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紀宮さまは“相応しいご結婚相手”黒田慶樹さんと…眞子さまの自由なふるまい、“皇族然”とした愛子さまの今後は?

文春オンライン / 2021年10月16日 6時0分

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愛子さま ©JMPA

眞子さまの心に国民の声は響かなかったのか 美智子さまが築かれた「大衆天皇制」が崩壊する から続く

「文藝春秋」11月号より御厨貴氏と林真理子氏による対談「『大衆天皇制』の崩壊」を一部公開します。(全2回の2回目/ 前編 から続く)

◆ ◆ ◆

「私たちの税金」と叫ぶ令和の大衆

御厨 眞子さまの問題で我々が思い知らされた、この「大衆天皇制の崩壊」という事態をどう受け止め、今後の天皇制の在り方をどう考えていくべきか。問題はこれに尽きると思うんですよ。

 そうなんですね。「大衆」ということで言うと、ネットなんかを見ていると、「私たちの税金で生活している人が、どうしてこんなに勝手なことをしているんだ」という声をよく目にします。私の世代だとそんな発想が浮かぶことすらないから空恐ろしくなりますが、皇室に対してこういう意見が平然と交わされるというのは、かなり危険なことじゃないかなと思ってしまいます。

御厨 ミッチーブームの頃はそうした声がかき消されるほどに皇室の人気は高かった。みなが美智子さまの真似をして軽井沢でテニスをしたり、ご一家に憧憬の念を抱くばかりでした。理想の家族としての皇室像は、現在の天皇である皇太子ご一家や秋篠宮家など宮家にも伝播していきました。

30年前も大衆天皇制は存続していた

 実は私、今日は軽井沢から東京に戻ってきたんです。昨日は1泊だけ万平ホテルに泊まりました。

御厨 皇室ゆかりのホテルですね。

林 それで思い出したのは、まだ2歳にならない眞子さまと秋篠宮ご夫妻が万平ホテルを訪れていたときの映像です。93年頃だと思います。ホテルで飼われていた大きなゴールデンレトリバーが、紀子さまに抱っこされた眞子さまに飛びかかったあの有名なシーン。紀子さまは「あら、お友達になりたいのね」なんて微笑んでいらして、本当に素敵なお母さんだった。眞子さまも自分より体の大きいゴールデンレトリバーに怖がらないで餌をあげたりして、あっという間に仲良くなっていく様子がテレビで流されました。

御厨 あれこそまさに国民に開かれた皇族の姿でした。93年といえば、現在の天皇陛下が雅子皇后と結婚したときのフィーバーぶりも凄かった。ご成婚パレードでは沿道に国民が押し寄せました。30年前も大衆天皇制は存続していたのです。新しいプリンセスがその都度、華やかに取り上げられましたが、中心には美智子さまの存在があり、彼女たちはそのビヘイビアを真似ていたのです。そういった意味でも美智子さまの図抜けた才能は余人を以て代えがたいものだった。それを令和になった今、我々は実感しているというわけです。

秋篠宮家へのバッシングの声

 私は眞子さまのご結婚についても、美智子さまの言葉で国民感情は一件落着するのではないかと思うんです。「今回のことはこういうことだから、私が叱っておきましたから、許してやってください。今後は悠仁を盛り立てて、一同心を合わせます」とか。御厨先生、今度美智子さまに会われた時にぜひご提案していただければと思うんです。

御厨 ハハハ。

林 それにしても、秋篠宮家へのバッシングの声が大きくなるにつれ、お兄さまである天皇家の存在感が増しているように見えます。この前の東京オリンピックの開会式でも、陛下のご様子が本当に楽しげで優しげで、いらっしゃるだけで心が癒されると珍しくネット上も称賛の声ばかりでした。

天皇制における「次男」問題

御厨 伝統的に申し上げても、日本の天皇家というのは長子相続で、代々長男が皇太子となって継いできました。「次男」という存在が天皇制に関わると、いろいろやっかいな問題が起きたりもしていたのです。たいてい次男というのはやんちゃなもので。昭和天皇の弟君であられた秩父宮さまも二・二六事件の際、軍部との近さが問題になったことがありました。秋篠宮さまは子供たちへの教育ひとつとってもかなり自由ですよね。きちんとお務めになる長男と、その姿を横目に羽目を外す次男、というのは珍しくない構図です。

 秋篠宮ご夫妻はよく、「子供たちに任せている」とおっしゃいますね。娘たちの大学も皇族が代々通われる学習院ではなく、国際基督教大学を選ばれて。学習院に入れられていれば、いまのような問題は起きなかったような気が……。

御厨 そうでしょうね。

眞子さまに相応しいご結婚相手をご紹介すべきだったのでは…

林 それに、いまさら言っても詮ないことですが、眞子さまにはしかるべき人が相応しいご結婚相手をご紹介すべきだったのではと、やっぱり思ってしまうのです。たとえば紀宮さま(黒田清子さん)と結婚した黒田慶樹さんなんて、いかにも朴訥とした好青年でした。一般家庭の出で大金持ちではなかったかもしれませんが、誠実そうで、秋篠宮さまの同級生というご縁がありました。三笠宮家の容子さまは裏千家の家元に嫁がれましたし、昭和天皇の第5皇女で「おスタちゃん」と呼ばれた清宮さま(島津貴子さん)も、結婚直前の誕生日会見で「私の選んだ人を見てください」なんておっしゃっていたけれど、島津家に嫁いだ。つまり、たった半世紀さかのぼれば、みなさんちゃんとしかるべきお家に嫁がれていたんです。

“愛子天皇”は不可能?

御厨 最近は、結婚が「家」同士のものという考え方そのものが薄れてきていますからね。

 旧家と呼ばれる家の方々であっても、「本人の好きな人と結婚するのはしょうがない。毎年ちょっとお墓参りに行ってくれさえすればいいよ」といった具合で、親世代も諦めている節があると聞きます。

御厨 その流れが天皇家にもスライドしているということでしょう。ただ大前提として、天皇制は家と家との結婚で維持されてきた歴史がある。それがいつしか、自由恋愛であるとか、個人の自由を重んじるような風潮が出てきた。眞子さまもそうですが、妹の佳子さまも「姉の一個人としての希望がかなう形に」とコメントしています。一個人である前に、公的な立場であるという意識が少し欠けているのかもしれません。

 やはり眞子さまや佳子さまの自由なふるまいを目にすると、皇族然として正道を行かれる愛子さまのお姿に好感を抱く国民はかなり多いと思うんです。聡明で、お人柄もすばらしいというお話も洩れ伝わってきます。本当は東大を狙えるほどの学力なのに、お立場を考えて学習院に進まれているとか。ここにひとつの救いがある気がします。

御厨 そうですね。愛子さまに関しては、いっとき不登校などという報道もありましたが、いまやすっかり国民から愛されている印象です。となると、ここで出てくるのが、「女性天皇でもいいじゃないか」という問題。ただ、これがなかなか難しい。今、政府の新たな有識者会議で検討していますが、おそらく決定的な結論は出せないと思います。

「 『大衆天皇制』の崩壊 」の全文は、「文藝春秋」2021年11月号と「文藝春秋digital」に掲載されています。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2021年11月号)

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