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20代で世田谷の“2億円豪邸”購入→仕事激減→借金1億を背負い40代で“バイト生活”…俳優・野村宏伸(59)が語る、紆余曲折の芸能人生

文春オンライン / 2024年6月30日 11時0分

20代で世田谷の“2億円豪邸”購入→仕事激減→借金1億を背負い40代で“バイト生活”…俳優・野村宏伸(59)が語る、紆余曲折の芸能人生

俳優の野村宏伸さん ©石川啓次/文藝春秋

〈 田原俊彦と共演後、月収15万円→6000万円に爆増、愛車はポルシェに…「ジャニーさんが俺でいいって」野村宏伸(59)が明かす『びんびん』シリーズ出演の経緯 〉から続く

 角川映画『メイン・テーマ』のオーディションで薬師丸ひろ子の相手役に選ばれてデビューし、ドラマ『教師びんびん物語』で大ブレイクを果たした俳優・野村宏伸(59)。

 今年でデビュー40周年を迎える彼に、最高月収6000万円だったというブレイク時の様子、仕事激減などで手放すことになった世田谷の豪邸、1億円超もの金を踏み倒した友人たちなどについて、話を聞いた。(全3回の3回目/ 1回目 から読む)

◆◆◆

たくさんのオファーを吟味して仕事をしていた

――『びんびん』シリーズ(フジテレビ)でブレイクしたわけですが、そうなると時代的にトレンディドラマのオファーも。

野村宏伸(以下、野村) かなり来てましたけど、当時の事務所の社長が僕の意見を聞いて吟味してくれてたので。いろいろやっておけばよかったんだろうけどね。

 織田裕二さんが出た、医者のやつ。あれの話は来ましたよ。

――『振り返れば奴がいる』(1993年・フジテレビ)。

野村 石黒賢さんがやった役だったんだけど、お断りしましたね。映画だと、本木雅弘さんがやった『ファンシイダンス』(1989年)の主演の話が来たけど、それもお断りして。あの頃は、坊主になることに抵抗があったんですよね。

――そうした大きな仕事の話も来ていたわけですから、20代後半で最高月収6000万円も納得といいますか。

野村 歩合制で7:3だったこともあったし、当時はバブルで、弾けてもしばらくは余熱があったでしょう。テレビもコマーシャルも、今よりギャラが数段よかった。コマーシャルの契約が2本入ったりすると、月収が数千万とかいくときはありましたよ。

28歳で世田谷に2億4000万円の豪邸を建築

――それぐらいお金が入ると、使い方も派手に。

野村 大きな買い物は、車ぐらいでしたね。車が好きだったので、『びんびん』のギャラでベンツの190E 2.3の16バルブエンジンに乗って。その後に念願のポルシェを買ったんですよ、新車でシルバーのやつを。

 トシちゃんもポルシェに乗ってたし、子供の頃にスーパーカー・ブームにブチ当たっているから、ポルシェなんかは「ああ、いつか乗りたいな」っていう憧れの車だったので。その後も、ポルシェを何台か乗り換えて。

――住まいなどは。

野村 家賃が30万、40万、50万って、それなりのマンションには住んでましたね。そんな家賃が払えるもんだから、ずっとお金が入ってくる感覚になっちゃうんですよ。そんなわけないのに。

――そんなわけないのに、世田谷に豪邸を建ててしまう。

野村 28歳のときだから、事務所の社長から「とりあえず、家を買っといたほうがいいんじゃないか」みたいなことを言われて「たしかに」って。でも、もっとコンパクトな家で良かったんですよ。社長も「でっかい家を買っとけ」とは言ってないのに、なんで大きな家を建てたんだろうって思うね。

 だけど、30歳にもならないうちに金を持っちゃうと、そうなるもんなんですよ。周りも金がある人たちばかりだから、それが普通だと感じちゃってるし。

110坪で4LDK、光熱費は15万円…豪邸への驚くべき“こだわり”

――野村邸の広さと価格って。

野村 110坪の2階建てで、2億4000万円。建築家と一緒にデザインして、凝りましたね。車が2台入るシャッター付きのガレージもあったし、庭はすべて芝生で、ゴルフのアプローチが打てるぐらいの広さで。

――そういう家って、どんな間取りなんですか。

野村 4LDKで、リビングが50畳以上ありましたね。家具とか調度品も凝って、リビングにル・コルビュジエのソファとか置いてました。

 家を建てたのは、おふくろと暮らしたいのもあって。その頃には、両親は離婚していて、おふくろは浅草のあたりで仕事をしながら1人で暮らしていたんです。それで「もう仕事を辞めて、俺のところで一緒に住まない?」って言って、2人で暮らしたんですよ。

――家があまりにも大きいと維持費も大変そうですが。

野村 光熱費だけで15万円はいってました。お風呂場も全面タイルの造作で広いのにしたら、メチャクチャ寒いんですよ。冬なんて湯船に入って温まっても、お風呂場から出る頃には体が冷えちゃってる(笑)。

友人に総額1億円以上のお金を貸してしまった経緯

――さすがにローンですよね。

野村 頭金を1億で入れて、20年ローンで。だけど、利息が高かったから、月に100万以上は返済してましたね。それでも「払えるだろうな」って余裕だったんだけど、30代なかばで仕事が減ってくるんですよ。30代なかばって、役者的に中途半端な年齢だからニーズが無いんですよね。

 そういう状況にも関わらず、人にお金を貸しちゃう。

――どんな理由で、貸したのですか。

野村 貸したのは、すべて友人だったんですよ。「不動産を買いたい」と相談されて、「月末には返すから」ってことで5000万を貸して。別の友人には事業を始めるからと言われて1000万円、また別の友人には「自分がやってる店がピンチで」なんて頼まれて運営資金として1000万。結局、1億円以上は貸しちゃってますね。

 僕も信用しきっていたし、緩いというのかな。やっぱり、友達だと思ってたから「いいよ」って。そういうのが男気だと考えてたし、困ってる様子を見せられちゃうとね。返済なんかも、口約束で済ませてたしね。

――では、30代なかばが暗黒期。

野村 役者の仕事だけでなく、コマーシャルもどんどん減ったし、お金はあったのにそれも貸しちゃって。家のローンも残っているし、毎月100万以上の返済に光熱費もあるでしょ。僕、1999年に34歳で結婚して、少ししてから1人目の子供が出来て、2人目も出来て。

 そうなると、お金の面でキツくなってきますよね。

「オークション会場に行って…」中古車販売店で行っていたバイトの内容

――それでも、まだ世田谷の豪邸には住めていた。

野村 僕のバカな贅沢ぶりというか、結婚してからは世田谷の家におふくろだけに住んでもらって、僕と家族は家賃50万の目黒のマンションに移ったんですよ。同居はお互い気兼ねするじゃないですか。それで別々に暮らしたけど、世田谷の家のローンと目黒のマンションの家賃、生活費を合わせたら、もうちょっとね。

 あまりにも大変で、今度は僕が人から1000万借りましたもん。

――アルバイトもしたとか。

野村 44歳のとき。仕事が減ってるのに、払うものはあるから、とにかくしのがないといけないじゃないですか。で、友人が中古車販売店をやってたから、自動車メーカーのオークション会場に行って入札するバイトを数ヶ月させてもらったんですよ。

 世田谷の家のローンも銀行に相談して、返済額を月20万に下げてもらって。

――家庭の雰囲気は。

野村 言い争いは、増えますよね。しかも、お金を貸したことを当時のかみさんに言ってなかったですし。それで、2009年に離婚しましたね。

 残債が2000万ほどだったんだけど、そうなったら世田谷の家もいらないから売却して。あとちょっとで完済だったんだけど、利子がとにかく高くてね。その残り2000万を払っていくのがキツかった。

――でも、場所がいいだけに高値で売れたのでは。

野村 いやいや。リーマンショックとかあって、時代が変わっちゃって、買ったときより全然安い値段で買われました。それでも売却したおかげで、借金は返せたし、かみさんと子供たちにもお金を渡せましたからね。

独立後に訪れた“転機”とは?

――そのあたりで独立もされていますよね。

野村 心機一転というか、僕の性格からすると自分の看板を背負ってやったほうがいいかなって。そうしたらタイミング良く、『爆報!THEフライデー』(2011~2021年・TBS)でトシちゃんと共演する企画のオファーが飛び込んできて。それに出たら、TBSのプロデューサーから『とんび』(2013年・TBS)に出ませんかと。その方は『びんびん』シリーズの大ファンだったそうで。

――頭を丸めて、僧侶を演じていましたよね。

野村 坊主になるのがイヤで『ファンシイダンス』を断ったのにね(笑)。もう抵抗感ゼロで頭を丸めました。若い頃にいろいろオファーを断っていたのって、コンプレックスが原因だったんですよ。役者の勉強をせずに、ポンッと役者になったから、どこかで自信がなかったんでしょうね。

 そういう状況を打ち破ろうと思って、34歳のときに『太陽と月に背いて』で舞台に挑戦したんですよ。撮り直せる映画とは違って、舞台はノンストップで行くでしょう。ビクビクだったけど、終えることができたら自信が付いて。そこから年イチで舞台に出て、それと共に柔軟になりましたね。

――離婚後、住まいはどうされたのですか?

野村 世田谷のちっちゃなマンションに住みましたよ。1LDKだったけど、もう家とかそういうのにこだわりがすっかりなくなっちゃってね。『とんび』で頭を丸めたのもそうだけど、カッコつけてもしょうがないんだよね。で、2015年に今のかみさんと再婚して。

――15歳も年下だそうですけど、考え方などでギャップなどは。

野村 かみさんは本職がヘアメイクなんですけど、僕のマネジメントもやってくれていて。「役者だったらこうじゃなきゃ」みたいなのが一切ないんですよ。バラエティだろうがなんだろうが、話が来たら受けるべきという。

『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(2014年~・テレビ朝日)に出たのも彼女に背中を押されたからだし、『ウルトラマンギンガ』(2013年・テレビ東京)とか『仮面ライダーエグゼイド』(2016~2017年・テレビ朝日)に出たのもそう。『ウルトラマン』『仮面ライダー』は、若い頃だったら絶対に出てなかったと思いますもん。

「突然逝っちゃって」2020年に母親が急死した理由

――先ほど「おふくろ、このあいだ亡くなっちゃって」とおっしゃってましたが、いつ頃のことだったのでしょうか。

野村 2020年の12月に、心臓で突然逝っちゃって。前日、僕の家に来て娘と遊んでたんですよ。ただ、その1週間くらい前に「なんか、胸が」みたいなことは言ってたんです。

 おふくろのお父さんも心臓系で亡くなっていて、遺伝ですね。「これ、僕もヤバいかな」と思って検査したら血管が詰まってる箇所があって、去年カテーテル手術を受けました。

――お母さんは、一人暮らしを。

野村 10年前くらいまで僕が面倒を見ていたけど、同級生の方と再婚したんですよ。お互いバツイチ同士で、「じゃあ。一緒になろうか」となって神奈川のほうに住んで。でも、その再婚相手の方は、おふくろが亡くなる前年に亡くなって。それでおふくろは東京に戻って、都営住宅に1人で住んでたんですけどね。

病気になった父親と会おうとしなかったワケ

――お父さんとは会っていたのですか?

野村 親父は、おふくろが亡くなる前年に亡くなってるんですよ。おふくろと離婚してから、僕と妹とはほとんど会ってなかったんだけど、親父も再婚していたことがわかって。夫婦で埼玉に住んでたらしいんですけど、その奥さんを亡くして、ちょっとしてからがんになったんです。で、病院から「息子さん、娘さんと会いたがっています」って電話が来たんだけど。

 妹に「どうする? 俺はイヤだよ」って聞いたけど、妹も会いに行かず、そのまま亡くなりましたね。

――会おうとしなかった理由は。

野村 親父にも、結構な額のお金を貸してたんですよ。全部で800万円とかかな。おふくろと離婚した後、僕が売れている頃に「貸してくれ」って何度か来たんですよ。またなんかやって失敗したのかわからないけど、「これで最後にしてくれ」ってお金を渡してから会ってなくて。結局、一銭も返してくれなかったしね。でも、僕が一番イヤだったのは親父に借金があったらどうしようって。

役所から「遺骨、どうします?」と連絡が来て…

――遺産を相続すると、借金まで引き継いでしまいますもんね。

野村 そう。だから妹と話し合って、遺産相続拒否を決めて。なんかもうイヤだったんですよね、親父の生き方が。

 その一方でね。「この人がいなかったら、俺はいなかったしな」みたいな。結局、そこに戻るというか。自分も子供がいて、親になるとね。

 役所から「遺骨、どうします?」と連絡が来て。親父は自分の兄妹とも仲が良くなかったんですよ。だから、無縁墓とか共同墓地かなと考えたんだけど、なんだか可哀想になってきてね。やっぱ、自分の親父だからね。それで、かみさんと遺骨を引き取って野村家の墓に入れたんです。そこに、おふくろも入ってるんですよ。

いろいろあったけど、無駄遣いだとは思っていない

 これがまた、面白い話というか。おふくろの遺骨が、再婚相手の家の都合で、あちらのお墓に入れられなかったんですよ。「どうしよう」と考えてたら、おふくろが「死んだら、野村のお墓に入りたいのよね」と言っていたのを妹が思い出して、「そうなの!?」って。

 僕も妹も、一緒に入ってたほうが墓参りもしやすいですからね。お寺のお坊さんに「こういうこと、いいんですか?」って聞いたら、「ああ、全然大丈夫ですよ」だって(笑)。

――離れた家族が再び集まったといいますか。公私ともに、相当に波乱万丈だったんですね。

野村 お墓に関しては、僕も驚きましたけどね。お金を稼いで、貸して踏み倒されちゃったり、大きな家を建てたり、手放したり、いろいろあったけど、無駄遣いだとは思っていないですよ。人生勉強になったし、そんなこと普通は経験できないじゃないですか。

撮影=石川啓次/文藝春秋

(平田 裕介)

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