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眞子さまのご結婚が“恋愛問題”で済まされない深刻な理由《黒田清子さんは皇族のお相手としてふさわしい方を…》

文春オンライン / 2021年9月24日 6時0分

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小室圭さん ©JMPA

眞子さまと小室圭さんのご結婚は新皇室の危機 なぜ側近は皇族の恋愛リスクに鈍感だったのか から続く

 秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんのご結婚については、今なお国民のあいだでさまざまな議論が巻き起こっています。「文藝春秋」は秋篠宮家の内実を報じてきました。ノンフィクション作家・保阪正康氏による「眞子さま百年の恋は新皇室の危機」(「文藝春秋」2019年6月号)を特別に全文公開します。(全2回の2回目/ 前編 から続く)

(※年齢、日付、呼称などは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

共感と尊敬というアンビバレントな感情

 国民は、皇室に対して共感と尊敬というアンビバレントな感情を抱いています。

 共感とは、皇室も決して自分たち庶民と縁遠い世界ではなく、同じ日本人として共感できる存在でいてほしいという思いです。「愛子さまはお相撲が好き」「悠仁さまは虫取りに夢中」といった御日常が繰り返し報じられるのは、庶民に近い皇族の姿に多くの日本人が共感を覚えるからでしょう。

 ところがその一方で、国民の中には、いまの日本ではほとんど失われてしまった、長い歴史を誇る血筋や家柄を日本の象徴として保ち続けて欲しいという思いがあります。庶民とは隔絶した気高い存在であって欲しいという思いも国民の切なる願いなのです。

小室氏が天皇家の親族となることは受け入れられるのか

 それゆえ、個人の感情の発露である恋愛となったとき、場合によっては、国民の心の中で、この二つの価値観がぶつかってしまう。個人の生き方として恋愛して結婚するのはすばらしいことであるのは、誰もが理解しています。ただ、歴史的に連綿と続いてきた皇族の方がその枠から外れる、もしくは社会常識から外れるような恋愛に走ることは、やはり国民としては容易に受け入れるのが難しいのです。

 イギリスのマーガレット王女が個人として恋愛をするのは、問題ありませんでした。しかし彼女もイギリス王室の一員であり、その歴史や伝統の枠からは外れるような恋は、周囲からも国民からも支持が得られなかったのです。それゆえ、相手との結婚を諦めざるを得なくなったのです。

 では小室氏が天皇家の親族となることは受け入れられるのか。私は小室氏が、母親の借金問題について次のように述べたことはとても大きいと思いました。

「支援については解決済みの事柄であると理解してまいりました」

「支援については解決済みの事柄であると理解してまいりました。そのため、平成29年12月から元婚約者の方のコメントだとされるものが連日報道される事態となり、私も母もたいへん困惑いたしました。(中略)ご支援を受けたことには今も感謝しておりますので、今後は元婚約者の方からご理解を得ることができるよう努めたいと考えております」

 私は、これを読んで眞子さまとの結婚は難しくなったと思いました。何しろ母の借金は、小室氏自らの学費に遣われているのです。にもかかわらず返済する気はないと言い切ってしまった。これでは国民の共感は得られません。

 それゆえ、「二人とも好きなのだからご結婚されればいい」という意見には、賛成することはできないのです。

皇族のお相手としてふさわしい方を選ばれてきた

 イギリス王室のように、日本でも皇族の恋愛が皇室に危機をもたらす可能性は、以前から十分にありました。そうならなかったのは、天皇陛下も秋篠宮殿下も黒田清子さんも、そしてほかの皇族の方々も、皇族のお相手としてふさわしい方を選ばれてきたからでしょう。

 その幸運に安住したのかどうかはわかりませんが、政府も宮内庁も、潜在的なリスクに対する意識は希薄でした。小室氏のことは急に降って湧いた問題であるかのように考えられていますが、どこかの段階で手を打つこともできたはずなのです。なぜそれができなかったのか。

 それは皇族の恋愛について、誰もが考えるのを避けてきたからでしょう。

 皇族は、基本的には幼稚園から大学まで学習院で過ごします。卒業したら大学院に残るなり、大学関連の仕事に就くなりしつつ、成年皇族として公務もなさる。男子は皇室に残りますが、女子はいつか一般の男性と結婚し、皇族の身分を離れます。高円宮家の姉妹がまさにそうであったように、これまでの女性皇族たちがこのルートに従ってきたため、幸い道を踏み外す方はいませんでした。

 そのことを当然のこととして受け止めてきたから、眞子さまの問題が起きたとも言えるのです。

 しかし皇族も人間である以上、感情を持っています。どこかで決められたこと以外のことに挑戦してみたい、という考えを持つのが自然です。実際、進学先は自由に選ばれるようになってきました。高円宮承子さまは早稲田大学、高円宮絢子さまは城西国際大学、眞子さまや佳子さまはICU、そして悠仁さまはお茶の水大学附属に進んだわけです。

 皇族は学習院に進むべきだという話がしたいわけではありません。問題は大学に限らず、あらゆることに自由な選択が広がり得るということなのです。皇族の方々にも自分なりの考え方は当然あるでしょうし、これまでの天皇家のあり方に疑問を持たれることもあるかもしれません。

秋篠宮家の父母と娘たちの関係を、修復できそうな人はいない

 もし今の日本に上皇陛下の御教育掛を務めた小泉信三のような知恵者がいたら、今回の事態を看過せず何らかの手を打つなり、助言をするなりしていたでしょう。

 しかし残念ながら小泉のような人物は、皇室の周辺にも宮内庁の側近の中にも見当たらない。秋篠宮家の父母と娘たちの関係が断絶していることは明らかなのに、それを修復できそうな人はいないのです。

 こうした危機をどう収めるか、あるいは、将来同じような危機が起きないようにするにはどうしたらよいか。私は、宮内庁の側近と言われる人の中に、皇族の相談相手となり得る人が必要だと考えます。

 秋篠宮家に限らず皇室の方々の生活を支える側近は最近、「ことなかれ」的な公務員気質を持った人が多いようです。2~3年のローテーションで様々な官庁から回されて来るだけだから、「腰掛け」的な意識が抜けきらない。昨日までずっと外務省や警察庁にいた人ですから、皇室のことはほとんど知識がありません。皇室のために一肌脱ごうという意識がないのも当然なのです。

 その結果、皇族の恋愛に限らず家庭内の問題について、「畏れながら申し上げます」と意見できる人がいません。眞子さまが小室氏と交際中、一人として秋篠宮ご夫妻に意見を述べる側近がいなかったことが人材不足を証明しています。

 何も側近者全員が「小泉信三」である必要はありません。少数でもいいから皇室にお仕えするという意識を持ち、宮さまたちが本心から相談できる側近を身近に置く制度に改めるべきです。

平成の皇太子家と秋篠宮家のご交流は……

 もうひとつ、令和の時代にぜひ期待したいのは、雅子さまが眞子さま、佳子さまのご相談に乗る、あるいは紀子さまが愛子さまのご相談を受けるという御親戚同士の交流が生まれることです。

 平成の時代には、皇太子家と秋篠宮家のご交流があまり見られませんでしたが、ご親族同士が助け合う関係になれば難題解決の一助になるかもしれません。

 一般的な親戚づきあいをしている家の場合、たまに親戚が集まって「今度、うちの娘が結婚するのよ」という話になれば、「どんな相手なの」「へぇ、そんな仕事しているんだ。いい人そう?」と忌憚なく話ができます。親には話せないことも親戚の伯父さんや伯母さんには、不思議と相談ができることもある。

 令和の時代は過去に例のない、珍しい時代でもあります。

 上皇陛下、天皇陛下、そして皇嗣殿下と悠仁さま、過去、現在、未来の4人の天皇が同時代にいらっしゃるのです。悠仁さまは、上皇陛下、天皇陛下のお二人から皇位継承について教えを受けることができます。陛下と悠仁さまは伯父と甥の関係です。お二人の交流からご家族同士の交流も深まってほしいものです。

眞子さまのご結婚は、単なる恋愛問題で済まされない

 未来の皇室のあり方は、悠仁さまはもちろん、愛子さま、眞子さま、佳子さまたちの世代が決めていくことになります。中でも年長で、しかも天皇の姉となる眞子さまや佳子さまの存在は将来になるにつれ大きくなる可能性がある。

 国民も4人の親王、内親王の姿を通して「令和の次の皇室はこのように変わっていくのだろう」と考えるわけです。だからこそ今起きている眞子さまと小室氏のことは、単なる恋愛問題では済まされない。今後の皇室のあり方、そして皇室の人々の生き方の問題にまで繋がってくる重大なことなのです。

 天皇皇后両陛下が眞子さまの相談に乗り、小室氏との問題が解決に向かえば、令和の皇室は国民の支持を広く集めるはずです。

 令和の皇室の運命は、眞子さまのご結婚問題をどう解決するかに大きくかかっています。これは宮内庁ばかりの責任ではなく国民全員の問題でもある。

 皇室をいかに支えていくかについての議論をさらに深めていく必要があります。

(「文藝春秋」2019年6月号より)

(保阪 正康/文藝春秋 2019年6月号)

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