から一部抜粋して、コロナ禍の歓楽街で“起きていること”を紹介する。

◆◆◆

2020年12月4日 売春斡旋で警察職員が逮捕!

マニアが高じて「男女パーティー」を主催

  いろいろ、ツッコミどころ満載、かつ示唆に富んだ事件が起きた。11月27日、福岡県警は売春防止法違反の容疑で、県警小倉北署に勤務する44歳の職員の男性(懲戒免職処分)を逮捕した。同日の毎日新聞が伝えた。

 逮捕容疑は、SNSで知り合った女子高生が男性客ふたりに売春するのを知っていたうえで、ホテルを用意した売春防止法違反の疑いだ。容疑だけをシンプルに追えば、現職の警察職員が女子高生売春を斡旋した……という言語道断の事件なのだが、詳細を追っていくと奇妙な「事実」もまた見えてくる。

 実は、容疑者の男性は2017年頃から定期的に、「乱交パーティー」を主催しており、今回の女子高生売春斡旋(容疑)もその一環なのである。県警の調べによれば、容疑者は男性参加者から参加費を集め、その半分を参加女性に、残りの半分をホテル代や飲食費にあてていたという。

 通常、売春防止法で逮捕された場合、売春斡旋者は相応のギャランティを取り分として取っている。これは、(表裏を含め)風俗店においても同様だし、ことの良し悪しは別にして“女衒”(ぜげん)としては正当な報酬となっている。

 しかし、この容疑者は調べに対し、自らが乱交パーティーマニアであることを認めたうえ、勤務状況などから他者主催のパーティーは参加が難しい、ゆえに自らが主催者になった……と供述しているのだ。要するに自己の欲求を満たすために、他者の利益を満たしていたというワケだ。この他者とは、報酬をもらう女性たちであり、パーティーに参加する男性客だ。

 言ってみれば、容疑者の男性にとってのメリットは、自らが主催する乱交パーティーに「参加」できることであり、誤解なきように言えばまことに純粋なマニアということになる。

 もちろん、女子高生を参加させたことは、青少年保護の観点からも許されることではないし、警察職員が公序良俗に反することは世論も許さない。また、参加費を取ったことが売春斡旋と判断されたことも法的には妥当だろう。

 しかし、だ。

 逆に言えば成人女性のみを参加させていて、自らは金銭的利益を得ず(恐らく得ていない)、参加者全員が満足する「ささやかな」乱交パーティーだった場合、“売春斡旋”と断定することは、法的にはともかく、ある程度の緩さがあってもいいのではないか? と思わなくもない。

 いまひとつ懸念がある。

 これまで警察は、様々な理由をつけて「乱交パーティー」を摘発している。そしてその場合の多くは、公然わいせつ罪の適用だ。そしてその度、密閉された空間で、公然わいせつが成り立つのか? という議論があった。今回の金銭的利益なき売春斡旋があくまでレアケースであるのか? それとも今後、公然わいせつなど、あらゆる法を駆使して同様の摘発を試みるのか? お上の動きには、注目せざるを得ない。

2020年12月31日 歌舞伎町で季節外れの幽霊騒動 

風俗嬢たちが感じている「恐怖」

 幽霊が出るのは夏場……というのが相場(?)だろう。それなのに新年を迎えようとしているいま、日本一の歓楽街で幽霊騒動が起きているという。“証言”をしてくれるのは歌舞伎町で働く某風俗嬢だ。

「歌舞伎町区役所通り近くにあるビルの階段付近に、幽霊が出るってみんな話している。私は怖いからもう近づかないようにしているけど、あきらかに気配がおかしいって。仕事仲間では有名だよ」

 彼女いわく、その「幽霊」は(男とか女とか)具体的な姿を見せるワケでなく、影や嫌な気配を感じさせて人に恐怖を与えるという。

ラブホで起きた連続女性絞殺事件

 率直に言ってこの手の話はよくある。風評被害になるので場所は述べないが、歌舞伎町二丁目にあるそのビルは筆者も知っている。が、これと言って「気配」や「恐怖」を感じたことは一度もない。

 筆者がなぜ、この埒もない噂話を取り上げるかというと、歌舞伎町で従事する風俗嬢たちが日ごろから感じている漠然とした不安のようなものが、このような話を流布させるのではないか? と考えているからだ。

 そもそもの話として、歌舞伎町には「怪談」の元となるような出来事が多いのは事実だ。前述の風俗嬢はこの幽霊ビルのほかにも、4年前に火災でひとりの女性が亡くなった某ラブホ跡(現在は廃業)も、“心霊スポット”にあげていた。そしてその亡くなった女性は高齢ではあるが、彼女たちの同業者というのが定説だ。

 驚くのは、古い事件まで彼女たちの間では共有されていて、語り継がれていることである。1981年、歌舞伎町二丁目の3軒のラブホで起きた連続女性絞殺事件がそれだ。これは当時、相当、センセーショナルに取り上げられたが、結果的に今現在も犯人逮捕には至っておらず、いわゆる未解決事件となっている。

 これらの事件に共通しているのは、女性が単独でホテルで死亡していることだ。つまり、いまや主流である派遣型風俗に従事する女性たちにとって、過ぎた出来事や他人事ではない、強烈な当事者性がある。それが、冒頭にあげたような、幽霊騒ぎ=漠然とした不安に繋がっているのではないだろうか。

 彼女たちの話を聞いていると他にも、心霊スポット認定されそうな場所はある。ホスト絡みで、飛び降り自殺(と自殺未遂)が多発したビルなどもそう。歌舞伎町二丁目中心部の某ビルなどは、自殺防止対策まで取ったという。筆者は以前そのビルで、直後の現場で生々しい血痕を目の当たりにし、痛ましい思いをしたことがある。

 コロナ禍で客足が悪いといっても、そこは日本一の歓楽街である。今日も彼女たちはそこはかとない不安を抱えながら、仕事に従事する。季節外れの幽霊騒動は、そのあらわれと思えて仕方ない。

(羽田 翔)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング