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「両親にはまだ言えていない」上場企業に就職→32歳でセクシー女優になった藤かんなが語る“家族関係”と“将来への葛藤”

文春オンライン / 2024年8月11日 10時50分

「両親にはまだ言えていない」上場企業に就職→32歳でセクシー女優になった藤かんなが語る“家族関係”と“将来への葛藤”

藤かんなさん

〈 「女のクズ、人間のクズ」とSNSで誹謗中傷も…AV出演が会社にバレてクビ、バレエ教室の講師もクビになった“壮絶な顛末” 〉から続く

 大阪大学大学院の理学研究科を修了し、上場企業に勤め、32歳でセクシー女優に転身した藤かんな氏(34)。AV出演が会社にバレてクビ、バレエ教室の講師もクビ、それらの事実をSNSに投稿したことで“炎上”も経験した。「両親へセクシー女優になったことをまだ言えていない」という藤氏が、家族との関係性や自身の将来に対する葛藤を明かす。(全3回の3回目/ 初めから読む )

◆ ◆ ◆

「AV女優の自分」と「両親の娘である自分」

――2022年7月にAVデビューをしてから2年。昨年には大阪から東京へ活動の拠点を移しています。今、東京での暮らしはどうですか。

藤かんな(以下、藤) すごく充実しています。月に1回の頻度で撮影があって、それ以外は家にこもって黙々と日記や文章を書いています。上京する時は不安で怖かったですし、東京にいるからって遊んだりするわけではないのですが、東京にいると気持ちが奮い立つんですよ。同じ業界の人たちの間に身を置く方が士気が保てるというか、実家に帰ると色々考えてしまうので、このお盆は帰省しないでおこうかなと……。

――実家に帰ろうか、迷っている理由は?

 実家にいたら、今の熱量が削がれるような感じがするんです。安心できる場所だからこそ、「もういっそ実家に帰って、会社の事務かスーパーのレジ打ちもありなんかな」って揺れちゃう自分がいてゾッとします。東京での暮らしが充実すればするほど、AV女優である自分と両親の娘である自分との乖離をひしひしと感じます。昨年末に帰った時は、そこまで苦しくなかったんですけど、今年の5月の連休は、「もうここにおったらあかんわ」と思ってしまいました。

――毎回、別れ際にお母さんが涙されるそうですが、その姿を見てどう感じますか。

 もうそれは「お約束」なんです。母の涙は何よりもつらいです。まともに向き合っていたらこっちの身がもたないので、「この涙はお約束」と思うようにしています。

摂食障害も…一時は食べると吐くように

――どんなご家庭で育ちましたか。

 母は専業主婦で、父は営業をやってきたサラリーマンというごく普通の家庭です。両親ともに文系ですが、私と兄はなぜか理系に進みました。母はよく「トンビが鷹を産んだわね」と言うんですよ。

――両親から「こんな風に育ってほしい」というようなプレッシャーを感じたことは?

 ないです。「勉強しろ」と言われたこともないです。逆に「バレエもいつでもやめていいんやで」「たまにはボーっとしいや」と、言われてきました。私自身の完璧主義は、両親が原因でなく、もともとの性格なんだと思います。

――著書 『はだかの白鳥』 (飛鳥新社、2024年5月刊)では、ご自身の摂食障害について触れていますね。

 実はまだ引きずっています。最初は中学生の時、バレエに熱中するあまり体重を絞ろうとして、ご飯を食べられなくなったことが始まりでした。この病気はなかなか治るものではありません。大学院で研究室に入った時は、食べると吐くようになっていました。ドクターや教授にダメ出しをされて、自分を追い込んでいる時でした。就職してからも波はあって、今も気持ちに負荷がかかると、摂食の問題は出てきます。

――AV女優になってからの精神状態はどうですか。

 とても楽しいですし、やりがいを感じています。SNSでの反響やこの本のように、できることをとりあえずやって、それが色々な方向へ広がっていく感じが私にとってはすごく新鮮です。長らく数学や科学の世界で生きてきたので、答えはいつも1つでした。でも今はそうじゃない。わからないことでも、とにかくどんどんやってみる、どんどん書いてみる。答えを1つに定めないでいいと教えてもらっている気がしています。

将来への“葛藤”

――著書にはAV女優になる時に「結婚や彼氏を諦めていた」と書かれています。

 そうですね、いつか子供を産んでみたいと思っています。それに付随して、恋人ができて結婚できたらいいなとも思います。でもそれは非常に難しい。実際、AV女優になる前に知り合った年上の男性がいたんですけど、あと一歩、「付き合いましょう」という話にならないので、「彼氏彼女の関係になれないのは私がAV女優だからですか」って聞いたんです。そうしたら「そうです」とはっきり言われました。もちろん相手の言い分もわかるし、私も今すぐ結婚するのは無理です。それでもいつか引退した先に、結婚して出産できたらいいなという願望を持っています。

――会社を辞めたこと、AV女優になったことをまだ話せていない親御さんが、この本を見ることを想像したことはありますか。

 あります。というかずっとそれを考えながら書いていました。書いている段階では「この本をいつか両親に渡したい」という気持ちもあったんです。これを読めば、AV女優になったショックよりも納得してくれる部分の方が大きいんじゃないかなって。でも、今は知らないなら知らないままで、そのままいてくれた方がいい、と思い直しました。

――思い直した理由は?

 最初は、「この仕事を選んだ私の気持ちをわかってほしい」と思っていたんです。でも、それは自分のエゴのような気もしてきて……。両親からしたら、娘がセックスを生業にしていることを突然告げられて、これから先の何十年、抱え続けて生きるのは酷です。知らないまま、このまま幸せでいてほしいと。

娘がAV女優だと知ったら

――娘がAV女優だと知ったら幸せではなくなると思いますか。

 うん……。そうですね、私はそう思ってしまいます。私の父は、私が高校生の時に彼氏と歩いている所を見ただけで、1週間口をきいてくれなかったほど堅い人。過保護すぎるくらいに大事に育ててもらいました。私は「AVに偏見はない」と言っているわりに、両親に自分のやっていることが言えません。自分の中にいつまでも矛盾があって、そこをずっと行き来している気がします。

――これからもご両親が知ることはないのでしょうか。

 もし気がついてしまって、私に聞いてきてくれたら、そこできちんと話します。自分からあえて言うことはしません。兄とは世代も近いので、もしかしたらいつか腹を割って話す日がくるかもしれませんが、両親にはできたら一生隠し通したいです。母はよく私に「あなたが元気で幸せなら、それだけで良い」と言います。だから私は、これからずっと元気で幸せでいようと思います。

撮影=原田達夫/文藝春秋

(小宮山 あき)

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