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貴乃花との「婚約破棄会見」で、19歳の宮沢りえはなぜ微笑んだのか「絶対に解決できる問題だった」「悲劇のヒロインになるのは絶対に嫌」

文春オンライン / 2024年7月25日 11時0分

貴乃花との「婚約破棄会見」で、19歳の宮沢りえはなぜ微笑んだのか「絶対に解決できる問題だった」「悲劇のヒロインになるのは絶対に嫌」

宮沢りえさん ©︎時事通信社

〈 「世紀の婚約会見」の27分間、20歳の貴乃花と19歳の宮沢りえは何を考えていたか ”引退”の質問でりえさんが真顔に戻った時、貴乃花は… 〉から続く

“世紀の婚約”からわずか2カ月後の1993年1月27日、貴乃花関(当時は貴花田関)と宮沢りえさんが婚約を解消した。当時貴乃花は20歳、りえさんは19歳。婚約会見で見せた熱愛ぶりから2カ月で、2人の間にいったい何が起きたのだろう。

 年末から貴乃花と連絡が取れなくなっていたというりえさんが、話し合いのため貴乃花と顔を合わせたのは1カ月ぶりのことだった。そこで婚約を解消し、その足で都内ホテルで破局会見を行った。

「結婚ということでいろいろな問題が生じたりしたんですけど…」

 会見場にグレーのワンピースで現れた彼女は、思った以上にすっきりと明るい表情を見せた。「まず始めに」と顔を上げ前を向くが、その目は遠くを見ていた。

 迷惑をかけた人々にお詫びすると「今まで何もコメントできなかったのは、彼と直接話が……」というと、音を立てて短く息を吸い、上に視線を向けてから目を閉じ、そのまま一呼吸置いた。

 音を立てて息を吸ったのは、これから話す「婚約解消」という事実が彼女にとってストレスであるためだ。目を閉じたことからはその時の光景を思い出したくない、困惑や不安、心配だった気持ちを二度と味わいたくないと、不快な感情やネガティブな気持ちを無意識のうちに遮断しようとしたのだろう。 

「すみません。緊張しちゃって」と微笑むと、すっと俯き「なんとも話ができなかったので、自分の気持ちを整理できなかった」と説明する。

「今もあまり上手には話せませんけど」と視線をあげて話し出すと、「今日会えて、お互いの気持ちというのを確認、できたので」と首を傾げてから、小さく何度も頷いた。

 その仕草からは、まだ疑問が解消されていないこと、なんとか自分を納得させようとしているような印象を受ける。「ご報告しようかと思ってきました」と話すときにはまっすぐ前を向いて、何度も小さく頷いた。

 “どういう確認で、どういう結果になったのか”と記者に問われると、落とした視線を揺らして、「結婚ということでいろいろな問題が生じたりしたんですけど、それを、う~ん……」と開きかけた口を閉じ、視線を上に向ける。言葉を探しているようだ。

 そして「お互いがもう」と首を傾げ、「乗り切ろうという気持ちになれてないというか」と眉間を寄せる。

 しばらく沈黙すると、視線を上に向けて「うん」と頷いた。貴乃花との話し合いの状況や自分の感情を思い出し、「乗り切ろうという気持ちになれてない」ということを再確認したのだろう。

 それでも「私もまだはっきりと、まだ自分の気持ちが整理できていない。人生最高のパートナーという人にはなれなかった」と顔を上げて頷いた。

 会見では「大きな問題があった時に、乗り越えられるのは彼と力を合わせられるから」といい、何度も、「それを乗り切ろうとする2人の気持ちがなかった」と眉を上げた。

 眉が上がるのは不愉快な気持ち、言いながら何度も繰り返し頷く姿からは自分を納得させようとしていることが読み取れる。

「絶対に解決できる問題だった。それができなかったのが…」

“別れることになった原因は”とストレートに聞かれた時は、不愉快な感覚が生じたのだろう。口を尖らせ「う~ん」と肩をすくめて首を傾げる。「別れることになった原因」と小声でつぶやき、「お互いの気持ちが1カ月の間に……1カ月の間に」と時間の流れを繰り返し、「気持ちが通わなくなった」と淡々と話した。理由を説明しながらも納得していない様子だった。

 りえさんの貴乃花に対する思いが溢れたのは、“会いたいという気持ちが強かったと思うが”という質問を受けた時だった。

 りえさんは大きく頷くと、「もっと話す時間がいっぱい、いっぱいあれば」と語気を強め訴えるように強調した。

 これが彼女の本心であり、貴乃花と連絡が取れない間も、対話を切実に求めていたことがわかる。続く「絶対に解決できる問題だった。それができなかったのが、すごく疑問だし、残念だった」という発言からも、困惑と不満が見て取れた。

 1カ月ぶりに会った貴乃花については「フィルターがかかって見えました」と笑顔で答え、「強い横綱になって下さいと言った」という時には大きく笑い、顎を上げるようにのけ反った。悲しい時、悔しい時に人は逆に笑い出すことがあるが、彼女の笑いはそんな印象だ。それでも目の力は消えていなかった。

 貴乃花に対する感情については、「味わったことのない強い気持ちで、全然後悔していない」と言いながらも、「1カ月前の気持ちとはちょっと違う、言葉ではいい表せない気持ち」と切ない表情で続けた。

「悲劇のヒロインになるのは絶対に嫌だから」

 婚約破棄の原因がどちらサイドにあったかを探ろうと、“りえさんの気持ちは変わらないか”と記者が質問した時には、「うん」と高いトーンで返事をし、唇を軽くなめて身体を引いた。

 続けて“貴関の気持ちが変わってしまったのか”と聞かれると「う~ん」と今度は低い声を出し、わずかに首を傾げる。貴乃花のせいにしたいわけではなく、まだ混乱している内面が溢れたように見える。

 それでも上体を起こし、「恋愛の感情はどちらのせいっていうのは嫌」「悲劇のヒロインになるのは絶対に嫌だから」と微笑んで見せた。悲劇のヒロインという表現から、彼女の気持ちや意志に関係なく破談されたのだろう。だがそうするしかなかっただろう貴乃花の状況も、彼女には理解できたのだと思う。

芸能界は「もう辞めてという気持ちでいた」

 “引退しないのが原因か”という核心に迫る質問を受けると、大きく息を吸って背筋を正し、「宣言しなかったので、引退しないととられたけれど。私の気持ちとしてはもう辞めてという気持ちでいたので」と眉を上げた。

「貴関にも伝えてあったんですけども」と大きく何度も頷いたのは、自分としては意志を伝えたつもりでいたからだろう。

 破局の原因がりえさんの母親にあるという報道についての感想を求められた時は、否定も肯定もせず「自分が何も考えず突き進んでこれたのは、あらゆることから守ってくれた母がいたから」と胸の前で手のひらを広げ、大切な物を抱えるような仕草を見せた。「私がわかっていればいいかな」と笑う。貴乃花だけでなく、母親のことも悪者にしたくないという意識が見て取れる。

 会見の最後に“2人だけの問題ではなく周囲の影響があったのか”と問われると、「こういう愛の形もあるんだな」と大きく頷いた。

「すぐに気持ちが冷めることはないが、整理はつけました」「恋愛はすべて半分半分」「被害者的な気持ちにはならない」「今も後悔していません」と最後まで姿勢は崩さなかった。

 彼女の表情や言葉からは貴乃花への未練は表立って感じられないが、解決へ向けた努力もできず、2人での話し合いも満足にできなかったことへの悔しさが、何度もにじみ出ていた。

〈 20歳の貴乃花が「婚約破棄会見」で宮沢りえへの“未練”を溢れさせた瞬間「仕事を辞めて頂いて、2人でいちから…」 〉へ続く

(岡村 美奈)

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