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「“選ばれていない人間”なんだ」父との死別、やっと見つけた事務所でもマネージャーの手伝い…奈緒(29)の上京物語

文春オンライン / 2024年7月7日 6時0分

「“選ばれていない人間”なんだ」父との死別、やっと見つけた事務所でもマネージャーの手伝い…奈緒(29)の上京物語

2020年第33回東京国際映画祭での奈緒 ©AFLO

 ドラマ『春になったら』(2024年)で、木梨憲武演じる末期がんの父を支える娘を演じた奈緒。死を覚悟した父を時には叱咤し、時には優しく受け止める奈緒の演技が、視聴者に大きな感動を与えたのは記憶に新しい。

 今夏には男女の性の格差をテーマにした映画『先生の白い嘘』で、親友の婚約者(風間俊介)にレイプされる主人公を演じ、秋に公開されるベストセラー小説の映画化『傲慢と善良』でも主演を務める。

 29歳にしてトップ女優へと歩みを進める奈緒だが、ここまでの歩みは順風満帆ばかりではなかった。

通学路のスカウトから「福岡で一番下手なリポーター」時代へ

 福岡県福岡市生まれ。高校の通学路でスカウトされて、モデル事務所に所属。学生時代は引っ込み思案で目立つタイプではなかったが、芸能の仕事をしたいと思っていた。

「ただ『早く働きたい』と思っていたので、すごく興味はありました。この仕事って、何歳でも関係ないじゃないですか」(AdverTimes. 2020年4月24日)

「早く働きたい」と思っていたのには理由がある。生後7カ月のときに父が亡くなり、母が女手一つできょうだいを育ててくれていたからだ。最初の記憶は父の葬儀のときのものだった(『徹子の部屋』2023年9月28日)。

 反対する母を説得して芸能活動をスタート。モデルやリポーターを務め、ローカル番組『ももち浜ストア プラス』では食レポなどをする自分のコーナーを持っていた。奈緒は自身のことを「福岡で一番下手なリポーター」と振り返っている。

芝居に出会い、10人以上の多国籍シェアハウスで寝泊まりし…

 演技の仕事を志したのは、たまたま受けた芝居のワークショップで衝撃を受けたことがきっかけだった。「『これはなんだろう。分からないことがたくさんある。やりたい!』と思ったら涙が出てきてしまって」(クランクイン! 2019年11月17日)。

 初期衝動に突き動かされ、事務所に「芝居をしたい」と伝えたところ、ワークショップの先生が「あの子は芝居をやらせたほうがいい。彼女もきっとやりたいと思う」と言っていたことを知り、また号泣してしまったという。「私にはお芝居だ」と心が決まった瞬間だった(AdverTimes. 前出)。

 ドラマに端役で出演するようになり、地元から東京に通うようになった。東京では10人以上の多国籍の人たちと一緒にシェアハウスで寝泊まりしていた。上京へと傾く気持ちを後押ししたのは、この時期にドラマ『私は父が嫌いです』(2015年)で共演した瑛太(永山瑛太)だった。

20歳で上京するも待っていたのは「マネージャーの仕事の手伝い」

 上京したのは20歳のとき。母に猛反対されたが、説き伏せて上京した。当初は所属する事務所が見つからず、福岡で所属していたモデル事務所の社員になり、マネージャーの仕事の手伝いをして生計を立てていた。自分がオーディションを受けるのではなく、自分より年下の女の子をオーディションに連れていくこともあった。

「自分はこのまま演じる側ではなく、支える側になるのかな」

 そんなことを思い、迷ってばかりの日々が続いた(Smart FLASH 2018年6月6日)。

 そんな中、脚本家の野島伸司が監修を務める俳優養成学校に通い始める。入校時のオーディションを野島が審査した結果、授業料免除の特待生として迎え入れられた。心配性の母には「そんなにウマい話があるわけないでしょ。騙されてるんじゃないの?」と言われてしまった(Deview 2017年9月19日)。

 数多くのCMに出演したが、ドラマのオーディションには落ちることが多く、野島からは「華がない」「主演を獲りにいかないと」と叱咤激励されていた(『週刊文春』2023年6月1日号)。

「“選ばれていない人間”なんだ。もしチヤホヤされたいだけだったら辞めた方がいい」

 何者にもなれていない自分にもがく日々。不遇の時期を支えたのは、上京直前に福岡でのワークショップで出会った映画監督のグ・スーヨンの言葉だった。

「この年齢で今ここにいるということは、“選ばれていない人間”なんだ。それを知っておかなければいけないし、もしチヤホヤされたいだけだったら辞めた方がいいよ」

 10代だった奈緒は大きなショックを受けたが、自分はチヤホヤされたいわけじゃない、あらためて頑張りたいと再確認したという(クランクイン! 2019年11月17日)。

 東京で初めて民放ドラマに出演したのは、天海祐希主演『Chef~三ツ星の給食~』(2016年)。上京して1年後のことだった。撮影は正味2日だったが、カチカチに緊張してしまったせいで上手く演技できず、ずいぶん落ち込んだという(with digital 2023年4月13日)。

〈 『半分、青い。』後はストーカーに濃厚な濡れ場…改名後の奈緒(29)を支えたもの 〉へ続く

(大山 くまお)

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