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酔うと女性記者に…「性的暴行」で逮捕、大阪地検元トップ・北川健太郎(64)の“裏の顔”

文春オンライン / 2024年7月16日 17時0分

酔うと女性記者に…「性的暴行」で逮捕、大阪地検元トップ・北川健太郎(64)の“裏の顔”

大阪地検が入る大阪中之島合同庁舎

〈下記被疑者を準強制性交等で通常逮捕した〉

 6月25日午後、大阪高検はA4一枚の発表文を報道機関に配布した。そこに記された容疑者の氏名は、全国の法曹関係者に衝撃を与えるものだった。

「北川健太郎(64)。元大阪地検トップの検事正でした」(全国紙社会部記者)

◆◆◆

現役時代からの酒癖と女性関係の噂

 この記者が続ける。

「容疑は2018年2月〜19年11月の間のこと。つまり北川が大阪地検検事正在任中でした。被害者は検察職員で北川の当時の部下。はしご酒で酔った女性を検事正官舎に連れ込んで性的暴行を加えたようですが、北川は『同意があったと思った』と供述しています。ただ、逮捕発表はこうした容疑の詳細が一切伏せられた異例なものでした」

 検察のエリートコースを歩んできた北川。検事正時代に学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、佐川宣寿元国税庁長官らを2度不起訴にしたことでも知られる。検察OBの評。

「頭の回転が速く、事件のスジ読みも正確。プライドは高かったが、世渡り上手でOBからも可愛がられていた」

 だが19年11月、定年まで3年を残して辞職。検事長への昇進を目前にした退官とあって、家庭の事情など様々な憶測が飛び交ったという。そこから約5年を経て露わになったのが、今回の容疑だったのだ。

 じつは北川は、現役時代から女性関係の噂に事欠かなかったという。

「毎日のように飲み歩き、女性検事や女性記者を単身赴任先の官舎に招いていた。特に、ある全国紙の女性記者とベッタリだったことは有名です。逮捕に衝撃を受けて泣いていた女性記者もいました」(在阪メディア関係者)

「私自身は全く聞いたこともありません。」

 日本酒が好きで酒癖が悪く、酔うとこんな裏の顔を見せることも。

「口が悪くなって女性記者でも構わず『バカ』とか『そんなんじゃ取材できないぞ』などと暴言を吐く。カラオケが好きで、自分は十八番のアニソンばかり歌うのに、他人の曲はまだ1番なのに勝手に切ってしまう。恐妻家でも知られ、泥酔した後には『妻に怒られた。口もきいてもらえない』とぼやいていたこともあった」(前出・記者)

 では、逮捕容疑となった北川の蛮行は、なぜ5年間も明るみに出なかったのか。北川の大阪地検検事正時代の“上司”にあたる、元大阪高検検事長の上野友慈弁護士を直撃した。

――北川氏について。

「報道で衝撃を受けています。報道によると、私が彼の監督者の立場だった時の事件ですから。個人的にも若い頃から知っていますし、信頼していました」

――在任当時、性被害についての噂はあった?

「私自身は全く聞いたこともありません。もしそんなことがあればちゃんと調査しています。本当にそういう被害があって、私に届いていなかったとしたらとても残念です。ただ『知らない』で済むのかと言われると、確かに……」

 あくまで知らなかったとする当時の高検トップ。検察関係者が語る。

「被害女性はこれまでも何度か、『許せないから訴えたい』と言っては『やっぱり訴えるのはやめる』というのを繰り返していたようです。長らく燻っていた中、今年に入ってから大阪高検が捜査を始めた」

目玉人事の就任

 さらに、逮捕のタイミングには検察人事が影響していたとみられている。

「7月9日付で、畝本直美東京高検検事長が女性初の検事総長に就任することが明らかになりました。そんな目玉人事の初っ端に、よりによって検察内での性的暴行などという不祥事を出すわけにはいかない。そこで、同日付で辞職する甲斐行夫検事総長の在職中に片づけた格好です」(同前)

 A4一枚の発表文が覆い隠す真実はあまりに重い。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年7月11日号)

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