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前半戦絶望の山本由伸(25)が、ヤンキースから目の敵にされた“半年前の出来事”「オオタニは条件闘争に他球団を利用しなかった」

文春オンライン / 2024年6月27日 17時0分

前半戦絶望の山本由伸(25)が、ヤンキースから目の敵にされた“半年前の出来事”「オオタニは条件闘争に他球団を利用しなかった」

山本由伸 ©時事通信社

 米大リーグ、ドジャースの山本由伸投手(25)が6月15日に先発したロイヤルズ戦で右上腕に異変を訴え、わずか2回で降板を余儀なくされた。デーブ・ロバーツ監督は翌日に「右肩腱板の損傷」と明かし、負傷者リスト(IL)に入れる措置を取った。前半戦での復帰は絶望的で、予断を許さない症状だ。

 日米のメディアは故障の伏線として、その直前に登板したヤンキース戦を挙げている。山本は渡米後のベストピッチと言える内容で、強力打線を7回2安打無失点に抑えたのだが、その反動として肩を故障したというのだ。

 山本はなぜ身を削ってまでヤンキースを抑えなければならなかったのか――。

 東西の名門球団同士の対戦で、ドジャースにとっては敵地でのヤンキース戦は8年ぶりだった。まさに特別な一戦で、アーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントン両外野手らメジャー屈指の強力打線と対峙した。これまでのどの試合よりも力が入りやすいシチュエーションであったことには違いない。しかし、これら以外にも山本が力投せざるを得ない事情があったようだ。

「我々が想像する以上に状態は深刻なのかもしれません」

 山本は早期降板したロイヤルズ戦で、当日のブルペンから異変が起きていた。

「試合前のブルペンでの投球練習からしきりに右腕を気にしていました。実際にマウンドに上がっても球速が上がってこない。その前のヤンキース戦で痛めたとみて間違いないでしょう。ロイヤルズ戦までは基本だった中5日を、中7日に間隔を空けても違和感は消えなかったようで、我々が想像する以上に状態は深刻なのかもしれません」(NHKの大リーグ解説陣の1人)

 件のヤンキース戦では、フォーシームがそれまでの自己最速だった156.4キロから158.4キロにアップしていた。ヤンキースを力でねじ伏せた圧巻の106球は、投手史上最高の12年総額3億2500万ドル(約470億円)で契約した右腕の面目躍如だった。

「山本がメジャーに渡ってから投げたどの試合よりも出力を上げていました。その高出力であまり投げていなかったスライダーを多く投げたのですから……。オリックス入団当初から山本のフォームは肘をしならせない『アーム投げ』と言われ、肩に負担が掛かるので矯正を求める指導者もいました。そのままアメリカに行って、滑る公式球、ピッチクロック、硬いマウンドといった慣れない環境に加え、ヤンキースが相手だったことがアクシデントを招いたとみます」(前出のNHK解説者)

 強敵に全てを出し切ろうとしたことで、肩は限界を超えたということか。

「ニューヨーク全体が山本に対して厳しい目を向けていた」

 一方で、さる米大手マネジメント会社の代理人は山本がギアを上げざるを得なかった理由を、ヤンキースやメッツを巻き込んだ昨オフの山本争奪戦だと指摘する。

「山本のドジャース行きが決まった時、米球界では最初からドジャースに行くことを決めていたのに、資金力があるヤンキースやメッツにも色気を見せることでドジャースとの契約額をつり上げた強欲な人物ではないか、と非難が集まったんです」

 メッツは大富豪のスティーブ・コーエン・オーナーが山本を自宅に招いて夕食を振る舞うなど最大限の誠意を尽くし、ヤンキースはドジャースを上回る年俸のオファーを出したと言われている。どちらも山本取りに本気だっただけに、当て馬にされたことへの反感も募ったという。

 大谷翔平(ドジャース)はエンゼルス入りした際、ヤンキースとの面談さえ断ったことがある。一部の辛辣なファンやメディアは「大谷は名門球団への挑戦を避けた臆病者」と書き立てたが、ここへ来て山本と比べる形で「少なくとも大谷は条件闘争にヤンキースを利用しなかった」と再評価する声もある。

「山本サイドのやり方はニューヨークの2球団だけではなく、米球界関係者全体に顰蹙を買い、反感を高めました。山本が4月19日にメッツ戦に登板した時はホームのドジャースタジアムでしたが、ヤンキース戦は敵地ヤンキースタジアム。ニューヨーク全体が山本に対して厳しい目を向けていたようでした」

 そして山本サイドは、その空気を察していたのではないかという。

「だからこそニューヨークでは力を見せつけなければいけませんでした。最高球速が2キロも上がり、故障につながった一因だったと思っています」

 田中将大(現楽天)や大谷らがそうだったように、日本人投手にはメジャー1年目で肘を故障するというジンクスがある。1年目でなくてもダルビッシュ有(パドレス)や松坂大輔もトミー・ジョン手術に至った。ドジャースは山本との契約時に、肘を故障した場合はオプトアウトのタイミングを遅らせるなどリスクヘッジをしていたのだが……。

「肘の故障はまだ良いんですが、肩は構造が複雑なので治る見込みが立ちづらい。肩に大きなけがをして、完全復活したピッチャーはほとんどいません。由伸のけがが投手生命に関わるものにならなければいいのですが」(前出のNHK解説者)

 故障した部位が部位だけに、既にレギュラーシーズン中の復帰さえ無理をさせないのではないかとの観測が出ている。力投の代償はあまりに大きかったようだ。

(木嶋 昇)

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