「いや、俺はそんなに頑張れないよ」と…パリ五輪スケボーで金メダルの堀米雄斗(25)の仲間が語る、彼の“本当の姿”とは
文春オンライン / 2024年7月30日 13時5分
![「いや、俺はそんなに頑張れないよ」と…パリ五輪スケボーで金メダルの堀米雄斗(25)の仲間が語る、彼の“本当の姿”とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/bunshun/bunshun_72439_0-small.jpg)
パリ五輪でも金メダルを獲得した堀米雄斗 ©JMPA
7月29日に行われたパリ五輪のスケートボード男子ストリート決勝で、前回大会で金メダルを獲得した堀米雄斗が7位からの大逆転で、連覇を果たした。最後のトリックで97.08点を叩き出し、合計281.14点をマーク。2位のジャガー・イートン(アメリカ)を0.1点上回った。
漫画の主人公のように劇的でドラマチックな道のり
たまにスーパースターは理屈では語れないという言葉を耳にすることがあるが、堀米雄斗という人物はその典型ではないかと思う。
五輪連覇の道のりは、まるで漫画の主人公のように劇的でドラマチックだった。「持ってる」といえばそれまでなのだが、それだけでは到底語り尽くせない何かが彼にはあるのだろう。
そうでもなければ、何度も大逆転劇を起こすヒーローになれるわけがない。
彼は自身の著書『いままでとこれから』で、これまでの人生を“得体の知れない誰かに導かれているような感覚もある”と記しているのだが、それは彼を長年見てきている人ならものすごくしっくりくる言葉ではないかと思う。
最近はその“得体の知れない誰か”についてものすごく考えるようになった。
今まで自分は彼のストイックなエピソードを何度も聞いてきた。そんな中でも特に印象的だった言葉がある。
堀米のエピソードで特に印象的だった言葉
とある対談で、堀米の昔からの仲間の1人であるスケートボーダーの西宮ジョシュアに「憧れのスケーターは誰?」と質問した時の回答だ。彼は「一周回ってゴメちゃん(堀米雄斗)だね」と答えた。
東京オリンピック後、映像作品制作に取り組んでいた堀米を訪ねてアメリカまで足を運んだ時のこと。彼が見たのは自らが幼き頃に憧れたトッププロと共に活動する堀米の姿。さらにそこには昔から全く変わらない数々のストイックな姿勢があった。その姿を目の前で見させられた時、思わず出たのが「いや、俺はそんなに頑張れないよ……」という感情だったとのこと。
「これが一流なんだと、思わされちゃいましたね。昔から人一倍練習やってたヤツでしたけど、それが今も変わってないのが本当にすごくて。あそこまで結果残しているのに、数々の誘惑にも全くブレずにやり続けているんですよ? それが一番好きなスケーターだって思わされた理由ですね」
彼の本当の姿を知っているスケーターに「憧れのスケーターは?」と聞くと、皆が「堀米くんかな」と答える。「生で観てるとすごさがわかるからなおさら好きになるよね」「やっぱり彼はナンバー1のオンリー1だよ」。このような声を何度聞いただろうか。
一方で仲間想いの素晴らしい人柄も耳に入ってくる。
「友達としてはすごいホーミー(くつろげる仲間)みたいな感じなんです。でもそれを超えて好きなスケーターになったというか、なんか不思議な感覚なんですよね」
ひとりの人間の中に、憧れとしての堀米雄斗と友達としての堀米雄斗、2つの堀米雄斗がいるのだ。
「見えない何かを引き寄せたのは、間違いなく…」
思えば堀米雄斗の周りには、いつも信頼できる仲間がいた。それは彼自身が常に仲間を大事にしてきたからであり、彼のその姿勢がまたいろいろな人の中に堀米雄斗を作ってきたのだろう。今やそれは海を越えて世界中に多くの仲間ができるまでになった。
堀米雄斗はいつも仲間と共同作業をしているような感じがあった。だからこそ個人競技であるはずのスケートボードなのに、彼だけは見えない何かに守られ、導かれるように連覇を果たしたように見えたのだと思う。
そしてその見えない何かを引き寄せたのは、間違いなく彼の多くの人を惹きつける人間力だ。
彼は著書で“得体の知れない誰かに導かれているような感覚もある”と記したあとにこう繋げている。
「結局、スケートボードは“自分”だ。自分のアイデアや想像力が関わっていて、どうなりたいか、どう見せたいかを考えて、それを周りのスケーターやスポンサーが支えてくれる。僕は友達とスケボーするのが大好き。だから練習や怪我が辛くても全然大丈夫。頑張れるのは、ただスケボーが好きなだけという、いたってシンプルな理由だから」
これ以上説得力のある言葉はないだろう。それは彼が今回、新たに身をもって証明してくれたのだから。
(吉田 佳央)
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