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『半分、青い。』後はストーカーに濃厚な濡れ場…改名後の奈緒(29)を支えたもの

文春オンライン / 2024年7月7日 6時0分

『半分、青い。』後はストーカーに濃厚な濡れ場…改名後の奈緒(29)を支えたもの

2020年映画『みをつくし料理帖』大ヒット祈願祭にて ©AFLO

〈 「“選ばれていない人間”なんだ」父との死別、やっと見つけた事務所でもマネージャーの手伝い…奈緒(29)の上京物語 〉から続く

 ドラマ『春になったら』(2024年)でも好演、今夏には男女の性の格差をテーマにした映画『先生の白い嘘』で、親友の婚約者(風間俊介)にレイプされる主人公を演じ、秋に公開されるベストセラー小説の映画化『傲慢と善良』でも主演を務める――。29歳にしてまさにトップ女優へと歩みを進める奈緒だが、ここまでの歩みは順風満帆ばかりではなかった。

 福岡から上京後、民放ドラマに出演できるまで1年。マネージャーの手伝いもしていた彼女の転機とは……。

◆◆◆

改名と墓参りと朝ドラ出演の決定

 福岡時代は「奈緒」として活動していたが、上京時に「本田なお」という芸名を名乗っている。あらためて「奈緒」として再出発を決めたのは22歳のとき。亡くなった父親がつけてくれた名前だった。改名にあたって、母と二人で父が眠る墓前で報告した。

「奈緒という名前で改めて頑張るから応援してくださいと、父に伝えるのと同時に自分にも言い聞かせる形で。自分の中で一つの覚悟ができたような気がしました」(神戸新聞NEXT 2021年9月4日)

 改名と墓参りについては不思議なエピソードがある。今の事務所に所属したとき、当時のマネージャーに名前の字画が悪いことを指摘された。さらに家族について聞かれて亡くなった父のことを話すと「お墓参りに行ってる?」と尋ねられたという。墓参りにはずっと行ってなかった。

 マネージャーは「お父さんもきっとこの仕事を応援したいけど、自分の知らない名前になっていて、応援するにもしきれない状況で……たぶん今そばにいるよ」「『芸能界で頑張るから応援して』って今すぐ行って来なさい!」と福岡までの飛行機代を出してくれた。すぐさま母と二人で墓参りに行ったところ、落選続きだった朝ドラのオーディションに初合格したという(AdverTimes. 前出)。

そしてはじまる『半分、青い。』

「人によってはタイミング、偶然と言われるかもしれませんが、私としては現在の芸名である“奈緒”に変えたことで、風通しがすごくよくなった感覚があります。父は『たくさんの人に愛されるように』という意味を込めて奈緒という名前を付けてくれたそうです。私も奈緒という名前は氏名であり使命だと思っているので、奈緒で活動する以上、自分が携わった作品が沢山の人に愛されるような役者になりたいという気持ちになりました」(神戸新聞NEXT 前出)

 合格したのはNHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018年)の永野芽郁が演じる主人公の親友役。役名が自身の名前と同じ「菜生(なお)」というのも運命的に感じた。

 洋品店の娘という役だが、実際に母も子供服店を経営していたし、中学時代に美術部に所属していたという設定も同じだった。役が決まったことを母に伝えても信じてもらえなかったが、ホームページの写真を送ったら泣きながら喜んでくれた。

エキセントリックなストーカーに濃厚な濡れ場…ブレイク後の不安な瞬間を支えたもの

 多くの人に顔と名前を覚えてもらえる朝ドラ出演は大きな転機となった。翌年は話題作『あなたの番です』(2019年)で、エキセントリックなストーカーの尾野幹葉役を怪演してさらに注目を集める。連続ドラマ初主演となった『のの湯』(2019年)では銭湯好きの人力車夫を演じ、毎回大胆な入浴シーンを披露していた。

 これ以降、奈緒の出演作は爆発的に増加する。『半分、青い。』と同じように、ドラマ『姉ちゃんの恋人』(2020年)、映画『君は永遠にそいつらより若い』(2021年)、映画『余命10年』(2022年)をはじめ、主人公の親友役を演じることが多かったが、ドラマ『ファーストペンギン!』(2022年)で地上波のゴールデン・プライム帯連続ドラマに初主演を果たす。

 セックスレスをテーマにしたドラマ『あなたがしてくれなくても』(2023年)では、かつて上京を後押ししてくれた瑛太とともに濃厚な濡れ場を演じてみせた。

 とはいえ、今でもうまくいくことばかりではない。むしろ、自己評価は低いほうだという。

「『この仕事を続けていけるんだろうか』『実力が追いついていないんじゃないか』という不安に襲われることはしょっちゅう。私は器用なほうではないので、いくら準備しても、『足りてないんじゃないか』『今は万全の状態かな?』という不安がついてくる。それが自分の中でプレッシャーになったり、知らず知らずのうちに、自分の評価を自分で下げてしまったり」(with digital 2023年4月13日)

 そんなときも「現場に救われてここまで来た」と言う。

「一人になると落ち込むけれど、現場に行けば笑顔になれた。プライベートでどんなにつらいことがあっても『スタート!』の声がかかったら、そこで、役の気持ちに切り替えていかないといけない。俳優ってそういう職業だと思うので、知らず知らずのうちに、昔の自分よりも切り替えがすごく上手になったと思います」(with digital 2023年4月20日)

一人で没頭することが好きだった彼女の“変化”

 もともとは一人で何かに没頭することが好きだった。小学生の頃はマンガ家になるのが夢で、学年でひとり漫画クラブに所属。「本田なお」という芸名の元になったマンガ『フルーツバスケット』は「一人でいる時間をすごく肯定してくれる作品」だと感じていた(THE CHANGE 2024年5月31日)。

 しかし、演技の仕事をするようになってからは、みんなで一緒にものを作る楽しさを知った。

「ものを創っているときって、いろんなことを共有できるんです。笑いもそうだし、予期せぬことが起こったときには、全員で自分ができることを考えて、一緒に乗り越えていくことができる。仲間がいるんだって思えると、それまでの不安が一気に吹き飛んでいく感覚になりますね」(with digital 2023年4月13日)

 ものづくりが好きで、何より現場が大好き。根っからの女優だと思う。

「自分自身が自分の選択に責任を持たないといけない」

 現在は、母と犬と暮らしている。心配して上京を反対した母には感謝の気持ちでいっぱいだという。

「きっと母も心から反対していたわけじゃないと思うんです。応援してくれる人はほかにいるから、母である自分は、乗り越えようと思う力を引き出す壁になろうと。母の愛ですね」(マイナビニュース 2024年1月21日)

 間もなく30歳を迎える。これからのことについては、次のように語っていた。

「私自身の人生でいえば、自分の選択に責任を持てる生き方をしていきたい。何が好きか、何をいいと思うのか、ちゃんと自分の軸を大切にしながら。30代になれば、仕事でもプライベートでもたくさんの選択が訪れると思うので、ちゃんと向き合う時間を作って、責任を持って選んでいけるようになりたいなと思います」(InRed web 2024年2月12日)

「自分自身が自分の選択に責任を持たないといけない」ということを学んだのは、上京したばかりでまったく仕事がなかった頃だった。自分が選んだ道だから、不遇でも腐ることなく、歯を食いしばって歩んできた。

 芝居で生きていくことは決めている。母も全力で応援してくれている。これからどんな選択を見せてくれるのか楽しみだ。

(大山 くまお)

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