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「キスもします。仕事だから」コロナ感染の歌舞伎町セクキャバ嬢が告白した“おっぱいクラスター”の現在――2021上半期BEST5

文春オンライン / 2021年9月2日 17時0分

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1月7日、2度目の緊急事態宣言 ©️文藝春秋

2021年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。社会部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年1月18日)。

*  *  *

「ほんと、エロは不況にもコロナにも強くて驚くね。風俗もセクキャバも、欲に負けたお客さんが絶対来るからね。緊急事態宣言が出た今だって賑わってるよ」

 1月7日に出た2度目の緊急事態宣言が、1度目ほどの効果と緊張感を生み出せずにいる。日本最大の歓楽街、新宿・歌舞伎町も人出が戻り、“濃厚接触”が売りの風俗店にも客足が戻ってきているという。

「おっぱいクラスター」の今

 その中の1つ、「セクキャバ」とは「セクシーキャバクラ」の略。「おっぱいパブ」とも呼ばれ、女性キャストが客の上に上半身裸でまたがり、キスなどの濃厚サービスをする飲食店だ。フロアは薄暗く、風呂やシャワーもない。女性キャストは男性客に舐められた身体をおしぼりで拭く程度で、次の客の相手をする。

 感染症が広がる条件が揃った業態で、実際に昨年7月には北海道札幌市すすきのの同型店舗にてクラスターが発生。ネット上では「おっぱいクラスター」、「乳首クラスター」という言葉さえ生まれた。

一度かかったので“無敵モード”に

 昨年秋には、歌舞伎町のセクキャバでもクラスターが発生している。取材班は新型コロナウイルスに感染した経験がある歌舞伎町のセクキャバ嬢・A子さんに話をきいた。

「うちのお店は春から夏の終わりにかけて、ほとんどのキャスト、黒服がコロナに感染しています。皆がコロナ経験者なので『抗体があるからもうかからない』と“無敵モード”で余裕かましてますね。コロナにかかったときの対応もさまざまで、しっかりPCR検査を受けて2週間休む子もいれば、『匂いや味がない』と言いながら、PCR検査も受けず、4~5日休んですぐに復帰する子もいました。私は高熱がでてインフルエンザのように体の節々が痛くて、症状が重かった。体の調子が落ち着いてもかなり長い間嗅覚も味覚も戻らず、自分は何を食べているんだろうという状態でした」

サラリーマンの客は激減したが……

 感染から半年、A子さん自身も生活費のために今も勤務を続けている。時給5千円以上のアルバイトは他にない、というのが理由だ。借金、学費、ホストクラブのツケと理由は様々だが、同僚たちも多くが働き続けている。

「店の営業は深夜までの1部と明け方から始まる2部に分かれています。1部はサラリーマンのお客さんがメインだったので激減しましたが、2部はホストやバー店員など歌舞伎町の水商売の同業者が多いので、連日大盛況で給料も安泰です。早朝営業は、本業が別にあったり学生だったりして副業で働く子も多くて、最近もよく未経験者が体験入店にきます。朝8時まで働いてそのまま出勤したり学校へ行く子が多いですね」(A子さん)

 勤務直後に職場や学校へ行けば感染を広げるリスクは当然あるが、そもそも夜の仕事についてはオープンにしていないケースも多いので、職場や学校では周囲と普通に接しているという。

一度かかったこと」が最大の対策?

 そもそも店内での感染対策はどうなっているのか。

「一応、コロナ対策でお客さんにはイソジンでうがいをしてもらっています。私たちも接客前には透明のボトルに入った『次亜塩素酸水』をおしぼりにつけて、胸や口、耳を消毒しています。何度も消毒してるとピリピリして肌が荒れるので、消毒後はおしぼりで拭き取ってる子が多いです。

 対策はそれくらいで、ディープキスもするし、おっぱいも舐められる。それが仕事だからね。まあ一番の対策は、すでに一度コロナにかかってること。2部の営業は女の子だけじゃなくてお客さんもスタッフもほとんどがコロナ経験者だから、誰も気にしてませんよ(笑)」(同前)

1回目の緊急事態宣言で出た赤字は300万以上

 新型コロナウイルスは世界中で再感染の症例が報告されており、「一度かかったから大丈夫」という楽観はウイルスには通用しない。だが、生活のために働き続けなければいけない以上、「大丈夫」とでも思わなければやっていられないのもまた事実なのだろう。「黒服」と呼ばれる男性スタッフも本音をぶちまけた。

「1回目の緊急事態宣言が出た5月は300万円以上の赤字でしたからね。店を閉めろって言われても、じゃあそれだけのお金を誰かくれるのかっていう話で……。セクキャバは一応飲食店ですが、業種そのものがグレーというかほぼアウトな店も多いですから。それでも皆、お金のために尻に火がついてるんですよ」

「まだコロナとか言ってるの?」

 生活のために店を開けて何が悪い、という開き直りにも似た“空気”は歌舞伎町で働く多くの人に共通している。

 1月14日の午前7時頃、仕事を終えて千鳥足で家路につくホストに声をかけると、「まだコロナとか言ってるの? もう飽きたし……」と、その話をすることすら嫌だという表情を見せた。

 菅首相が2回目の緊急事態宣言を表明してからちょうど10日目を迎えた1月17日、東京都の新規感染者数は日曜日としては最多の1592人となった。「週末の人出は減った」との報道もあったが、歌舞伎町の実情は違った。2月7日までの実施期間で、感染拡大は果たしてどこまで抑え込めるのか。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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