TOKIO山口達也の強制わいせつ なぜNHKが“スクープ”したのか

文春オンライン / 2018年4月26日 12時0分

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山口達也 ©getty

「酒を飲んでいておぼえていない。そういうことをしたかもしれない」

 警視庁の取り調べに対し、こう供述したのはジャニーズの人気グループTOKIOのメンバー、山口達也(46)。今年2月、山口が港区の自宅マンションで女子高生に無理やりキスをするなどしたとして、警視庁が強制わいせつ容疑で書類送検をしていたことが4月25日わかった。

 日本テレビの情報番組「ZIP!」で“朝の顔”をつとめるなど「爽やかで誠実そうな好青年」というパブリックイメージだっただけに、未成年への性犯罪を犯したというギャップは世間に大きな衝撃を与えた。

 分別のある中年男が、しかも歌番組やバラエティー、CMで活躍するジャニーズ事務所のトップタレントが、なぜ、こんな間違いをしでかしてしまったのか。

 山口はNHK・Eテレ(旧NHK教育テレビ)で放送されている「Rの法則」の司会を務めている。中高生が興味を持っている話題を10代のレギュラー出演者がリサーチし紹介し、トークを繰り広げる教養バラエティー番組だが、そもそも事件のきっかけとなったのは彼が進行役の“仕事場”からだった。

女性はトイレに駆け込み母親に連絡

「オーディションで選ばれた番組レギュラー陣にはアイドリングやAKBに所属する現役アイドルがおおぜいいて、通学中にスカートの中が見えないようにするにはどうしたらいいか、ミニスカートに似合う美脚のためのマッサージ方法などきわどい企画もあり、若者を中心に人気がありました。

 山口と女子高生の被害者A子さんは共演者ですが、番組の打ち上げの際、山口は彼女を自宅に招き入れたのです。自身も供述しているようにそこで酒を飲んだ山口は、A子さんにも酒をすすめましたが、未成年の彼女は断った。酩酊した山口はA子さんに『かわいいね』と言うなどして迫り、彼女が嫌がるのを無視してキスをしたのです。彼女からしたら山口は芸能界の偉い人ですが、番組の中では保護者のような立場です。しかし、それ以上の関係を迫られるかもしれない。怖くなった彼女はトイレに駆け込んでスマホから母親に連絡し、あわてて駆けつけた母親がA子さんを山口のもとから連れ出して、最寄りの警視庁麻布署に駆け込んだのです」(全国紙社会部記者)

なぜ“スクープ”したのがNHKだったのか?

 あらためていうが、それはメディアが報じる2カ月前のことである。警視庁は双方から事情聴取をし、慎重に捜査を進めていた。また山口並びにジャニーズ事務所はことが発覚しないよう水面下で、A子さん及び保護者に示談交渉を進めていたようだ。場合によっては、関係者のみが知るだけで、事件がおおやけにならなかった可能性も否定できない。

 しかし、なんと、この事件を“スクープ”したのは他ならぬNHKだった。25日夕方の「ニュース シブ5時」が第一報を打ち、それに続いてフジテレビ、TBS、テレビ朝日が続々と報じたが、日本テレビは「メイン番組である『ZIP!』『幸せ!ボンビーガール』『ザ!鉄腕!鉄腕DASH!!』が関わっているので、報道するのかどうかをふくめ対応に追われ、出遅れてしまった」(日本テレビ幹部社員)という。だが、自局の問題につながるような今回のケースにおいて、NHKがみずから率先して芸能界を支配するとまでいわれるジャニーズの不祥事を報じたのにはわけがあった。

「NHKが不祥事に対して隠蔽体質なのはむかしからですが、報道局からあがってきた性犯罪をジャニーズだから、微罪だからといって握りつぶしたとしたら、どうなるか。特に今回は加害者被害者が、子供たちを育む役割のEテレから出たことは絶対に見過ごせない。万が一それが変な形で露見して、やはり組織ぐるみで隠していたのかとなったら、国民から受信料不払いが巻き起こり、へたすりゃNHKがつぶれるほどの大変な事態になります」(NHK幹部)

キャスターとしての顔もあった山口

 それほどのことなのに、世間には「かわいいから女の子にチューしただけでしょ」「こんな微罪で大騒ぎするなんて山口メンバーがかわいそう」という人もいるだろう。たしかに山口は以前、自身の離婚会見においても自分の口できちんと説明していたし、誠実な人物という評判もたくさん聞く。だが先述のとおり、未成年の女子高生相手で山口が教育的な立場にある番組での出来事だ。ドラマの相手役になって恋に落ちたとか、飲み会で一緒になり仲良くなったという話とは別ものだろう。

 さらにまた山口は、昨今はセクハラ・パワハラ問題などが取り上げられる情報番組にキャスターとしてお馴染みの顔となっている。しかるべき常識人、また教養ある大人としてみなされ起用されているわけで、アイドルの範疇を超えた存在を期待されていたはずだ。それだけにファンのみならず、彼が活躍する姿を見て楽しむ視聴者を裏切る形になってしまった。うがった見方かもしれないが、どこかに「自分はジャニーズにいるから大丈夫」という気持ちはなかったのだろうか。そして報道で自身の性犯罪が発覚するまでの長い間、どんな気持ちでカメラの前に立ち、振る舞っていたのか。それとも自分のした行いに自覚がなかったのか。本人の口から聞いてみたい。

(中村 竜太郎)

文春オンライン

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