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「最近は映画ばかり見ています。週2回は試写会に…」久米宏が西川美和に語った“近況”と“カープ愛”

文春オンライン / 2024年7月25日 6時0分

「最近は映画ばかり見ています。週2回は試写会に…」久米宏が西川美和に語った“近況”と“カープ愛”

最近は映画ばかり見ているという久米氏 ©文藝春秋

『ニュースステーション』のキャスターを務めた久米宏氏と、映画『すばらしき世界』などの作品で知られる映画監督の西川美和氏が対談。カープファンの二人が、カープ愛を語り合った。今年のペナントレースでは好調をキープしているが、カープの魅力は「強さ」ではないという。

◆◆◆

カープの勝敗に一喜一憂

 西川 久米さんとは、広島カープのファンというご縁があり、思わぬ連勝をしたら浮かれてメールのやり取りをし、連敗すると互いに沈黙する……という関係で。

 久米 そうですね。

 西川 ただ、こうしてお会いするのは久しぶりです。2020年6月に『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)が終わり、翌年5月にはインターネット動画『久米*ネット』の配信も休止に。以来、お仕事をセーブされていましたが、お元気でしたか?

 久米 まるで文春の記者みたいな質問ですね。

 西川 何となく媒体を背負ってきてしまったかもしれない(笑)。

 私は久米さんのラジオが本当に楽しみだったんです。著名人だけでなく、珍しい研究をしている学者さんや画期的な機械を発明した町工場の社長さんが、ゲスト出演することもありました。そんな方々に、久米さんが様々な角度から質問をしていくのを、じーっと聞く土曜日の午後がいい時間だったなぁと、つくづく思います。

 久米 最近は映画ばかり見ています。小学生の頃から映画三昧の日々を送っていましたが、いまも週に2回は試写会に通っています。月に8本から10本は見ていますね。

 西川 そんなに! いろいろな映画にコメントをお書きになっていますよね?

 久米 それほど多くはないですよ。試写会に行くとよくコメントを頼まれるので、「事務所に連絡を頂ければお返事します」と言うのですが、実際にメールをくれるのは3人に1人ぐらい。映画会社の人は、調子のいい人が多いなぁと思ったり。

 西川 まぁ、あながち間違っていないかもしれません(笑)。

鉄人からのプレゼント

〈久米宏氏(79)は1967年、TBSにアナウンサーとして入社。『ぴったし カン・カン』や『ザ・ベストテン』の司会として人気を博し、79年に退社。85年から2004年までテレビ朝日の『ニュースステーション』のメインキャスターを務めた。

 西川美和氏(49)は、02年に映画監督デビュー。『ゆれる』『ディア・ドクター』『すばらしき世界』で、ブルーリボン賞監督賞を受賞。作家としても活躍し、小説『永い言い訳』は直木賞候補にもなった。この4月、文藝春秋に連載したエッセイなどをまとめた『ハコウマに乗って』(文藝春秋)を上梓した。〉

 西川 『ハコウマ』の連載が終了した際には、わざわざ「お疲れ様でした」とメールをいただき、ありがとうございました。

 久米さんとの最初の接点は、私の映画『永い言い訳』にコメントを寄せていただいたことでしたね。

 久米 主演の本木雅弘さんが、奥さん役の深津絵里さんに髪を切ってもらいながら、不貞腐れた顔で「衣笠幸夫(きぬがささちお)」と、自分の名前を言う場面で笑いました。僕は、鉄人・衣笠祥雄さんの大ファンでしたから嬉しかった。

 西川 偉大な有名人と「名前が同じ読み」という宿命を背負った男という設定で。作品をご覧いただいたら、衣笠さんも「実は俺も女房に髪を切ってもらっていたんですよ」と、おっしゃるので驚きました。

 その時に「限りなき挑戦」と書かれたサイン色紙をいただいて、いまも机の前に張ってあります。

 久米 僕も衣笠さんにいただいたバットを家に飾ってあって、お客さんによく自慢しています。ラジオのゲストにも出てもらった。西川さんにも出演してもらいましたよね?

 西川 最初に呼んでもらったときは、カープの試合を観に行く約束があってスタジオに行けないと伝えたら、ぜひ電話で中継を、と言われて、「いま、私はマツダスタジアムに来ています!」って呼び掛けたんですよ。

 久米 えっ、そうでしたか。それは、ひどいことしますね(笑)。

 西川 初めて直接お会いしたのは、カープがリーグ3連覇を果たした翌年の2019年、広島ホームテレビのカープ特番の撮影でした。

 久米 都内のお好み焼き屋さんでしたね。お綺麗な方だなとビックリしました。

 西川 いやいや(笑)。

 久米 お喋りについ夢中になってしまい、美味しそうなお好み焼きにまったく手を付けなかったのを、後になってから後悔しましたよ。

 西川 あの年から、3連覇したことが嘘だったかのように、全然勝てなくなってしまいました。

 久米 ここ数年は、「昔はずっとこんな感じで我慢しながら見ていたんだよな」と思い出しています。ただ、今年は開幕してすぐはいつも通りだったのですが、徐々に調子を上げてきて、「もしかしたら」と期待の持てるシーズンになりましたね。

「弱いから」カープが好き

 西川 そもそも、久米さんは埼玉県出身なのに、なぜカープファンになったんですか? 私は昔、久米さんがファンと知って「やっぱり知的な文化人はカープファンだよな」と思ったりもしましたが。

 久米 上手いですね(笑)。筑紫哲也さんも大分県出身なのにカープファンでしたね。理由を聞いたけど「分からないんですよね」と言ってましたが。僕の場合は、TBSで同期のアナウンサーだった林美雄(よしお)君に感化されたのが理由なんです。

 西川 長年、TBSラジオの『パックインミュージック』のパーソナリティを務めていた方ですね。

 久米 そう。彼はカープが勝てば泣いて喜び、負ければ泣いて悔しがる人でした。入社して間もなく、僕は結核に罹ってしまって、復帰後もアナウンス室の電話番をしていたのですが、林君は親切だからよく話しかけに来てくれたんです。でも隣に座って、ずっと「カープがいかに素晴らしい球団か」という話をしゃべってる。ある時、どこがそんなに好きなのかと聞くと「弱いからだ」と。何年間も折伏(しゃくぶく)されているうちに、1975年を迎えたのです。

 西川 古葉竹識(たけし)監督のもと、カープが初のリーグ優勝をした年ですね。衣笠さんや山本浩二さんらが大活躍した。

 久米 忘れもしない、『ぴったし カン・カン』がスタートして2週目の生放送の翌日でした。林君が目を赤くして、泣きはらしていたのを見て、「きっといい球団なんだろうな」と思って、僕もボロ球場に足繁く通うようになってしまった。西川さんは、昔の広島市民球場に行かれたことあります?

 西川 中高時代は子供だけでしょっちゅう。当時は試合終盤になると、小学生はタダで入れてもらえてたとか。大らかな時代でした。

 久米 あの球場のトイレは目がチカチカするほど臭くてね。ベンチと近いから、外国人選手なんて、よく9回まで座っていたと思いますよ。

 西川 ひどい言われよう(笑)。いまの球場はキレイですよね。

 久米 2009年、新球場のこけら落としは苦労してチケットを取って、奥さんと見に行きました。中日戦でしたが、初回からコテンパンに打たれて、1-9になった6回で帰りました。いつもは負けていても最後まで見るのですが、新球場の最初の試合で無様な姿を見せられて腹が立って……。

 西川 大事な時こそボロ負けしてしまうんですよね。

 久米 でも林君は、ここ一番で負けるカープが好きなんだと力説するんです。「それが人生なんだ。カープを見ているとちゃんとした人間になれる。人生の師だ」と。

本記事の全文は、「文藝春秋」2024年7月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(久米宏×西川美和「 たかがテレビじゃないか 」)。

(久米 宏,西川 美和/文藝春秋 2024年7月号)

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