1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

「生理は年1、2回。心がバキッと折れる音が聞こえました」鬱になったゆうこす(30)がSNSを通して一番伝えたかったこと《鬱は甘えじゃない》

文春オンライン / 2024年8月3日 11時10分

「生理は年1、2回。心がバキッと折れる音が聞こえました」鬱になったゆうこす(30)がSNSを通して一番伝えたかったこと《鬱は甘えじゃない》

©釜谷洋史/文藝春秋

〈 「ファンイベントに100人のはずが3人。地獄の空気でしたよ(笑)」モテクリエイター・ゆうこす(30)の“波乱と炎上”に満ちた地元・北九州時代 〉から続く

 “モテクリエイター”として順調に事業を拡大し、充実した日々を過ごしていたゆうこすこと菅本裕子(30)。だが彼女の心は徐々に蝕まれていき…。鬱と向き合い、SNSで発信することになった経緯を語る。(全3回の2回目/ #1 、 #3 を読む)

◆◆◆

HKT48を辞めたら物凄く叩かれて炎上して落ち込みました

――12年にHKT48を脱退し、15年に開催された『ミスiD2016』(講談社主催の新時代の女の子オーディション)の準グランプリを受賞すると、インフルエンサーとしても知名度を上げていきました。2016年には個人事務所KOSを設立。その後スキンケアやカラーコンタクト、ライバー事務所など様々な事業も展開していきました。原動力は何でしたか? 

ゆうこす HKT48を辞めたときにすごく叩かれて炎上して、自分では立ち上がれないくらい落ち込んだんです。だから、今はもう何をするにも怖くないというか。興味があることはどんどんやって、なんでも楽しむ力が高くなってるんだと思います。

――ライブ配信など新しいジャンルにも挑戦されました。

ゆうこす やってみたいなって思うことは一回コンパクトにやってみて、いけそうだと思ったら一気に力を入れて形にするのが楽しいんですよ。アイドル時代とはまた違う戦い方というか、自分でプロデュースして結果が見えていくのも新鮮だったし。

――現在は年商21億円で、社員の方もたくさんいらっしゃいますが、ここに至るまで精神的にきつかった時期もありましたよね?

ゆうこす 社員が増え始めたくらいのタイミングですかね。2、3人で始めた会社が5、6人になったあたりかな。社員が増えて評価面談でもみんなのことをわかってあげられてないなとか、辞めちゃう子もいてウゥ…ってなったし。人の人生を預かる責任感とか、自分が就職したことがないまま人を雇っているので、いっぱいいっぱいになっちゃったんだと思います。あと体力がない。時間がない。生理も年に1、2回しか来なくなって気づいたら気持ちがバキってなっちゃって。本当に、「バキッ」という音が聞こえるんですよ。その頃から精神科に通ってます。

「鬱の人って自分が鬱って気づかない。私もそうでした」

――精神科を受診するきっかけを教えて下さい。

ゆうこす 鬱の人って自分が鬱って気づかないって言いますけど、私もそうでした。今思えば不安が募ると怒りっぽくなったり、社員へのアタリも強くなってしまったこともあったりして、当時付き合い始めた今の夫が、ちょっと病院行った方がいいと言ってくれたんです。

――不安症状の一つなのか、一人でトイレやお風呂に行くことも厳しかったと伺いました。

ゆうこす それは子どもの頃からですね。会社を立ち上げた後の鬱の症状半分と、子どもの頃から不安な部分もあって、鬱がバーン! とくると、元々あった症状も相対的に増える感じで。精神病ってあなたはこういう病気ですよってなかなか病名がつけられないと思うんですね。色々な要素が複雑に入り組んで、鬱とかパニック障害になるんでしょうけど、自分も一つではなかったと思います。

 トイレに関しては、子どもの頃から一人でトイレに行けなくて、19、20歳の頃も実家にいたときは弟についてきてもらったり、深夜になると父についてきてもらったり。学校のトイレは、休み時間は、女子はだいたいトイレに群がっているので大丈夫なんですよ。でも授業中に1人で教室を抜けてトイレに行くのは絶対無理! お風呂も家に誰かいれば大丈夫なんですけど、自分しか家にいないときは入れませんでした。

 あと、家にいるときは家中の鍵をかけるんです。でも、かけて5分後には本当にかかっているか確認しにいって、その後も何回も点検しないと怖くって。当時は窓を開けっぱなしにするとパニック状態だったと思いますね。

――誰かに相談などされましたか?

ゆうこす 子どもの頃からそうだったので、私的には当たり前のこと、みんなもそんな感じだろうくらいに思っていたんです。当時はSNSもやってなかったから情報も入ってこなかったし、病気っていう概念もなかったですね。親も「ゆうこは怖がりだなぁ」くらいに感じていたんじゃないかな。

――外出は大丈夫でしたか?

ゆうこす 地方出張するときは、今でも一人でビジネスホテルに泊まれないです。スタッフに帯同してもらい、一緒に部屋で寝てもらっています。申し訳ないのでなるべく良いホテルに泊まるようにしています(笑)。

鬱や精神科に通っていることをSNSで発信するワケ

――精神科医を受診する際、いくつかの病院を回られたそうですね。

ゆうこす 合う合わないがあるからいくつか回って、三つ目の病院が自分にはヒットしました。始めの病院はカウンセリングがほぼ無かったのと、大きい病院だと担当の先生がよく変わるので、カルテに情報が載っていても毎回同じことを喋らないといけないんです。でも、今通っている病院は個人の病院でずっと同じ先生が診てくださるのと、先生が人として好きだっていうのもありますね。お医者さんには幼少期のトラウマだと言われましたが、それが何かわからないので、恐怖心を和らげるお薬をもらっています。精神科に通って5、6年経ちますが、今も月一くらい定期で受診していて、今はだいぶ安定しているし調子もすごくいいです。

――なかには鬱や精神科に通っていることを隠したいと思う方もいるようですが、ご自身の状態をSNSで発信されたのはなぜでしょうか?

ゆうこす 精神科を受診する前は、精神科に通うことって私的にはすごく衝撃的なことだと思っていました。実家が北九州の田舎で、地方では精神科とか婦人科にいくことが恥ずかしい。今思うと「なんやそれ!」って思うんですけど、あまり人に言える雰囲気ではなくて、本当にまずい状態になったら行くイメージ。だから私はまだ行くような状態じゃないと思ってたんですけど。

 あと、どこかで「鬱は甘え」みたいに思ってたんでしょうね。でも、実際精神科を受診してみると、話を聞いてもらうだけなんだ、幼少期の頃をこんなに聞かれるんだ。注射はしないんだって初めて知ることも多くて驚いたし、カウンセリングって何? って気になってる人もいるかと思って発信しました。

今はすごく健康的に過ごせています

――発信されて反応はいかがでしたか?

ゆうこす 発信をきっかけに私も受診してみたとか、自分自身の心身を気に掛けるようなコメントもあって良かったなと思います。あまり悪いコメントはなかったですね。

 今は、体を整えると心も整うことも実感しているし、すごく健康的に過ごせています。もちろん気持ちが落ち込む日も普通にありますけど、その日は泣いて、また次の日から頑張ろうとなってるし、今はとても状態がいいですし、ここからはもう下がることはないし、右肩上がりにしかならないと過ごしています。

撮影 釜谷洋史/文藝春秋

〈 「死ね、とかハードな意見も飛んできて…」誹謗中傷にさらされ続けるゆうこす(30)が、それでもSNSをやめないワケ「コメントは全部読んでます」 〉へ続く

(松永 怜)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください