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毎日がドラゴンズ選手の誕生日だったらいいのに…調べて分かった意外な事実

文春オンライン / 2024年7月20日 11時0分

毎日がドラゴンズ選手の誕生日だったらいいのに…調べて分かった意外な事実

中日・立浪監督 53歳の誕生日

※こちらは公募企画「文春野球フレッシュオールスター2024」に届いた原稿のなかから出場権を獲得したコラムです。おもしろいと思ったら文末のHITボタンを押してください。

【出場者プロフィール】滝河 あきら 中日ドラゴンズ

大島洋平・堂上剛裕・山内壮馬世代の内氣な39歳。名古屋市(近郊)出身、名古屋市在住。既婚、二児の父。白球を追う竜戦士たちに元気をもらいながら、老後の全てを新NISAに託しつつ薄給を追って働くサラリーマン。好きな選手は神野純一。

◆ ◆ ◆

 私の5歳の娘がよく「はやくお誕生日こないかなぁ」と口にする。確かに「誕生日」は、子どもだけでなく大人にとっても特別なものだ。周りの誰かが「今日が誕生日」だと知れば、自然と「おめでとう」と口にしてしまう。プロ野球中継で「打席の〇〇は今日が誕生日です」と紹介され、応援団が応援歌の前にハッピーバースデーを演奏しているのを見ると、何となしにほっこりした気分になる。

 さて、応援しているドラゴンズの勝ち負けに日々一喜一憂している私はある時、「毎日が応援するドラゴンズの選手の誕生日なら、毎日心穏やかに過ごせるのではないだろうか」と思いついた。現役選手だけでは育成選手も含めて80人そこそこなので、1年間毎日を誕生日にはできないが、OBも含めた竜戦士たちの誕生日を調べ上げれば、ドラゴンズは歴史のある球団なので、きっと毎日がいずれかの竜戦士の誕生日になるだろう。そうなれば、毎日お祝いできるじゃないか。

毎日が誕生日に向けて、調査を開始! しかし…

 ということで、歴代竜戦士たちの誕生日調べを始めた。調べるにあたっては、NPBの公式Webサイトの 選手検索ページ を活用することとした。このサイトは、現役選手は全員掲載されているが、OBに関しては、一軍公式戦に出場した選手のみが掲載されている。厳密にはOB全員を調べられないが、公式の情報に頼るのが一番だろう。

 しかし、思わぬ壁が待ち受けていた。てっきり「ドラゴンズ」と絞り込めば、簡単にドラゴンズの選手やOBの一覧が検索できると思っていたが、このサイトはそうはなっておらず、「2023年の中日ドラゴンズ」のように年度ごとにしか絞り込めなかったのだ。こうなると、全員の誕生日を調べるのに、前身球団である「1936年の名古屋軍」から現在まで、戦争のためリーグ戦が開催されなかった1945年を除く、実に88年分のドラゴンズを調べなくてはならなかった。

 選手たちのプロフィールページを開いては、選手名と誕生日を表計算ソフトにコピペをし、もちろん複数年在籍している選手については、重複をチェックして削除していくという単純作業を、日々の生活の合間を縫って、子どもの寝静まった夜中を中心に黙々と進め、気が付けば1ヶ月も経っていた。思いつきで始めた調査は、なんと、延べ4500名以上の選手たちのプロフィールページをチェックするという大仕事になってしまった。

 大変だった……、しかし、この調査で、重複を除いて計1023人分の竜戦士たちの誕生日を集計できた。これで毎日竜戦士たちの誕生日をお祝いすることができると小躍りしながら、調査結果を確認すると、予想もしない事実が浮かび上がった。どの竜戦士の誕生日でもない日が、1月21日、1月29日、2月4日、2月21日、2月29日、3月9日……、なんと合わせて36日間もあったのだ。何ということだ。1023名もの選手たちの誕生日を集めてもなお、1年間で1ヶ月以上の日数でお祝いができないことになるのだ。これはなんとかしなくてはならない。

誕生日を編成面から考える

 私はすぐに、ドラフト戦略を練り始めた。ドラゴンズ史上で誕生日の選手が不在の日(以下、竜の誕生日不在日)を埋めるべく、ドラフト候補生たちの誕生日を調べることとした。こちらは、週刊ベースボールオンラインの選手データ検索のサイトから、「高校生」「大学生」「社会人・独立リーグ」のカテゴリで選手を検索し、選手名と誕生日を表計算ソフトにコピペしていく作業を行い(こちらは2週間かかった)、計771名の調査結果を集計すると、竜の誕生日不在日を埋められる選手がいることが分かった。

 中には、ドラフト上位候補と噂の森井翔太郎(桐朋高、12月15日生まれ)や渡部聖弥(大商大、8月31日生まれ)の名前もあった。この秋のドラフトは彼らの指名で決まりだ。なぜなら、ドラゴンズは今年のドラ1ルーキーの草加勝(11月21日生まれ)で、竜の誕生日不在日を1つ埋めているからだ。ちなみに、草加の前に入札し抽選で外した横浜DeNAの度会隆輝(10月4日生まれ)も竜の誕生日不在日生まれであり、「誕生日不在日埋め」がドラフト戦略の一つになっていると容易に推測ができる。

 ドラフトだけでは獲得する選手の人数に限りがあるので、FA補強やトレードなども視野に入れていきたい。今季国内FA権を獲得した阪神の大山悠輔(12月19日生まれ)やソフトバンクの甲斐拓也(11月5日生まれ)は、竜の誕生日不在日をドンピシャで埋められる存在だ。しかし、FAの話題は心がざわつく方もいらっしゃるので、このくらいにしておく。なお、昨季のオフにドラゴンズが獲得した中島宏之(7月31日生まれ)もそれまでの竜の誕生日不在日の1つを埋めた存在であり、先述のドラフトを含めたドラゴンズの編成戦略の方針がその方向に向かっているのは間違いない。

「毎日が竜戦士の誕生日」、その日は近い…

 かくして、大変に骨の折れる調査ではあったが、近い将来、きっと毎日竜戦士の誕生日をお祝いできる日が来るだろうということがわかった。その日を楽しみに待ちたいと思う。なおこの調査を通じて「どの選手の誕生日がいつなのか」という情報が、自然と頭の中にインプットされていった。そのおかげで今の私は竜戦士たちの誕生日に関しては、まさに林家ペー師匠状態である。

 ああ、そういえば、夜中に黙々と作業をしている私のことを妻が訝しんでいたのを思い出したので、さっそくことの顛末を妻に話してあげた。

「……ということで、毎日が竜戦士の誕生日になる未来も近いんだよ」

「……え? なにそれ?」

 私はてっきり「ハッハー」という林家パー子師匠ばりのリアクションが返ってくるとばかり思っていたが、まあいいや。ハッピーバースデー、過去、現在、そして未来の竜戦士たち。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム フレッシュオールスター2024」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト https://bunshun.jp/articles/72206 でHITボタンを押してください。

(滝河 あきら)

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