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「帰るな!」記者はメリー氏に呼び出され5時間以上ジャニーズ事務所で詰問…見せしめのような“公開私刑”《SMAPはなぜ壊れたのか》

文春オンライン / 2021年11月13日 6時0分

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ジャニーズ事務所 ©AFLO

木村拓哉は「SMAPが“空中分解”になりかねない状態」と…国民的グループ25年の暗闘史《メリー氏は“敵と家族と使用人しかいない”》 から続く

 年間1000億円を稼ぎ出すとも言われるジャニーズ事務所のメリー喜多川氏が今年8月14日、肺炎を患い都内の病院で亡くなった。まさしく5年前、2016年8月14日に解散を発表したSMAPの “解散分裂騒動”を取材した、ジャーナリストの中村竜太郎氏による寄稿(「文藝春秋」2016年3月号)を公開する。(全2回の2回目/ 前編 から続く)

(※年齢、肩書などは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

“傍流”は排除しても問題ない

 1998年から開始され毎年恒例となっている「ジャニーズカウントダウンライブ」には長老格の近藤真彦から若手のジャニーズJr.までタレントが総出演するが、これまでなぜかSMAPだけは参加をしていない。また、阪神淡路大震災のチャリティ活動の一環として97年から03年まで活動したジャニーズ特別ユニット『J-FRIENDS』もTOKIO、V6、KinKi Kidsの混成で、SMAPはライブで「俺たちも入りたかった。寂しい」と発言した逸話もあり、事務所の後押しが無かったことが窺える。

「TOKIOはジュリー氏が任され猛烈にプッシュしていたのですが、社内ライバルのSMAPの後塵を拝し、長い間悔しい思いでいたそうです。ところがその後、嵐がブレイク。今では彼らの売り上げがトップとなり、SMAPに頼る必要も無くなった。今ではジャニーズ一族は数世代先まで経済的に安泰というほどの資産家ですから、“傍流”は排除しても問題ないということ。ジャニーズ広報担当役員は神経質なマスコミ対応で有名ですが、SMAPに関しては『飯島に直接聞けばいいんじゃない? 適当に書けば』という態度です」(ベテラン音楽記者)

“ジュリー派と飯島派”に怒り沸騰

 SMAP解散騒動の直接的な原因といわれているのが、週刊文春2015年1月29日号「ジャニーズ女帝メリー喜多川怒りの独白5時間」という記事だ。インタビューが行われたのは乃木坂のジャニーズ本社ビルだが、記者からの質問状を手にしたメリー氏はすぐさま激昂した。

〈私が失礼だと言っているのはね、(文春の)質問状のこと。『小誌の取材では次期社長候補である藤島ジュリー景子が……』って書いてあるけど、当たり前じゃない。何がおかしいんですか? 私の娘が(会社を)継いで何がおかしいの? “次期社長候補”って失礼な。次期社長ですよ〉

 ジャニーズ事務所にジュリー派と飯島派があるという件に関して、さらに怒りは沸騰。

〈ジュリー以外に(誰かが)派閥を作っているという話は耳に入っていません。もし、うちの事務所に派閥があるなら、それは私の管理不足です。事実なら許せないことですし、あなた方にそう思わせたとしたら、飯島(三智)を注意します。今日、(飯島氏を)辞めさせますよ〉

 するとメリー氏は飯島氏を至急呼ぶように命じた。慌てて会議室に駆け付けた飯島女史は、平身低頭でこう説明するのが精一杯だった。

見せしめのような“公開私刑”

〈私も大変困ってまして(中略)私も被害に遭っている立場で、それはジュリーさんもそうだと思います。ジャニーズ事務所全体がそういうふうに見られている。そのように足を引っ張りたい方もいらっしゃると思うんですよ〉

 俯き加減で派閥の存在を再三否定する飯島女史だったが、さらにメリー氏はこう言い放った。

〈だって(共演しようにも)SMAPは踊れないじゃないですか。あなた、タレント見ていて踊りの違いってわからないんですか? それで、そういうことをお書きになったら失礼よ。(SMAPは)踊れる子たちから見れば、踊れません〉

 長年に亘ってジャニーズ事務所と敵対する週刊誌の記者の目の前で、飯島女史ひとりが繰り返し打擲(ちょうちゃく)されるように咎められた。圧倒的な力の差。彼女はひたすら無実を訴えたが、怒濤のようなメリー氏の攻撃は止まらなかった。

〈いや、すごい問題ですよ。だから、この人を呼んでいるのは、私、何にも(根拠)なしにね、『飯島、こういう噂だから、あんたクビだよ』と言うことはできない。今、ここでこういう話を聞いているから、飯島、私はこう言いますよ。『あんた、文春さんがはっきり聞いているんだから、対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい』と言いますよ〉

 まるで見せしめのような“公開私刑”だったに違いない。余談となるが、筆者もこの出来事の5年前、週刊誌に書いた記事に関してメリー氏に呼び出された。飯島氏と同じ場所で5時間以上取り調べのように詰問され、「殴るぞ!」と恫喝され、決裂して帰ろうとすると「帰るな!」と怒鳴りつけられた。同じ席には、ジャニーズ事務所の弁護士と役員が同席していた。彼らを従え、記事に対して激しく反論するメリー氏。筆者としては理不尽としか思えない主張の繰り返しだったが、この凄みがジャニーズ事務所を芸能界のトップに押し上げた原動力かと、痛感したのだった。

「飯島は私の子供じゃないんだもの」

 翻って飯島女史だが、その後もとどまることなく続いたメリー氏の叱責は、週刊文春が記事で詳報を掲載。そしてメリー氏は飯島氏に引責辞任を迫るかのように激しい言葉を浴びせたのだ。

〈飯島に関しても私の管理の仕方が悪いんですよね。だから、みんな勘違いしちゃう。うちの娘と飯島が争うなら私は飯島に『出ていけ』と言うしかない。だって、飯島は私の子供じゃないんだもの〉

 ジャニーズ事務所は芸能界で絶対的な地位にあり、いくら理不尽なことを突き付けられても、メリー氏がその中で“絶対”である以上、飯島氏にとってその言葉は最後通牒も同然だったろう。この記事の後、意気消沈した飯島氏だったが、再度奮起して昨年夏に独立を画策したという。スポーツ紙デスクが語る。

中居以下の4人は追随する意思を示したが……

「飯島氏はSMAPを引き連れていくことを前提に、芸能界の有力者に相談し『SMAP全員が揃うのならば協力する』という話を水面下で進めていました。一部では飯島氏の野心先行といわれましたが、それは芸能界の力学による偏向報道で、彼女にとって残された選択肢はそれしかなかったというのが実情。また、そもそもメリー氏と距離があったうえ週刊文春誌上で『踊れない』と公然と批判されたSMAPメンバーも、中居以下の4人は追随する意思を示しましたが、最初から木村だけは残留するとはっきりと言っていた。個人の売り上げは司会業が好調な中居が5億円で、木村よりも2億円多く稼いでいるはずですが、もしも移籍を後押しするとジャニーズと面倒なことになるため、受け皿になる協力者はリスクが大きいと判断。計画は頓挫したのです」

 芸能界の歴史においてタレントの勝手な独立、引き抜きは重大なご法度だ。それを禁止するためにナベプロ主導で日本音楽事業者協会が作られた経緯があり、同団体に加入せず「去る者は追わず」と標榜するジャニーズ事務所においても、独立してすぐ成功したのは郷ひろみと本木雅弘などほんの僅かしかいない。ほとんどは業界の慣例通りホサれ、やがて潰されてしまう。木村を口説けるのではないかという飯島氏の目算は見事に外れ、騒動発覚から二転三転、1週間もしないうちにSMAPメンバーは元の鞘に収まることと相成った。完全に敗北した“育ての親”は先月、30年以上勤めたジャニーズ事務所を静かに去り、芸能界からの引退が囁かれている。

過去にも2度大きな危機が……SMAP解散騒動の歴史

 実はSMAPの解散騒動は今回だけではなく、過去にも2度大きな危機を迎えている。最初は96年5月、当時木村と人気面で双璧だった森且行がオートレーサーになるため脱退した時で、

「平均年収2000万円という職業に魅力を感じ、悩んだ末に決断した。もったいないというかもしれませんが、裏を返せば当時の給与待遇がいかに低かったかということ。当時ジャニーズの売り上げは30億円ほどでしたが、その半分以上をSMAPが稼ぎ出していたのに、あろうことか彼らの基本給は20万円ほど。CD売り上げやCMの本数に応じて諸々の歩合が加算されますが、基本給だけだと年収240万円だったそうです」(ベテラン芸能記者)

 脱退した森をメリー氏は激怒して許さず、テレビ局に「森というメンバーは最初からSMAPにいなかった」と事実を捻じ曲げることを言い募り、過去の映像から編集で消すように求めていたのは知る人ぞ知る話だ。

 2度目の危機は、今回ジャニーズ事務所側についた木村の独立が囁かれた時。脱退した森と同様に金銭面の不満が理由で、97年10月に解散するという説が浮上したが、水面下で進んでいた木村の移籍話が事務所に漏れ、ついに未遂に終わった。当時キムタク人気は絶頂で、木村個人のCMギャラが1本6000万円とされた時代、年間3億円の収入があるはずが、

「木村は『楽屋で格下の売れてないタレントとなんとなくギャラの話になった時、自分よりも格段に多くて、一瞬目が点になった』と真剣に怒っていた」(前出・ベテラン音楽記者)

逆らうことよりも言いなりになる道を選んだ木村

 そのため木村の父親が息子と二人三脚で条件闘争を繰り広げ、脱サラした父親は個人会社を設立し、独立の準備を進めていた。さらに木村の写真集をジャニーズ事務所を通さずに出版したが、事務所側も独立をさせない代わりに異例の“臨時ボーナス”扱いにした過去があった。

「木村はその時メリー氏と話し合いをし、その強烈なキャラクターに辟易し、逆らうことよりも言いなりになる道を選んだ。当時フジテレビで独立説を払拭する内容の単独インタビューを唐突に行いましたが、メリー氏の命令に従い渋々受けたそうです。2000年12月の工藤静香との結婚は事前にメリー氏の許しを得ており、今回の木村の残留表明もその恩義を感じていたことと、また、メンバーで唯一妻子持ちということも強く影響している」(芸能事務所関係者)

 今後、SMAPの5人はどのような道を歩むのか。

 木村が将来のジャニーズ幹部と期待される一方で、中居以下4人は造反組として茨の道を歩む確率が高い。例の“公開謝罪”の未来の見えない表情はありありとそれを物語っているように見えた。

事務所の存在が巨大なものとしてイメージ化

 しかしジャニーズ事務所のお家事情が招いた椿事ゆえ本来ならばSMAPメンバーよりも、代表であるジャニー社長やメリー副社長が公開謝罪するのが社会通念上筋だという声もあるが、誰もそれを指摘せず業界全体が一斉に強い者へなびいていくのが、ことの深刻さをさらに強めている。

 ジャニーズ事務所の強烈なまでのマスコミへの支配力と、それに疑問を抱かなくなった大手メディア。今回の独立騒動は、図らずもその暗部に光を当てることとなったのだ。

 今回の騒動を受けて宣伝会議「AdverTimes」が広告主及び広告会社にアンケート調査を実施したところ、SMAPの広告価値が「低くなった」「やや低くなった」という回答が合わせて62.8%にものぼったという。「解散騒動により事務所という存在が巨大なものとしてイメージ化され、そのインパクトがネガティブに捉えられている」という意見があり、SMAPのみならず、ジャニーズ事務所のイメージも低下しているとみられている。SMAPがメリー氏の言いなりとなっていることが白日の下に晒された以上、世間一般の人は、もはや彼らに対して夢を見ることが困難になっているのではないか。今後、主戦場であるテレビの視聴率にも影響が出るだろう。

 スキャンダルはボディブローのようにじわじわと効いてくるが、ジャニーズ事務所とSMAPの契約更新は今年9月。このままの状況が続けばもう一波乱あるかもしれない。

(「文藝春秋」2016年3月号より)

(中村 竜太郎/文藝春秋 2016年3月号)

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