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《我々は「党の歯車」となってしまってはいなかったか》次世代リーダー3氏が共同で「自民党改革試案」を発表

文春オンライン / 2024年8月8日 8時30分

《我々は「党の歯車」となってしまってはいなかったか》次世代リーダー3氏が共同で「自民党改革試案」を発表

左から小倉將信氏、大野敬太郎氏、福田達夫氏 ©文藝春秋

 自民党総裁選が約ひと月後に迫るいま、今後のリーダーとして期待が集まる当選4回生の衆議院議員、福田達夫(57)、大野敬太郎(55)、小倉將信(43)の3氏が、「 自民党改革試案 」を 月刊「文藝春秋」 に発表した。

「社会の代表であることの謙虚さを失い……」

《この総裁選での重要な論点は、誰が総裁になるかではなく「どんな自民党にするか」だ。自民党という古びた組織(ビークル)の改革、そして改革を果たした自民党がどのような社会と国家、そして世界を目指すのかを、議論の中心に据えるべきだ。それぞれの総裁候補は明確な「党改革ヴィジョン」を打ち出さなければならない》

 昨年11月、派閥による政治資金パーティを巡る裏金問題が発覚してから約9カ月。7月のマスコミ各社が報じた岸田文雄内閣の支持率は軒並み20パーセント台で、自民党への国民の信頼は大きく崩れた。

 だが、3氏が党改革を断行しなければならないとの思いに至ったのは、この問題が明るみに出る前のことだという。

《政権奪還から12年という長い月日が経つ間に、国家運営に関わることに馴れ、社会の代表であることの謙虚さを失い、党内組織の中でそれぞれの役割を果たすことに埋没し、政府の政策に関与さえしておけば仕事をしたと思いこんでいたのではないか。今回の事件でも、責任を取るべき者が責任を取ろうとする政治家としての姿勢に欠けていた。我々自身も、よく言えば組織人、強烈な自戒を込めて言えば、「党の歯車」となってしまってはいなかったか――》

「73歳定年制」、女性議員の「クオータ制」提案

 改革試案は、「1.政治とカネ――党ガバナンスの強化」「2.派閥なきあとの政策集団」「3.世代交代・女性活躍」「4.リーダーシップの再構築」の4部構成。

 例えば、世代交代については、衆議院選挙の比例代表で73歳以上の候補者を認めない「73歳定年制」の厳格適用を訴える。

《十分な説明がないまま一部の幹部を対象に例外が乱発されてきた実態がある。今後、まずは定年制の厳格適用を求めたい。そして例外を認める際には、十分な説明がなされること、国民の納得に基づく意思決定がなされることが不可欠だ》

 また、女性議員を増やすための施策として「クオータ制」の導入を提案している。

《我々は、比例代表選挙の候補者(非重複候補)の30%以上を女性にする「クオータ制」の導入を提言する。

 小選挙区との重複立候補が多い衆議院の比例代表については、各ブロックの名簿単独1位に新人の女性候補を据え、累積的に女性議員を増やしていく。あわせて、都道府県連ごとに女性の国会議員数の目標値を設定することも検討する》

安倍元首相なき党内は「権力の空白」

 そして、安倍晋三元首相なき現在の党内情勢を「権力の空白」と表現し、リーダーシップの再構築を提言する。

《政権担当可能な複数のチームを常に準備し、またデータ時代に相応しいデバイスも活用し、切れ目ないリーダーシップを提供する。そうしたチームが日常業務のなかで適切なリーダーシップを育めるような強い党組織が目指されなければならない。このような組織形態にすることによって、変化の時代への対応の迅速化や、突発事態への対処力の向上をはじめ、我が国の政治力全体の向上に繋がると考える》

 ほかにも、今回の「政治とカネ」の問題の再発を防ぐための、問題対応プロセスの確立、派閥に代わって定義された「政策集団」のあるべき姿など、次世代を担う中堅議員3氏の、熱い提言が12ページにわたって展開されている。 「私たちの自民党改革試案 」は、8月9日発売の月刊「 文藝春秋 」9月号に掲載されている( 電子版は8月8日公開 )。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2024年9月号)

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