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110万円で買ったハイエースをキャンピングカー仕様に“魔改造”…上場企業を辞めて車中泊を続ける30代夫婦が語った“周囲からの反応”

文春オンライン / 2024年6月22日 11時0分

110万円で買ったハイエースをキャンピングカー仕様に“魔改造”…上場企業を辞めて車中泊を続ける30代夫婦が語った“周囲からの反応”

YouTubeチャンネル「カムラフウフと車中泊キャンプ」を運営するゆうたさん(左)とりょうこさん ©三宅史郎/文藝春秋

〈 「税金は払ってるんですか?」という声も…軽自動車に2年間住んだ30代の“ハイスぺ夫婦”が語る、車中泊生活のリアル 〉から続く

 軽自動車で車中泊をしながら、日本一周を達成した“夫婦YouTuber”が人気を呼んでいる。登録者数6万人超のYouTubeチャンネル「 カムラフウフと車中泊キャンプ 」を運営する30代のゆうたさんとりょうこさんだ。

 上場企業の部長だったゆうたさんと、そのグループ会社の役員だったりょうこさんは、2021年10月に仕事を辞め、約2年かけて日本一周を達成したあとに入籍。現在はキャンピングカー仕様にDIYしたハイエースで“バンライフ”を楽しんでいる。

 YouTubeで車中泊生活を発信するふたりに、周囲からはどんな反応があったのか。結婚後もバンライフを続ける理由とは? (全3回の3回目/ 1回目 から読む)

◆◆◆

全国1200か所以上にある「道の駅スタンプ」を制覇

――日本一周を達成するまでの2年間、全国の「道の駅スタンプ」を集めていたそうですね。

ゆうた 日本一周を始めるときに、グルメや温泉のほかに、絶景スポットと道の駅も回っていこうとふたりで決めたんです。絶景スポットは、『日本の絶景 超完全版1120』という本があって、それに載っている絶景を見に行こうと。

 道の駅は全国に1200か所以上あって、「道の駅スタンプ」というスタンプラリーをやっているところもあるんです。それを全部集めると賞状をもらえるので、日本一周達成の証明になるかなと思って始めました。

――実際に1200以上のスタンプを集めて全国制覇したそうですが、かなり大変だったんじゃないですか?

ゆうた 長崎県の五島列島とか、離島にある道の駅に行くのが本当に大変でした。フェリーで行くからお金もかかるし。

りょうこ でもやり始めたからには、途中で諦めるわけにはいかないと思って。今は、最後までやり切って良かったなと思っています。

北海道の流氷、阿蘇の大自然、岩手の鍾乳洞…日本一周中に感動した絶景

――絶景も見て回ったとのことですが、感動した場所はありましたか。

ゆうた 冬の北海道で見た流氷に感動しました。今まで見た光景で一番良かったです。

りょうこ 私は熊本の阿蘇がめちゃくちゃ良かった。こんな大自然が広がる場所があるんや、と思ってすごく感動しました。あとは岩手県の鍾乳洞かな。

ゆうた ああ、確かにそうだね。岩手県にある龍泉洞という鍾乳洞は、日本三大鍾乳洞のひとつと言われているんですけど、まだ全貌が解明されていないんです。実際に行ってみたら、ここから先はまだどうなっているかわかりません、みたいに書かれた看板もあったりして、未開拓の地にロマンを感じました。

りょうこ いろいろな絶景を見るなかで、やっぱり徐々に感動が薄れていくんですよ。ほかの場所と比較してしまったり、慣れてしまったりして。でも、日本一周の終盤に龍泉洞へ行って、めちゃくちゃ感動できたことが、自分のなかですごく嬉しかった。「まだこんな感動できる絶景があったんや!」みたいな。

日本一周が終わったタイミングで入籍した理由

――日本一周を達成したのは、2023年9月ですよね。感慨深かったんじゃないですか?

ゆうた 日本一周をやりきった達成感はありましたね。

りょうこ でも2023年5月頃には、ハイエースを新しく買ってキャンピングカー仕様にDIYして、より快適な車中泊を楽しむ、という目標が決まっていたんですよ。だから、「やりきった」というより、「よし、次の目標に行くぞ」みたいな気持ちのほうが大きかったかもしれない。

 あと、コロナが明けてインバウンドが増えてから、観光しづらくなった部分もあるんです。観光地はいつ行っても人が多いし、観光客向けに値上げも始まって。それもあって、旅の終盤は早めに日本一周を達成させようと思っていました。

――おふたりがご結婚されたのも、日本一周が終わったタイミングで。

ゆうた 日本一周をしているときから、結婚する気持ちはあって。実はお互いバツイチだから、結婚という形にあまりこだわりはなかったんですけど、やっぱり両親はきちんとした形式を取ったほうが安心するじゃないですか。だから日本一周が終わったあと、婚姻を出しました。

ハイエースを買って車中泊キャンプを始めようと思ったワケ

――今は一緒に暮らしながら、時間があるときにハイエースで車中泊キャンプに出かける感じですか。

ゆうた そうですね。神奈川県にある僕の祖母の家が空き家になったので、ふたりでそこに住んでいます。

 基本的には家にいて、僕が個人で仕事をやっていたりもするので、その仕事とYouTubeやSNSでの配信活動をしています。まとまった時間ができたら、ハイエースで旅に出て、そのタイミングでYouTube用の動画撮影もする、みたいな生活です。

――なぜハイエースをキャンピングカー仕様にして、新たに車中泊キャンプを始めようと思ったのですか?

りょうこ 日本一周を達成したあとも、愛犬とお出かけしていきたいと思っていたんですよ。あと、ふたりで日本を見ていくなかで、キャンプはあまりできなかったんです。キャンプ場でご当地の海鮮を焼いて食べたりしたかったし、そこに愛犬も一緒に連れていけたらいいよね、という感じで。

 結婚もしましたし、日常生活もあるから、これまでみたいにずっと車中泊をするのは無理ですけど。家を起点にして1週間とか10日くらいの旅ならできると思って、ハイエースをキャンピングカー仕様にして、今は愛犬2匹を連れて車中泊で観光やキャンプに行っています。

「車検はどうするんだ」「違法じゃないのか」と言われることも…

――ハイエースの購入費用はどれくらいでした?

ゆうた ハイエース本体が110万円です。DIYの費用なども含めると、全部で167万円くらいかかりました。

――日本一周をしていた軽自動車の日産・モコに比べて、ハイエースはどうですか。

ゆうた すべてが違う(笑)。

りょうこ 車内を寝られる状態にしたまま走れることが、何よりも大きいですね。モコのときは、ほんまに大変やったんですよ。寝るときは車から降りて、イスを倒して、フロントガラスにサンシェードを置いて、クッションを膨らませて。起きたらそれをすべて元通りに戻して。これを毎日、朝晩やらないといけないのが本当に大変だった。

ゆうた あとは車内に水道があるので、そこで歯を磨けたりするのが嬉しいですね。

――ちなみに、車検は通っているんですよね?

りょうこ きちんと車検を通して、キャンピングカー登録をしています。やっぱりDIYしていると「車検はどうするんだ」「違法じゃないのか」と言われることもあるんですよ。それに対して、「法的にクリアしています」ってしっかり伝えられるのは、配信者として良かったですね。

自由なライフスタイルに対する“周囲からの反応”

――おふたりの自由なライフスタイルについて、周りから何か言われることはありますか。

ゆうた 日本一周をしているときには、ありましたね。「定職について生活を安定させろ」「楽をするな」みたいな。でも、僕たちの配信では良い部分が表に出ていて、一見するとすごく楽をして暮らしているように見えるけど、いざやってみると大変なことのほうが多かったです。だから「楽をしている」と思う人は、実際に同じ生活を体験してみてほしいです(笑)。

りょうこ 私たちはやりたいことがあって、自分の人生は自分で責任を持って生きているから、別に何を言われても、自分たちの道を進むだけやなって思っています。ただ、たまに不安になることもあるので、そういうときにいろいろ言われると、私は凹みます(笑)。

――不安になるときもあるんですね。

りょうこ 普段は大丈夫なんですけど、ふとした瞬間に「自分のこの選択を正解にしていけるのか」と思うことはありますね。でもそれは、会社員として働いていたときにも感じていたことで。自分たちで決めた道だからやるしかないし、1回きりの人生やから常に新しいことに挑戦しながら好きに生きたいなって。

 それに、私たちも老後を考えていないわけではないので、常に未来を見据えながら2人で協力して生活しています。

車中泊生活を通して変化したふたりの“価値観”とは?

――日本一周や車中泊生活を通して、おふたりの人生観や価値観は変化しましたか。

ゆうた 「日本」を身近に感じるようになりました。今までは、例えば東北に行くとなったら腰が重かったんですよ。でも今は、明日から東北に行くとしてもすぐに行動できる。

 あとは、ニュースを見たときに、全国で起きた出来事を自分事みたいに思えるようになりました。スーパーに行って、食材に〇〇産と日本の地名が書いてあったら、「ああ、あそこのだね。それならおいしいよね」とわかるようになったのも、自分たちにとって大事なことだと思っています。

りょうこ 私は車中泊生活をしたことで、家で暮らさなくても人は生きていけるんやな、というのを実感しましたね(笑)。

 もし大きな地震が起きて一時的に車で生活しなければならなくなっても、車中泊への免疫があるから何とかできる、という自信もつきました。サバイバル精神も身についたし、車中泊生活を経験して本当に良かったと思います。

バンライフを続けるふたりの“今後”

――これからはふたりでどんな人生を歩んでいきたいですか。

ゆうた YouTubeやSNSの配信を続けるなかで、こういう動画を出したらある程度の再生数が見込める、という感覚は養われてきたから、今後はまた違ったジャンルにも挑戦していきたいなと思っています。

 これからの人生で、ほかにもやりたいことや挑戦していきたいことが数えきれないほどあるので、ひとつひとつ実現に向けて2人で頑張ります。とはいえ、SNS配信はやっぱり好きなので、これからも続けていきたいですね。

りょうこ 愛犬がいるので、一緒に過ごせる時間をできるだけ長く持って、これからもたくさんの思い出を作っていきたいです。あとは、もし子どもに恵まれたら、家族で幸せに暮らしていきたい。子どもが生まれたらこの生活が一気に変わる可能性もあるけど、そのときは子どもの未来を第一に考えて生きていきたいなと思います。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

(「文春オンライン」編集部)

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