「韓国での成功を捨てた」とも言われたが…TWICEサナ(27)に向けられた韓国での“リアルな視線”〈現地記者が解説〉
文春オンライン / 2024年7月21日 17時0分
![「韓国での成功を捨てた」とも言われたが…TWICEサナ(27)に向けられた韓国での“リアルな視線”〈現地記者が解説〉](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/bunshun/bunshun_72183_0-small.jpg)
TWICEのサナ27歳 ©時事通信社
今年でデビュー9周年を迎える9人組ガールズグループTWICE。彼女たちを象徴するキーワードを挙げるとしたら「挑戦」が真っ先に思い浮かぶ。結成から現在まで、常に新しい道を歩んできたグループだ。特筆すべきは、彼女たちの活躍によって、K-POPグループの日本人メンバーが活躍できる領域がさらに広くなった点だろう。
中でも、日本人のサナ(本名:湊﨑紗夏)はとりわけ注目に値するメンバーだ。彼女は韓国で、ファンだけではなく大衆からも高い人気を集めている。
K-POP界の先入観を振り払ったTWICE
韓国人5人、日本人3人、台湾人1人で構成されるTWICEがデビューしたのは2015年。この頃のK-POP界は、海外からの人気が上昇する一方で、外国人メンバーに対してかなり排他的な立場を取っていた。特に韓国の社会情勢によって、日本人メンバーに対しては他の国籍のメンバーと比較してもより厳しい見方がされる傾向にあった。
そのため、TWICEが所属するJYPエンターテインメントのような大型芸能プロダクションが、日本人メンバーを3人も含めるガールズグループをデビューさせるということは「事実上、韓国市場での成功をほとんど放棄したも同然」と見なされた。
TWICEのメンバーの選出は韓国の音楽専門チャンネルMnetのサバイバルオーディション番組『SIXTEEN』を通じて行われた。ここでグループ結成までの過程を全て公開したことで、デビュー前から大衆的な知名度を得ることに成功していた。しかしこの時点では、韓国の大衆の多くは、期待よりは若干の憂慮を抱いていた。
だが、TWICEはこのような先入観を忘れさせた。今では、SMエンタテインメントのRed Velvet、YGエンターテインメントのBLACKPINKとともに、「K-POP第3世代のトップガールズグループ」に名を連ねている。
外国人メンバーに対する評価が厳しいK-POP界において、TWICEがこのような支持を集めるグループへと成長したのは、何よりもメンバー1人1人の努力があったからだろう。
「レジェンド」とも…サナの始球式に集まった反響
サナ、モモ、ミナ。3人の日本人メンバーはそれぞれが多くのファンを持っている。しかしその中でも、サナが韓国の大衆から格別の注目を集めていることについて、最近の事例でいうと、4月27日にソウル蚕室球場で開かれた「2024プロ野球 KIAタイガース vs. LGツインズ」の始球式に登場したことが挙げられる。
サナはクロップド丈にアレンジしたユニフォームに、ブーツカットジーンズを合わせたファッションで登場。長い脚を活かした見事なフォームで投球したボールが、ノーバウンドでキャッチャーミットに収まると、サナはマウンドで喜びをあらわにした。この光景について、韓国の大衆から「レジェンド始球式」とまで呼ばれるほど反響があり、しばらくオンラインコミュニティやSNSを中心に、大きな話題をさらった。
韓国で始球式に選ばれる芸能人は、「今が旬」といった高い話題性を持つ人が多い。例えば、その時期に放送されたドラマや映画などで大きな人気を得た俳優や、現在活発に活動中のアイドルグループの人気メンバーだ。
たとえば、6月9日に釜山・社稷球場で行われた「ロッテ・ジャイアンツ vs. SSGランダース」には4人組ガールズグループaespaのカリナが登場している。これは、現在aespaが各種音楽チャート1位を総なめにするほど、韓国で高い人気を有する「第4世代ガールズグループのメンバー」という点が大きな影響を及ぼしたものと見られる。
カリナと比べると、サナは「現在大人気のグループ」というよりはやや「先輩グループ」といった印象で、2人が同じくらいの、あるいはサナがカリナ以上の大きな話題性を呼んだという事実は、サナの個人の力の賜物だろう。
“王道の成功パターン”と言えるほど模範的な成長
韓国社会で日本人メンバーは厳しい見方をされる傾向にあると先述したが、グループから離れ、ソロでも大衆的な人気を得るというのもまた、想像以上に簡単なことではないからだ。デビューから9年という歳月の中で、韓国の芸能界でサナが成し遂げたその結果には、注目せざるを得ない。
サナの成長をみていくと、それは外国人メンバーに限ったことではなく、アイドル界全体を見渡しても、“王道の成功パターン”と言えるほど模範的なものだった。
◆◆◆
サナが辿った“王道の成功パターン”、そして韓国で起きた“ある変化”とは?
翻訳=金敬哲
〈 「ずっとキスをして、スキンシップが多くなる」男性ファンが多かったが、今は…TWICEサナ27歳が韓国でみせた“変化”〈現地記者が解説〉 〉へ続く
(イ・テジュ,金 敬哲)
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