1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「誰が責任とるんだ」「オリンピック止めろ!」怒号が飛び交った五輪開幕式の“場外”

文春オンライン / 2021年7月25日 20時0分

写真

 開会式に関わる人物が相次いで辞任、解任になった東京オリンピック。

 7月23日、開会式当日の都内各地やスタジアムの周りの様子はどうだったのか。

抗議活動に、ブルーインパルス目当てに……都民が詰めかけた新宿

 連日の猛暑が続く東京都内では、聖火リレーの到着式が都庁の広場で行われた。無観客のため広場へは近づけず、広場も警察車両で目隠しされていた。感染対策で仕方がないが、ここまで徹底的に観客を排除したイベントに意味はあるのかとモヤモヤする。

 その代わり、都庁前にはオリンピック反対の抗議活動の人々が、隣の新宿中央公園にはオリンピックに合わせて都内を飛行するブルーインパルスを目当てに多くの人々が詰めかけた。オリンピック開催を優先する東京都や国にとって、肝心の感染対策は置き去りにされているように感じる。

 オリンピック反対の抗議活動の警察の対処も行き当たりばったりだった。聖火リレーにともなって歩道の通行を規制したものの、事情を知らない歩行者がどんどんたまりはじめてからカラーコーンを置き始めるなど、対応が後手後手に回っていた。

 都内では猛暑ではあったが、人が多く出歩いていた。アルタ前では立体的に見える猫の街頭ビジョンの写真を撮ろうと多くの人が留まり、渋谷では緊急事態宣言も関係なく通行人が溢れていた。

渋谷でもオリンピック反対の抗議活動が

 また渋谷でもオリンピック反対の抗議活動が行われていた。オリンピックの警備と都内各地で行われる抗議活動に警察の警備も厳しく、取材者にも歩道に上がるように促された。ただ、歩道で取材していても「危ないから下がってください!」と止まってカメラを行進に向けるたびに離れるようにうながされる。そこまですると取材させたくないのかと思われてもしょうがない。

新オリンピックスタジアムのある千駄ケ谷駅、国立競技場駅前では

 新オリンピックスタジアムの最寄り駅、JR千駄ケ谷駅と都営大江戸線国立競技場駅前には、開会式の雰囲気を味わおうと多くの人々が訪れるなか、ここでも抗議活動が行われ、警察官が駅周辺を取り囲み物々しい雰囲気だ。

 スタジアムの周りでは関係者が観光バスで現場入りする中、歩道に多くの人が立ち止まる。

「感染対策意味ねーじゃん」

 五輪モニュメントのあるオリンピックミュージアムでは、現場から中継をしようと国内外のメディアがカメラを設置し、訪れる多くの人で埋め尽くされた。

 訪れたカップルは「すごい人!」「感染対策意味ねーじゃん」などぼやきながらも人混みに消えていく。

 こんな事態も簡単に予想できそうなものだが、他の警備で手が回らなかったのか、予想していなかったのか、ここでも対応に追われた警察官たちがメガホンを片手に「道の真ん中で立ち止まらないでください!」と声をかけていた。国民に感染防止を呼びかけているからといって、行政が感染防止を怠っていいことにはならない。

日が暮れると、ますます人があふれ身動きが取れず

 日が暮れ、蒸し暑さも控えめになると、オリンピックミュージアムにはさらに人があふれた。身動きが取れないほどの人混みの中にいると流石に不安になってきた。

開会式が始まると熱気は最高潮に

 20時を少し過ぎた頃、スタジアムから開会式の始まりを告げる花火が打ち上げられた。

 周りから歓声と拍手があがった。こんなに楽しみにしている人たちがいるのだから、やはり万全の態勢で開催できるように延期したほうがよかったのではないか。

開会式が粛々と行われる中、響き渡るオリンピック反対の声

 開会式が粛々と行われる中、スタジアムの周りを歩いていると、規制線が張られていたスタジアム周辺でまさかのオリンピック反対の抗議活動が行われていた。

「誰が責任とるんだ!」「オリンピック止めろ!」と音頭に合わせて拡声器から抗議の声を上げる。その周りを過剰なほどの数の警官たちが取り囲んでいた。

 その声はスタジアムの中にも聞こえていたと関係者から後で聞いた。

 ゲバ文字を書いたヘルメットを被り、腕を組んで人間バリケードを作る活動家たちの背景にオリンピックスタジアムが見える。

 まさか日本が誇る大作アニメ「AKIRA」のような光景を目にするとは思ってもいなかった。

 抗議活動を終え活動家が撤収したあとも、警察は歩行者が溜まらないように歩道の通行に規制をかけていたが、事前通告もなかったものだから近隣住民が通ろうとするたびに苦情を受けていた。現場に駆り出される警官たちも大変だったろう。

 たいした議論もされないままなし崩し的に始まった東京オリンピック。アスリートたちには素晴らしい活躍をしてほしいのだが、開催直前の辞任と解任劇、そして組織委員会を始め、IOC、政府の無責任な対応は、やはりオリンピック後も検証しなければならないだろう。

写真=八尋伸

(八尋 伸)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング