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「指いらんやろ、どうせ何もできひんねんから」ミシュラン掲載有名ラーメン店主が従業員女性に壮絶な暴行《録音データあり》

文春オンライン / 2022年1月21日 17時0分

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自由が丘にある「中華そば 堀川」 Ⓒ文藝春秋

《被害女性従業員が涙の告発》「突然顔にグーパンチが飛んできました」ミシュラン掲載有名ラーメン店主が傷害事件で逮捕されていた から続く

「ミシュランガイド東京2022」に掲載された有名ラーメン店「中華そば 堀川」で暴行事件が起きていた。2021年9月5日、6日に店主のB氏が元女性従業員のA子さんに合わせて10時間以上にわたって断続的に暴行を加え、同年11月30日に傷害容疑で逮捕された。

 B氏から受けた被害について、A子さんは涙ながらに告発する。

「Bは私を殴る時間の事を“パーティ”と呼んでいました。9月5日の営業終了後に、最後のお客さんが出て行くと同時にBは作業を止めて、厨房で私のことをいきなり激しく殴り始めたんです。私の体感としては2、3分くらいずっと。倒れても暴行は止まらず、もう上下や左右の感覚もなくなって、どこをどう殴られたのかも分からないくらいめちゃくちゃな状態でした」

「このアツアツのフライパンお前につけてええか?」

 一度暴行が収まった後にA子さんは片付けを始め、B氏は翌日の仕込みに着手した。残っている作業を片付けないとまた殴られるのではと怖くなったA子さんだが、B氏の行為はエスカレートしていった。

「私がコップを拭いている時に、Bが『このアツアツのフライパンお前につけてええか?』と、チャーシューを焼いていたフライパンを持って近づいてきたんです。怒っているんだけど楽しそうに笑ってもいる顔が怖くて、本当にやられると思って走って店の入口のドアを開けて逃げようとしました。するとBがすごい剣幕で『何してんねん、はよ閉めろ。外から見えるやん、台無しにするつもりか?』と追っかけてきました。Bに腕を掴まれて外に出ることはできず、扉と鍵を閉められて店内に連れ戻されました。フライパンを熱が伝わるくらい顔に近づけられ、その間も『ホンマに最悪』と繰り返していました。あまりの恐怖に震えが止まりませんでした。その後も殴る蹴るの暴行が続き、気持ち悪くなってトイレに駆け込んで吐いてしまいました」

 吐き気はどうにか収まったものの厨房に戻るのを躊躇していたA子さんに、B氏は追い打ちをかけるように卵を全力で投げつけたという。割れた卵の掃除をしたのもA子さんだった。さらにB氏は、物理的に殴るだけでなく精神的にもA子さんを追い込んでいった。

「Bがネギを切っていた包丁をこちらに向けて、笑顔で『マジで死んでほしいやんか。刺してもいいかな?』と言うんです。まだ死にたくないですと私が必死に言うと、『お前みたいな人間生きてる価値ないから死んでもよくない? むしろ死んでも悲しむやつおらんし。親もお前が死んだほうが喜ぶと思うし、俺に殺されることを感謝せなあかんで? お前みたいな娘がいるご両親が可哀想やわ』と……。この人に本当に刺されて殺されるんだと思いました。親のことを侮辱されたのも辛かったです」

 その後もA子さんは暴力と脅迫に耐えながら作業を続け、這いつくばってトイレで吐くということを何度も繰り返していた。

「木の箱に入れて、釘を打って出られないようにするから」

 そして、20時頃から暴力はある程度収まったものの“死”を匂わせるような発言が増え、逃げることができないような雰囲気を作っていったという。

「『今日営業終わったらドライブ行きたいから海と山行くけどどっちがいい?』と言われて私が困惑していると、『山だったらボコボコにした後に木の箱に入れて、釘を打って出られないようにするから終わりやな』と笑いながら言われました。そこから『ドライブ楽しみやな~』としきりに囁かれました。

 さらに『俺、大阪の怖~い兄ちゃんと繋がりがあるからお前が警察に行ったり逃げようとしてもすぐわかるし、お前の家族とか調べたらすぐわかるからな』とも言われました」

 結局、断続的に暴行を受けながらA子さんが作業を終えたのは閉店から5時間以上が経過した21時半だった。店を出て帰路につこうとするA子さんに、B氏は「お前明日来るんか?」と聞いたという。

「『来ないならお前と同じ年くらいの他の女の子を呼ぶで?』とBに言われ、私以外の被害者が出る可能性が頭をよぎりました。Bの異常性は痛感したし、殺されてしまうかもと思ったけど、それを他の人に押し付けることも怖くなって『行きます』と答えてしまいました。するとBは『明日来るなら家に泊まっていけ』と言ってきました。長時間罵倒され殴られたことで、私は拒否をすればまた殴られるという暗示にかかっていました。その状況で私には断る選択肢がありませんでした。Bが先に家に向かっている隙に友人に電話して『もしかしたら殺されるかもしれない。何かあったら親に伝えて』と話しました。家では殴られることはありませんでしたが、恐怖で一睡もできず出勤しました」

 翌9月6日もA子さんは朝9時半に「中華そば 堀川」へ出勤したが、この日も営業中から、理由がわからない暴行が続いたという。

「営業中から殴られ過ぎて意識朦朧としてしまうような状態でしたが、閉店後は前日以上に強く殴られました。前日は腕や体が多かったのですが、この日は首や後頭部にもパンチが飛んできました」

「指いらんやろ、どうせ何もできひんねんから」

 さらにB氏は高速で回転する刃のついたミキサーを持つと、A子さんの手を掴んでその中に入れようとした。A子さんが身を守るためにオンにしていた録音機の中に、その時の生々しい会話が残っている。

B氏「手入れろ、手」

A子さん「すみません、できないです」

B氏「は? ほんならおまえほら、スピード落としたるわ。これやったらええやろ?」

A子さん「スピードとかじゃなくて……」

B氏「これやったら大丈夫やろ。これ3、2、1の2にしたるわ」

A子さん「すみません」

B氏「ターボこれやで?」(ハンドミキサーをターボモードに強める)

A子さん「2も1もターボもできないです」

B氏「これやったらできるやろ?」(ミキサーの速度を1にする)

A子さん「1もできないです」

B氏「手いる? 指いらんやろ、どうせ何もできひんねんから。その方が言い訳できるやんか、手ないからって。ちゃうか? それもそうやなとおもたんちゃうか? 言い訳できるやん。指がないんで仕事できないです。ああん? その方がええやんけ。ちゃう? ちゃうか? ええ?」

 A子さんはこの日も暴行を受けながら店の片付け作業を続け、トイレで何度も吐いたという。18時頃に店を後にするまでBから「お前が悪い」と言われ続け、一種の洗脳状態になってしまっていったと振り返る。

「2日間『お前が悪い』と言われて殴られ続けて、自分が殴られても仕方ないような悪いことをした気持ちになっていました。後から振り返ると全くそんなことはないのですが……。6日の後にすぐ通報しようと思ったのですが、Bの脅迫を思い出して怖くなってしまい、自分や家族が報復されるのではとも考えました。逃げたり通報したら殺されると思ってしまうほど肉体的にも精神的にも追い詰められていました。それでも勇気を振り絞って翌日に警察へ相談に行き、友人にも相談して被害届を提出しました」

休業期間は表向き「体調不良」という理由に

 A子さんの被害届は9月14日に碑文谷警察署に受理され、B氏は11月30日に傷害容疑で逮捕された。その後略式起訴を受け、罰金刑を受けている。

 しかしA子さんの負った心身のダメージは深刻で、全治3週間の顔面打撲等に加えて、暴行によるショックでPTSDも発症した。

「記憶が定かではないのですが、2日間で計200発以上は殴られたと思います。しかしBは逮捕されている期間『体調不良』などの理由で店を閉めただけで、今も何もなかったように営業しています。それが私には許せません。Bがラーメンに命を懸けてきたのは分かりますが、私は今でも悪夢で夜うなされるような状態が続いています。今後、Bに対して民事裁判を起こそうと思っています」

「文春オンライン」取材班は、1月6日に事実確認のためにB氏に声をかけた。その時は事実関係を否定したが、後日、弁護士から以下のような回答があった。

「逮捕、起訴されたことは事実です。B氏は、本件について深く反省しており、今後は一切このような行為を行わないことを誓っていること、また、本件について、被害者の女性に対して適切な形で謝罪したいと考えているとのことである」

 スパルタの域をはるかに超えた暴行事件。どんな幕引きが待っているのだろうか。

1月21日(金)21時からの 「文春オンラインTV」 では本件について担当記者が詳しく解説する。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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