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トトロにネコバス、ヤックルや湯婆婆もそこにいる! ジブリパークとジブリの世界へ迷い込む展覧会

文春オンライン / 2024年8月2日 6時0分

トトロにネコバス、ヤックルや湯婆婆もそこにいる! ジブリパークとジブリの世界へ迷い込む展覧会

ネコバスとトトロ ©Studio Ghibli

 子どもが夢中になれるのはもちろんのこと、大人も童心に返って楽しめる。そんな夏休みにうってつけの展示が、東京・天王洲で開催中だ。寺田倉庫B&C HALL/E HALLでの「ジブリパークとジブリ展」。

ジブリ作品の名場面が三次元化されて現れる

 ジブリパークといえば、スタジオジブリ作品の世界観を表す公園として、2022年11月に愛知県で開園。地域随一の人気観光地としてすっかり定着している。

 パークの制作を指揮したのは、スタジオジブリ・宮﨑駿監督の息子にして、自身もアニメ映画『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』をつくってきた宮崎吾朗監督。今展は、吾朗監督のもとジブリパークがどうつくられていったのかを、たくさんの資料や実物を見せながら明らかにしようという趣向だ。

 とはいえ、そこはエンターテインメントを知り尽くすスタジオジブリのやること。小難しい話はさておき、まずは足を運んだ観客を楽しませることに徹してくれている。

 会場へ足を踏み入れるといきなり、『となりのトトロ』でおなじみ、ネコバスとトトロがお出迎えしてくれる。どちらもほぼ実物大(?)で、存在感たっぷり。ふかふかした素材でできており、親近感が湧く。あいだに挟まって記念撮影もできそう。

 こうした立体展示は、会場内にいくつもある。インパクト絶大なのは、ジブリパーク内「ジブリの大倉庫」にある「にせの館長室」の特別バージョンとして設けられた一角。散らかった館長室に陣取る主は、『千と千尋の神隠し』の湯婆婆である。こちらも実物大だろうか、迫力満点だ。うつむいて書きものをしている湯婆婆が、いつ顔を上げてこちらをにらんでくるかとヒヤヒヤしてしまう。彼女と目が合ってしまえば、『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋がそうだったように、名前を奪われてしまうかもしれないので注意が必要だ。

『千と千尋の神隠し』からはもう一場面、水上を走る電車内の光景も三次元化されている。車内では人気キャラクターのカオナシが、ぽつりと席に座っている。映画の該当シーンでは、カオナシの横に千尋が座っていたはず。席が空いているということはそう、観客が千尋の代わりに座って、カオナシとのツーショット写真を撮れるようになっている。

 ジブリパーク内「魔女の谷」にある「メリーゴーランド」の一部も、今展会場内に再現された。『もののけ姫』に出てくるヤックルと山犬が並んでおり、またがって乗り心地を試せるようになっている。

 アニメ映画で観た世界が立体となって眼前に立ち現れると、キャラクター造形のユニークさや的確さをはっきり感じ取れる。「なんとも愛らしい」「不気味そのもの」など各キャラの個性が、言葉ではなくカタチでみごとに表されている。

 空間を彩る色の多様さと鮮やかさにも驚く。スタジオジブリ作品のオリジナリティは、独特の色合いによっても支えられていると、改めて気づかされる。

施設をつくる過程で用いられたスケッチ等も展示

 宮崎吾朗はジブリパークに先んじて、東京・三鷹にあるジブリ美術館の創設にも携わった。両施設をつくる過程で用いられたスケッチ、設計図、オブジェの試作品なども、今展示会場には多く並ぶ。

 ジブリパークには『耳をすませば』に出てくる古美術店「地球屋」を再現した建物がある。室内を飾るオブジェやからくり時計も丁寧に制作されており、それらがつくられたであろう時代背景に至るまで細かく想定・考察したことが、図面や修整指示の書き込みから読み取れる。

 パークの一角に建つ『となりのトトロ』「サツキとメイの家」の巨大模型や平面図も同様だ。アニメ映画のストーリーに合わせて、建物自体は昭和10年代の建築様式を、調度品は昭和30年代の生活様式を踏まえてある。

 アニメ映画を観ながらだれもが痛いほど感じていたであろう、スタジオジブリの妥協なきものづくりの精神が、ジブリパークやジブリ美術館をつくる際にも大いに発揮されたことが見てとれる。

 宮崎吾朗監督映画『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』に関連したイメージボードや資料なども展示してある。アニメ映画のつくり方の一端が知れるのは、作品ファンにとってうれしいところだ。

不思議な世界観はやはり唯一無二

 会場をひと巡りすると、スタジオジブリ作品全体に通ずる特長が、浮かび上がって見えてくる。目の前にある一つひとつのものごとはずいぶんバラバラで、かつ何の変哲もないものばかり。でも、続々と現れるそうした事物や出来事との出逢いを積み重ねていくと、いつしか楽しげな世界に没入し抜け出せなくなっているのである。

 雑多なものが寄り集まって共存している、ジブリの不思議な世界観はやはり唯一無二だ。改めて強くそう感じさせる展示だ。ジブリパークやジブリ美術館へのあこがれと、実際に足を運びたいという気持ちも、むくむくと湧き起こってきてしまう。

INFORMATIONアイコン

ジブリパークとジブリ展
6月28日~9月23日
寺田倉庫 B&C HALL/E HALL
今後、青森・岡山へ巡回
https://ghiblipark-exhibition.jp/

(山内 宏泰)

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