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「今でも過重労働や上級生のパワハラが…」“宝塚劇団員飛び降り事件”現役タカラジェンヌが決意の告発「このままでは第2の飛び降り事件が起きる」

文春オンライン / 2024年6月19日 16時0分

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阪急の株主総会 ©時事通信社

〈 「謝罪があまりに遅すぎた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”阪急側がハラスメントを認め謝罪 遺族の最後の訴え“全文公開”「娘に会いたい、生きていてほしかった」 〉から続く

「有愛さんのことがあって、やっと宝塚は改善されるんだと希望を持っていました。でも現状は一向に改善されません。今でも過重労働や上級生からのパワハラがある中で働いています……」

「 週刊文春 」の取材に声を震わせるのは、現役星組生のタカラジェンヌAさんだ。昨年9月に亡くなった宙組の有愛きい(享年25)の事件以後、宝塚歌劇団で進められた「労働改革」が空回りしている現状を告発した――。

◇◇◇

怒号が飛び交った株主総会

 6月14日、梅田芸術劇場で開催された阪急阪神ホールディングスの株主総会は、物々しい異様な雰囲気に包まれていた。

 総会の冒頭で、角和夫会長(75)は有愛の飛び降り事件について、初めて公に謝罪。その後の質疑応答で株主の男性は「すべての問題が解決したら角さん、あなたがホールディングスの取締役を辞任してください。安全第一の鉄道事業を営む会社がこのような事件を起こしたのは恥ずべきこと」と糾弾。異例の辞任要求まで飛び出した。

「出席した大塚順一執行役員は有愛を苦しめた上級生のパワハラについて、『それぞれの行為はハラスメントにあたるものだが、基本的には悪意をもって当たったものではない』と回答。悪意のないハラスメントは問題ではないとでも言いたげな態度に会場では怒号が飛び交いました。取締役選任決議では、角会長の再任賛成票は前年から約33ポイント減となったものの57.45%でかろうじて半数を上回り、なんとか荒れた総会を乗り切った形です」(全国紙社会部記者)

 株主総会大紛糾の原因となった有愛の自死を巡っては、3月下旬に遺族側が指摘した計15の上級生らによるパワハラ行為を劇団側がすべて認める形で、合意書を締結。再発防止に向けた取り組みも発表されている。株主総会でも角会長自ら「二度とこうした問題を発生させないよう、一丸となって再発防止策に全力で取り組んでおります」と胸を張った。

 ところが――。冒頭のように、その改革の不備を訴えるのがAさんだ。

過重労働の原因となった新人公演

 Aさんは「新人公演が諸悪の根源」だと指摘する。

「いっそのこと無くせばよかったと思います。劇団が現場の私たちの現状を把握していないために改革がすべて裏目に出ている」

 宝塚には入団1~7年目の生徒だけで行う新人公演という制度がある。本公演の期間中、各劇場1公演のみ若手が普段上級生がやる役を演じるこの舞台は、ファンが未来のスター候補をいち早く見定めることができる一方、有愛の心身を蝕んだ一因として遺族側にも指摘された。「長の期」(新人公演の最上級生)として新人公演の責任者を任されていた有愛は、過重労働を繰り返し、極度の疲労状態に追い込まれた。

 こうした新人公演のあり方を見直す方策として、劇団は様々な“改革”を打ち出していたのだが……。

 6月19日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および6月20日(木)発売の「週刊文春」では、現役星組生の決意の告発を一挙掲載。「労働時間は前より長くなった。上級生のパワハラ指導は今も続いています」と明かしたAさんが「このままでは第2の飛び降り事件が起きる」と訴える理由とは?

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年6月27日号)

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