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大便は1日1回、逆らえば電気ショック…《北九州監禁殺人事件》被害者家族が受けた「おぞましい拷問」の数々

文春オンライン / 2024年7月7日 17時0分

大便は1日1回、逆らえば電気ショック…《北九州監禁殺人事件》被害者家族が受けた「おぞましい拷問」の数々

北九州監禁殺人事件はなぜ発覚したのか?(画像:鉄人社『世界の殺人カップル』より)

 大便は1日1回、逆らえば電気ショック、地獄のような生活を強制し続けられた被害者家族は……。凶悪事件「北九州監禁殺人事件」でなぜ被害者家族は、お互いに虐待・虐殺しなければならなかったのか? 主犯・松永太の残虐手口を新刊『 世界の殺人カップル 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

◆◆◆

一家6人が完全にこの世から消えてしまった

 やがて、妹夫婦の娘(同10歳)と息子(同5歳)を人質代わりにマンションに呼び寄せ、緒方、A子さんを含む9人での共同生活を開始。松永は彼らに序列を与え、序列が下の者は上の者に通電などの罰が施されるよう定めたため、全員が上の地位を得ようと死にもの狂いとなる。松永のことを批判した者への密告も頻繁に行われ、家族は互いに疑心暗鬼に。もっとも、ほどなく松永が室内に盗聴器を設置したことをほのめかしたため、彼のことを悪く言う者は誰もいなくなったそうだ。

 松永の支配は徹底していた。真冬でも半袖の服を着用させ、部屋を移動する際には匍匐前進を強要。小便はペットボトルや浴室で行わせ、大便は1日1回と制限、食事の際には蹲踞(そんきょ)の姿勢を崩さないことを命じた。

 それに逆らえば、家族間での通電の虐待が待っていたことから、家族はまさに松永の奴隷そのものだった。

 そんな地獄のような暮らしが半年ほど経過した1997年12月、緒方の父親が通電を受けている最中に死亡する。遺体は緒方と母親、妹夫婦、彼らの娘の5人が処理した。翌1998年1月には、松永が母親に通電を続けたところ、精神に変調をきたして奇声を上げるように。そこで、松永に指示されて妹が母親の足を押さえつけ、妹の夫が電気コードで首を絞めて殺害。緒方と妹夫婦、その娘の4人が遺体を解体した。続けて2月には妹の様子がおかしくなり、彼女の娘が足を押さえ、夫が電気コードで首を絞めて殺害。4月になると妹の夫が食事制限のうえ、通電を繰り返されて衰弱。松永が眠気覚まし剤とビールを飲ませ死に至らしめた。

 殺人の歯車は止まらない。松永は、大人になったら復讐されるかもしれないと、妹の息子の殺害を指示。緒方と妹の娘が電気コードで絞殺し、A子さんが足を押さえていた。その後は妹の娘への虐待が加速し、彼女が2歳児用おむつが履けるほどやせ細ると、松永は家族のところに行こうと説得。6月、彼女は自ら弟が殺害された場所に横たわり目を閉じたという。その首に緒方とA子さんが電気コードで首を絞めて殺害。こうして緒方一家の6人が完全にこの世から消えてしまった。

 悪夢の終わりは2002年の冬。同年1月30日、最初に殺害されたBさんの娘で当時17歳になっていたA子さんが隙をつきマンションを脱出、北九州市内の祖父母の家に逃げ込んだ。が、そのことを知った松永は祖父母宅を訪ね、A子さんがシンナーを吸ったり、金を盗んだりと非行に走っていると説明、強引に彼女を取り戻す。

 連れ去られる前、彼女は「おじさんの話は全部嘘、迎えに来て」とメッセージを残すも、その願いが叶えられることはなく、マンションに戻ると緒方から首を絞められたり、通電を受けるなど激しい拷問を受ける。このとき、A子さんは自分の血を用いて「今後二度と逃げ出さない」と誓約書を書かせられ、さらにはラジオペンチを使って自分で右足の親指の爪を5分以内に剥がすという罰を与えられたそうだ。

悪夢の終わり

 それでも彼女は精神が崩壊しないよう懸命に心を保ち、同年3月6日、一瞬のすきを狙い再び祖父母宅へ逃亡。事情を知った祖父母が警察に通報したことで、翌日7日、松永と緒方は逮捕される。警察は当初、A子さんが彼らに監禁され暴行を受けたものとして調査を進めていたが、彼女の供述により父親が殺害されたことが発覚。しばらく黙秘していた緒方が自供を始めたことで事件の全容が明らかになっていく。

〈 “子ども用おむつ”が履けるほどガリガリに…「おぞましい拷問」によって7人殺害《北九州監禁殺人事件》犯人カップルのその後 〉へ続く

(鉄人ノンフィクション編集部/Webオリジナル(外部転載))

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