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“19歳美容師見習い”の太ももに包丁を突き刺し…ターゲットは“生き方に悩む女性” 袖ヶ浦殺害犯の素性

文春オンライン / 2021年7月11日 18時0分

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写真はイメージ ©iStock

 交通量の多い駅前通りから路地に入ると、空き地の奥に竹林が鬱蒼と広がる。5月7日、そこで一組の男女が向かい合っていた。

 女性が取り出した包丁を受け取ると、男は彼女の太ももに突き刺す。痛みと出血に苦しむ女性を放置したまま、男はその場を去った。

死因は出血性ショック死

 6月21日、千葉県警は袖ケ浦市で美容師見習いの中込愛美(あみ)さん(19)を殺害した容疑で、横浜市のアルバイト・夏見翔太容疑者(23)を逮捕した。

 中込さんの大腿部には深さ10センチ以上の刺し傷があったものの、傷はこの1カ所のみ。死因は出血性ショック死とみられている。

「SNS上で自殺願望をほのめかす投稿を重ねていた中込さんに、『殺してあげますよ』と夏見が接触。やり取りを重ねる中で逡巡する中込さんに、『俺は慣れているから大丈夫』という趣旨のメッセージも送っています」(警察関係者)

 事件当日に初めて会った中込さんを“予告”通りに殺害した夏見。さらにこの翌日に、横浜市の自宅近くの公園で東北在住の10代の女性にみだらな行為をしたとして、神奈川県青少年保護育成条例違反の容疑で逮捕されている。

ターゲットは生き方に悩む女性

「この10代女性ともSNSでやり取りをした上で誘い出している。生き方に悩む投稿を重ねる女性を標的に、性的欲求をぶつけたり、殺害したりする手口は、4年前の『座間9人殺害事件』を彷彿とさせます」(同前)

 横浜市で生まれ育った夏見は5人兄弟の末っ子。中学時代は放送委員会で活動していたという。

「特に目立つわけではなかったですが、明るくて元気なタイプでしたね。誰に対してもフレンドリーな反面、友人との関係は浅く広くみたいな子。気分屋でふらふらと芯がない所がありました。小説が好きで、ホラー作品の『ひぐらしのなく頃に』は全巻読んだと話していた」(中学の同級生)

実家は400年近い歴史を誇る名刹

 車も2台ある庭付きの一戸建ての家で、夏見は何不自由なく育った。実は祖父は横浜の港北地区にある寺の住職を務めた人物で、父親も僧侶をしているのだ。

「実家は400年近い歴史を誇る名刹で、近隣のお寺の中では敷地も檀家さんの数もトップクラス。翔太の祖父は、宗派の神奈川教区長に選ばれたこともあります。3人の息子はみな僧侶の道に進み、現在は翔太の伯父が跡を継いでいます。翔太の父である三男も宗派の青年会で役員を務めていました」(夏見家の知人)

 そんな家系の影響もあってか、夏見は地元の県立高校を卒業後、都内の仏教系の私立大学に進学。だが、すぐに「自分の居場所がない」と漏らすようになり、2年生の夏頃には中退した。

 その後はパン屋に就職するも、半年ほどで退職。去年の年明けには出かけたまま音信不通となり、心配する父親に「消えてしまいたい」とLINEを送ってきたこともあったという。

祖父は取材に「『なんて愚かなことをしたんだ』と伝えたい」

「7月にようやく帰宅した後は、『SNSで知り合った人の悩みを聞いている』と話すようになり、父親が渡した心理学の本にも興味を示していました」(同前)

 昨秋からはカラオケ店でバイトを始めていた夏見。だが、心の中には“煩悩”が渦巻き続けていた――。

 夏見の祖父は絞り出すような声で取材に応じた。

「最後に会ったのは今年の正月。そのときは話す機会もあまりなくて、『仕事してるか』『あ、してます』といったようなやり取りでした。19歳の方の若い人生が終わってしまったことに対して、本当にお詫び申し上げたい気持ちでいっぱいです。翔太に会えるのなら、『なんて愚かなことをしたんだ』と伝えたいです」

 中込さんへの殺意については否認している夏見。取調べに「心理カウンセラーの勉強をしており、人の役に立ちたかった」などと供述しているという。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年7月8日号)

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