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「AKB48の総選挙はガチだったんですか?」秋元康が“国民的アイドル”の歴史的イベントの裏側を語った

文春オンライン / 2024年11月2日 17時0分

「AKB48の総選挙はガチだったんですか?」秋元康が“国民的アイドル”の歴史的イベントの裏側を語った

2011年、第3回の総選挙で1位を獲得した前田敦子 ©文藝春秋

AKB48を「国民的アイドル」に押し上げたのは「総選挙」の存在だった。では、「総選挙」はなぜ生まれたのか。また、そこに不正はなかったのか。

「生みの親」秋元康に、インタビュアー・秋元康が迫る。

◆◆◆

「AKB選抜総選挙」はなぜ生まれたか

 秋元 前回、何の話だっけ?

 ――2回、連載を飛ばしていますから、忘れちゃったんですね? AKB48ですよ、AKB48……。

 秋元 何を聞きたい? 君がインタビュアーなんだから、君が質問してよ。

 ――そうですね。じゃあ、僕が読者を代表して……。

 秋元 月刊「文藝春秋」の読者で、AKB48に興味ある人いるかなあ?

 ――います、います。いい意味でも、悪い意味でも、あれだけ世間を賑わせたアイドルグループですから。AKB48が国民的なアイドルになったのは、やっぱり、「AKB48選抜総選挙」があったからじゃないですか?

 秋元 懐かしいなあ。フジテレビが生中継してくれたしね。

 ――普通のアイドルグループは、女子でも男子でも、同じグループ内で誰が人気かなんて、触れられないじゃないですか? タブーというか……。

 秋元 AKB48は人数が多かったから、まず、テレビ番組に出演する時の選抜メンバーを決めなきゃいけなかったの。初めは、プロデューサーである僕が、スタッフやレコード会社の人間と相談して決めていたんだけど、新曲の選抜メンバーを発表するたび、ネットが荒れるわけ。当時は、2ちゃんねるが全盛だったから、「秋元康の目は節穴か?」「なぜ、◯◯ちゃんを入れない?(or入れる?)」「どうせ、センターは前田敦子だろ?」とか……毎回、あれこれ言われるので、「じゃあ、選抜メンバーをファン投票にしよう」と……。

 ――投票券をCDに付けたから、“AKB商法”と叩かれるんですよね?

 秋元 元々は、投票券なんかなくて、ネットの公式ページで誰でも投票できるようにしてたの。でも、投票サイトに、AKB48に何の興味もない野次馬というか“荒らし”がやって来て、めちゃくちゃになったので、AKB48の当時のIT担当が、「やはり、AKB48のファンだけを対象にしましょう」と言ったのが始まりなんだよね。

 ――それで、CDに投票券を付けた?

 秋元 それ、みんな、誤解してるけど、投票券を付けたのは、CDだけじゃないの。所謂、ファンクラブとかモバイル会員とか、何らかの形でAKB48を応援してくれているファンを対象にしたんだけど、CDだけだと思われてる。

 ――でも、CDを何十枚、何百枚も買って、投票券だけ抜いて、CDそのものは捨てるという事態が起きましたよね?

 秋元 それは、想定外だったね。確かに、ファンクラブやモバイル会員は、一人で何口も入れないけど、CDだったら何枚でも買えるもんね。よく覚えていないけど、CD購入も枚数制限をやったような気がする。

 ――でも、AKB商法と揶揄されて、どう感じました?

 秋元 カップリングの収録曲にタイプの違う曲を作ったり、ミュージック・ビデオもそれぞれのカップリングで作ったり、そういう努力が無駄に思えた。

 ――それでも、総選挙投票券入りのCDを続けたのは?

 秋元 もう、その頃は、AKB48が大きくなり過ぎて、レコード会社、所属事務所、テレビ局、広告代理店なんかの思惑もあったから。

 ――メンバーはどう思ってたんでしょう?

 秋元 やはり、人気メンバーは、途中から嫌がりましたね。だから、立候補制にしたの。知名度の低いメンバーは、むしろ、総選挙が最大のチャンスと思っていたでしょう。

選挙は八百長ではない?

 ――ぶっちゃけ、AKB48の総選挙はガチだったんですか?

 秋元 “ガチだった”とは?

 ――順位を入れ替えたりの不正は一切なかった?

 秋元 もちろん。ガチでやらなければ、ファンを裏切ることになるからね。スタッフにも、厳しく言い伝えていた。だから、第三者機関を入れて、不正が行われないように監視してもらった。

 ――オーバーですね。

 秋元 たかが、アイドルの人気投票イベントに、真剣に向き合うから、ファンも面白がってくれたんだと思う。

 ――秋元さんは、スタッフとして投票結果をいつ知るんですか?

 秋元 みんなと同じ。会場で、メンバーやファンと一緒に開票結果を見るの。本当は、開票イベントが始まる30分前に、第三者機関立ち合いの下、集計は終わっているらしい。「秋元さん、先にご覧になりますか?」と聞かれたので、「いや、メンバーやファンと一緒に熱狂したい」って断ってから、ずっと、みんなと一緒。開票前に、色々なメディアから“順位予想”を取材されるんだけど、当たった例しがない(笑)。

 ――それだけ、AKB48総選挙というイベントがガチだったわけですね? ということは、定期的に行われていたAKB48名物の“握手会”は、事前の選挙活動になるっていうことですね?

 秋元 (笑)。別に、“握手会”は、AKB48が生み出したものじゃなくて、70年代のアイドルの時代から、レコードの販促キャンペーンとして、レコード店やデパートの屋上でやっていたものなんだ。まあ、AKB48の場合は、握手会の規模が何千人、何万人になっちゃったから、みんな、驚いたんだろうね。

本記事の全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(「 AKB48選抜総選挙が歴史になるまで 」)。

 

「 文藝春秋 電子版 」では、連載中の「 秋元康ロングインタビュー 」をすべて読むことができます。

 

第1回 青春は何キロヘルツ?

第2回 僕が作詞家になった日

第3回 なぜ、美空ひばりさんは「川の流れのように」を選んだか?

第4回 天才は、確かに存在する  

第5回 AKB48がどうやって生まれたのか?  

第6回 AKB48 売れると思っていたのは……

第7回 AKB48選抜総選挙が歴史になるまで    

第8回 あいつばかりがなぜ、モテる?

第9回 もう一度会いたくなる彼女たち

(秋元 康/文藝春秋 2024年7月号)

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