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「政権選択の大決戦」と言うけれど…立憲民主党代表・枝野幸男の“ズルい振る舞い”《まもなく10・31衆院選》

文春オンライン / 2021年10月26日 6時0分

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岸田文雄首相 ©JMPA

 衆院選の「前哨戦」とも言われた参院2補選。自民党は山口では圧勝、静岡は「予想外の敗北」とも言われた。この結果をどう見ればよいのだろう? 実は私が気になったのは野党の振る舞いでした。

朝日新聞にパワーワードが

 静岡のおさらい。産経新聞は「与党は党一丸で臨んだ接戦の静岡で野党推薦候補に勝ちきれなかった」(10月25日)と書いています。さらに朝日新聞にはパワーワードが。

《首相が懸命になるほど、この4年間の政権批判も勢いが増すことから、県連内では「寝た子を起こす。首相には来てほしくない」との声さえ上がった。》(10月25日)

 寝た子を起こす!

 やはり10月31日の衆院選のテーマも「岸田政権を問う」ではなく「この4年間の安倍・菅政権も問う」なのだろう。当然と言えば当然です。

気合が入る立憲民主党だが

 日経新聞は川勝平太知事が山崎真之輔氏(野党系)の応援にまわったのが大きいと書く(10月25日)。川勝知事は「リニア中央新幹線の建設問題で政府と対立し、6月の県知事選で30万票以上の差をつけて自民推薦候補を破った」人である。県政もやはり焦点でした。

 今回の静岡の結果を受けて、立憲民主党内には「共産と候補を一本化していない静岡補選で勝利した。衆院選は期待できる」という声が広がったという。野党第一党だから気合が入っている。

 ただ、先週末の読売新聞にはこんなことが書かれていた。

《立民は当初、補選は「衆院選の前哨戦にはあたらない」(福山幹事長)として、党幹部の静岡入りに慎重だった。だが、報道各社の情勢調査で予想以上の善戦が報じられると、方針を転換した。》(10月23日)

 この立憲民主党の態度がどうしても気になったのです。朝日も書いていた。告示日を前にした頃のことを。

立憲民主党の「ズルい振る舞い」

《立憲の枝野幸男代表は「政権選択の大決戦と構造は違う」と主張。記者団から応援入りの予定を問われても「ちょっと余裕はない」と距離を置いていた。》(10月25日)

 当初、立憲の幹部は負けそうな選挙からは距離を置いていた。それが勝てそうとなったら前面に出てくる。こういう振る舞いはズルくないだろうか。負けそうな選挙は国政と関係がないという態度は菅前政権を思い出した。

政権選択の大決戦

 ここからは10・31を考えてみる。枝野氏は衆院選を「政権選択の大決戦」と言っている。ではこの大決戦で政権交代ができなかったらどうするのか。自民が単独過半数をとったら枝野氏は責任をとるのだろうか?

 野党共闘を掲げるなら野党第一党のリーダーとして観客(有権者)に覚悟をプレゼンすべきだ。枝野氏の世の中への見え方ひとつで選挙(=まつり)のムードも上昇する可能性だってあるからだ。

 そうしないと口では政権交代だ野党共闘だと言っていても、本当は自分の党の議席が伸びるだけでシメシメなのだろうと思われてしまう。少なくとも私は意地悪にそう見る。

 決戦ムードを煽っていても選挙が終わったら自民も立憲もお互いに「勝った、勝った」では観客は白ける。だから野党第一党の振る舞いも問われるのだと思う。想像してほしい、政権交代ができなくても幹部の顔ぶれは同じ、そこそこの権力を握り、来年の参院選が近づいてきたらまた闘いだと叫んでみせる。この繰り返し……。

 こういう野党マジックがなんとなく続く限り、盛り上がるまつりも盛り上がらない。一般客を魅了できない。

 こんなことも指摘されている。立憲の党勢が伸び悩む理由のひとつとして党内外から指摘されるのが、「結党の理念」の薄れであると。

まつりを盛り上げる責任がある

《枝野が訴えてきた「草の根」や「ボトムアップ」型の政治が、この間どれだけ定着したのか――。党内からは、枝野とその周辺幹部を中心に進む党運営のありように、「枝野1強」との揶揄(やゆ)も漏れる。》(朝日新聞10月22日)

 私は大きな権力を握る政権与党にこそツッコミを優先すべきと考えるが、立憲も野党では権力側と言える。皮肉にも大小問わず権力の座にいるとホンモノの与党に似てくるのだろうか。

 まだ日曜の投票日まで時間はある。枝野氏や幹事長の福山哲郎氏は野党第一党としての腹のくくり方を具体的に表明したらどうか。まつりを盛り上げる責任がある。

 さて、バリバリの権力側である自民党は最近こちらのフレーズがお気に入りのよう。

『麻生太郎氏が痛烈「あちらは立憲共産党」応援演説で野党共闘批判』(日刊スポーツWEB・10月22日)

 あちらは立憲共産党というフレーズが強烈すぎた。自民党と公明党が組んでいることもうっかり思い出させた。

 言われてみれば今回の選挙はたしかに「野合」の激突かもしれない。互いに「お前のところの野合とはわけが違う」とどんどんやればいい。

公明党代表・山口那津男をバッサリ

 日刊スポーツの名物コラム「政界地獄耳」は公明党代表・山口那津男氏の発言にスポットを当てていた(10月21日)。

《15日に山口は「公明党は自民党政治のブレーキ役とアクセル役をしっかり果たしてきました。ハンドルもしっかり握り安全運転をしてまいりました」としたが安倍政権の「安保法制」「秘密保護法」「共謀罪」、菅政権の「学術会議任命拒否」ではブレーキすら踏んでいない。》

 地獄耳師匠バッサリ。見事な野合の姿がここにある。

 そういえば自民党と公明党はバチバチやっていた時代もあったっけ。名著『野中広務 差別と権力』(魚住昭、講談社文庫)を読むと、かつての「影の総理」野中広務が公明党に恐れられた姿が描かれている。

《後に野中が自公連立政権作りを成し遂げた後、有力支持者の一人が「どうやって学会・公明党とのパイプをつくったんですか」と野中に聞いた。すると野中はこう答えたという。「叩きに叩いたら、向こうからすり寄ってきたんや」》

 そんな自民&公明も今は仲良し。野党もこれぐらいのえげつなさを見習ったほうがよいのでは。

(プチ鹿島)

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