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阪大大学院卒→上場企業に就職→32歳でセクシー女優に…デビューまでの“葛藤”「借金あるの?」「事務所にだまされてない?」

文春オンライン / 2024年8月11日 10時50分

阪大大学院卒→上場企業に就職→32歳でセクシー女優に…デビューまでの“葛藤”「借金あるの?」「事務所にだまされてない?」

藤かんなさん

 大阪大学大学院の理学研究科を修了し、上場企業に勤め、32歳でセクシー女優に転身した藤かんな氏(34)。AV出演が会社にバレてクビ、バレエ教室の講師もクビ、それらの事実をSNSに投稿したことで“炎上”も経験した。彼女はなぜアダルト業界に飛び込み、女優として生きる道を選択したのか。(全3回の1回目/ #2に続く )

◆ ◆ ◆

「何でAVなの?」とよく聞かれるけど…

――著書 『はだかの白鳥 阪大大学院卒でAV女優に』 (飛鳥新社、2024年5月刊)が4刷ということで、話題ですね。

藤かんな(以下、藤) すごく嬉しいです。AV女優になるまでの葛藤やAV女優になってからの経験、喜び、怒りをこの本に吐き出しました。

――大阪大学大学院の理学研究科を修了した後、上場企業に勤めていた藤かんなさんが、なぜAV女優になったのかを聞かせてください。

 「何でAVなの?」と、よく聞かれます。「事務所にだまされてない?」とか「ワケありで無理やりやらされてんの?」とか、「借金があるの?」とか。でも、私自身は会社に勤めている時から「何で?」と思うほどの壁を感じていませんでした。身一つでやるところがアスリートっぽくてかっこいいな、くらいに思っていました。じゃあ、「なぜAV女優になったか」と聞かれると、これはなかなか一言ではまとまらなくて……。

――最初にAVに触れたのはいつですか?

 初めてAVを見たのは、20歳の時です。当時の彼氏と行ったホテルで見ました。女性の身体って綺麗やなーと思って、ドキドキしました。繰り返し見ているうちにふと、「この人やったら私の方が体、綺麗やな」とか「この女優さんやったら私の方が勝ってるな」なんて、考えるようになったんです。

 私は、幼いころからバレエをやっていて、高校に入るまでずっとバレエと学校だけの生活でした。高校の時、バレエに限界を感じて勉強に専念するため、通っていたバレエ教室を辞めたんです。初めてバレエから離れて、高校で入った陸上部の部活仲間と初めて性的な話をしました。みんなそういうことに興味津々の年頃で、「血が出るらしいで」「むちゃくちゃ痛いらしい」って。その話をそのまんま信じて、付き合っていた彼氏がいたのですが、「高校生のうちに入れるとかは絶対に無理!」と思っていたんです。

デビュー前は化学メーカーの研究職

――20歳の頃、ご自身の中で変化はありましたか?

 文字通り、性欲が爆発しました。ピークは社会人3年目の頃です。マッチングアプリを使ったり、社内の男性とも関係を持ったり、色々な男の人と会うようになりました。求められるのも喜ばれるのも嬉しくて、不特定多数とすることにあまり罪悪感はありませんでした。その時々に会う男の人たちから、調子よく言われてるだけっていうのはわかってはいたけれど、認められることが嬉しかった。

――デビュー前は、化学メーカーの研究職として仕事をしていたんですよね。

 そうです。入社当初は「自分の携わる研究分野で一番を取りたい」という野望を抱いていました。しかし、いざ入社すると目の前の業務をこなすだけで精いっぱいで、上司からは「君がいなくても仕事が回るから」と言われました。真面目すぎる私を心配して言ってくれたのでしょうが、この言葉は深く心に刺さりました。自信を失い、自分で自分を「劣等生」と責めていました。そんな日々の中で、私にとってセックスは唯一、自信が持てる行為だったんです。

 一方で、男性との関係に逃げれば逃げるほど、徐々にむなしさも感じるようになりました。仕事の合間に緊急避妊ピルをもらいに病院に行った時、ふと、「私、何やってんのやろ」って。その時に「こんな消耗させられるくらいなら、いっそこれを仕事にしたらどうかな」と考え始めたんです。

――そう考え始めて、最初からAV女優になろうと?

 いえ、最初は性風俗で働くことを考えました。ちょうど街でスカウトされたので、付いていってみると、その風俗店のオーナーが私を見て「君はこの店でおそらくトップを取れると思う。ただ、知らなくていい世界もある。1回考えてみなさい」と言われ、帰されたんです。調べてみると、風俗は病気のリスクが高く、本番はできないことを知りました。私は、どうせやるなら最後までしたいので、ここは私の求めているものとは違うな、と。

AV業界に入った“引き金”

――それからAV業界に入るまで、何かきっかけがあったんですか?

 しょうもないんですけど、最後の引き金は、彼氏にフラれたことです。別にその彼にすごく執着があったわけでもないけれども、年下ですごくチヤホヤしてくれて、私にはそれが新鮮でした。それが付き合って数カ月経った頃、いきなり冷水を浴びせるように、一方的に振られたんです。振られたのは人生で初めてで、傷ついたと同時にめちゃくちゃ腹が立ちました。正直言うと、半ば自暴自棄だったんだと思います。

――自暴自棄になって、他の選択肢もある中、AV女優を選んだ理由は?

 小学校に入る前に「私はバレリーナになって世界のトップになる」って本気で思っていましたし、院生の頃は、「学者を極めようかな」と考えたこともあった。一生のうちに「何かの第一人者になりたい」「何かで一番になりたい」という欲望がずっとあります。でも私自身は器用貧乏というか、何でもそつなくこなせるけれど、バレエでも学業でも仕事でも一番になれない。いつも中途半端で、スポットライトを浴びられない。でも、AV女優ならば勝負できるんじゃないかって。それに、会社員とは別の顔、「裏の顔を持っている」ということになぜか昔からすごく憧れがあったんですよね。

――会社にいた頃の自分と今の自分、どっちが好きですか?

 迷いなく今の自分です。世の中の常識からしたら、大学院出て就職して、AVに転身するのは珍しいし変わっている……というネガティブなイメージなのかもしれないですけど、私の中ではずっと平行線のままで生きています。何なら、ちょっとフェーズが上がったな、くらいに思っています。私が取り組んできた「バレエ」や「院卒」が売り文句になって、そのギャップに価値があることもAV女優になってから気づかせてもらいました。

――AV事務所への面接は一人で決めて一人で調べたんですか?

 はい。面接を受けるにあたり、就職活動並みに何度も自己分析をしました。私は10歳の頃から毎日日記をつけているのですが、この時の日記を読み返すと「一度きりの人生、やりたいことをやる」「ここでやらなければ、きっと後悔する」と書きながら、「両親が悲しむだろうって思ってるのに、なんでそこまでしてAVしようとするんだろう」と、葛藤する内容が綴られています。後悔はまったくしていませんが、実は今も自問自答しています。

撮影=原田達夫/文藝春秋

〈 「女のクズ、人間のクズ」とSNSで誹謗中傷も…AV出演が会社にバレてクビ、バレエ教室の講師もクビになった“壮絶な顛末” 〉へ続く

(小宮山 あき)

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