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耳ピアスは34mm、胸に穴を開けフックで20分間吊され…全身真っ黒のタトゥーを彫った男性が語る、痛みへの向き合い方と人体実験のワケ

文春オンライン / 2024年7月20日 11時10分

耳ピアスは34mm、胸に穴を開けフックで20分間吊され…全身真っ黒のタトゥーを彫った男性が語る、痛みへの向き合い方と人体実験のワケ

大黒堂ネロさん

〈 〈運転免許証が話題に…〉頭は赤と黒、体は真っ黒にタトゥーを彫った男性が明かす、周りの意外な反応と病院での診察「看護師が何度も病室に来て…」 〉から続く

 2022年、Xに投稿され、話題になった運転免許証のビフォーアフター画像。ちょんまげ姿から、目の周りや頭皮が赤や黒に彩られた男性は滋賀県で古美術商を営む大黒堂ネロ氏だ。

 首から下も黒く全身タトゥーを施し、耳ピアス(軟骨拡張)は34mmで、世界一の大きさだという彼に、タトゥーを彫ったきっかけや耳ピアスを拡張し続ける理由、周りの反応などについて聞いた。(全2回の2回目/ 最初から読む )

◆◆◆

タトゥーを入れても入れなくても自分は変わらない

――タトゥーを入れたことで生活する上での支障はありましたか。

大黒堂ネロ(以下、ネロ) 特にないですね。地元の滋賀県ではどこのお店でも優しくしてくれますし。スーパー銭湯はタトゥー禁止なので入れませんが、そもそも好きではないので。

――タトゥーを入れてから何か変わった心境は。

ネロ なにも変わっていないです。タトゥーを入れても入れなくても自分は変わらないと思っているので。

――参考にしている人やキャラクターはいますか。

ネロ 参考にしている人はいないですが、テーマは日本です。以前はちょんまげだったので、その続きで日本スタイルの進化を表しています。

耳ピアス34mmはダントツの大きさ

――耳ピアス(軟骨拡張)は34mmで、世界一の大きさだそうですね。どうして拡張を?

ネロ 20代の時に開けたんですけど、海外の民族の方が軟骨の穴に輪っかを通してる写真を見てかっこいいなと思って。耳たぶの拡張をやってる人はいると思うんですけど、軟骨の拡張は問題がいっぱい起きるからNGと言われていて。痛みもすごくありますし、肉芽もできてしまうので基本みんなやらないんです。

 でも、拡張した軟骨を見たかったので、2mmずつ拡張していって34mmまでいきました。失敗することもありましたが、その度に改善策を考えて、自分なりの方法を模索しながら拡張していきました。世界一になってから結構経っているんですけど、いまだに超える人はいないですね。

――ギネスに登録することも考えているんですよね。

ネロ ギネスに登録したいんですが、登録費などで結構お金がかかるのもあって、クラウドファンディングかスポンサーについてもらってやるか、どちらかで考えています。

 ピアスのギネス記録って結構あるんですけど、ピアスホールの大きさに関してのギネス記録ってあんまりないんですよね。34mmはダントツの大きさなので、海外で話題にもなるかなって。

ボディサスペンションでは20分を達成

――「ボディサスペンション」の世界耐久記録を持っているとも明かしていましたが、具体的にどんなことを?

ネロ 胸の中心に1箇所ピアッシングで穴を開けフックをつけて20分間吊されました。基本的に胸の皮膚は伸びないので、痛みはずっと続きます。皮膚が伸びる場所だとトランス状態になって痛みを感じなくなるんですけど。

 1回やった時に、やり方を間違えて皮膚がちぎれてしまったんです。失敗したんですけど、「あ、これできるわ」と思って。その3年後に再挑戦したんですけど、久しぶりだったので感覚がわからなくて失敗してしまって。でも、こういうところを改善したらできそうだなっていうのは見えてきて。

 で、また時間を置いて3回目にやった時は、正直余裕でした。10分間吊られた時に、「これは20分いける」って確信して。で、4回目で20分間の耐久を達成した感じです。

痛みは自分の弱さだと思っている

――そもそも身体改造に興味を持ったきっかけは?

ネロ 身体改造に興味を持ったというよりも、その過程に興味を持ちました。これをやれば、もっと自分自身を突き詰めて、より自分を理解できると思ったので。

 ボディサスペンションは、世間からできないと思われてることや無理難題と思われてることが多いので、僕の改善力が惜しみなく活かせると思ったからやりました。

――痛みは感じにくい方なのでしょうか。

ネロ いえ、痛みに敏感な方だと思います。痛みは感じなくなるものではないですが、何度も同じことを経験することによって痛みを理解することはできます。

 痛みは自分の弱さだと思っているんです。ということは自分の弱さを取れば痛みも取ることができる。

 痛いって感覚になった時に、「なぜ痛いのか」っていうのをこれまでの経験を踏まえて考えていく。物事を縦軸ではなく、横軸で見ると、痛みの理由もわかるし、痛みのその先に行くこともできると思っています。

――己の限界に挑戦するために続けているとおっしゃっていましたが、これまで限界を感じることは?

ネロ 限界を感じることはないです。常に失敗から学んでいるので、次の答えが目の前にあります。

自分の体を実験し続けるワケ

――「人体実験」とも語っていましたが、自分の体を実験し続ける理由は?

ネロ 自分の見たいものを見るためですね。自分の見たいものは誰かが見せてくれるわけでもないので自分自身で表現しています。

 ボディサスペンションの痛みに向き合う自分を見てみたい、そしてその時の自分の感情や思考の繋がりを知りたいので、続けています。

――ご自身のことを「変わっている」と感じることはあるのでしょうか。

ネロ いや、全く思わないです。みんなと一緒だと思っています。誰かと比べてやっていないので、特に人と比べることもないんですけど、「もっと人より違う自分になりたい」とかは全くないです。むしろ外見に関しては人と同じでも全く気にならないですね。例えば、僕と同じタトゥーを誰かが入れても何も思わないです。

タトゥーに対する偏見をなくしたい

――ネロさんの目標はなんでしょうか。

ネロ 今は、ファッションだったり、古美術商だったり、モデルだったりと、いろんな方面で仕事をいただいているんですけど、将来的には、文化人になりたいです。タトゥーが入っているとあまりテレビに出れないって言いますけど、文化人になれば出ることができるんじゃないかなって。

 僕がテレビにたくさん出たら、タトゥーに対する偏見も少なくなるんじゃないかなと思うんです。僕がテレビで活躍する文化人になって、いろんな偏見をなくしていきたいです。

写真=橋本篤/文藝春秋

大黒堂ネロさん

・Instagram
https://www.instagram.com/daikokudo.nero
・X
https://x.com/daikokudonero
・TikTok
https://www.tiktok.com/@daikokudo.nero

(「文春オンライン」編集部)

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