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「あれほどひどい会場ははじめて」妻&子供と炎天下を歩かされて…本当にあった“ヤバい夏フェス”

文春オンライン / 2024年8月12日 17時0分

「あれほどひどい会場ははじめて」妻&子供と炎天下を歩かされて…本当にあった“ヤバい夏フェス”

※写真はイメージ ©AFLO

 今年も各地で大きな盛り上がりを見せている音楽フェス。しかし、慣れない土地で数万人規模の観客が会場に出入りするとなると、不測の事態も避けられない。それゆえ、思わぬトラブルに見舞われた人も多いようだ。

妻と子どもを連れて行ったが…炎天下を30分間歩き続けた

 キャンプなどのアウトドアを兼ねてフェスを楽しむ人も多い。近藤秀夫さん(仮名・42歳)もそのひとりだが、「あれほどひどいフェス会場は初めてでした」と自身の体験を語ってくれた。

「『キャンプをしながらライブを楽しめる』という夏フェスが、関東で開催されていたので、妻と子どもを連れてレンタカーで向かったんです。駐車場に車を停めるまではよかったですが、そこから会場まで2キロ近くも歩かなくてはなりませんでした。

 しかも、道がものすごくデコボコしていて、テントやクーラーボックスを入れたキャリーバッグのタイヤが道中で破損。やむを得ず出店で売っていた1万5000円のキャリーを買いましたが、炎天下を30分ほど歩き続けて、会場に着く頃には家族揃ってヘトヘトでした」

 大汗をかきつつ、なんとかテントの設営などを行いライブを見始めたのだが……。

スタッフが誰もいない

「死ぬほど暑いんですが、会場には陰になる場所が全くなかったんです。日中だけでなく、夜は地熱がすごくてテントの中も猛烈な暑さに。とても眠れませんでした。

 しかも、隣のテントにいた若者たちが夜通しどんちゃん騒ぎをしていてうるさくて。運営スタッフに言って注意してもらおうかと思ったんですが、巡回のスタッフが誰もいないんですよ。普通、そういうイベントだと緊急事態に備えて、スタッフが常駐するはずですが……。

 年に数回のイベントであるフェスでは、スタッフが慣れていなかったり、その場しのぎのルールのみで運営されてしまったりすることもあるのかなと思いました」

 昨年8月に行われた音楽フェス「MUSIC CIRCUS’23」では、観客による女性DJへの性加害が問題になったが、この事例は氷山の一角なのだそう。フェス歴20年の和田圭介さん(仮名・46歳)は、こう語る。

「天候が乱れやすい山間部のフェスでは、防寒着や雨具を着ていて意外に厚着の参加者が多いのですが、都市部のフェスは薄着で肌を露出している人も。そうした女性を狙った痴漢行為が多発しているようです。

 ほとんどのフェスでは運営が『痴漢行為は犯罪。警察に引き渡します』などと注意喚起をしていますが、満員電車と同じようにパフォーマンス中やステージ間の移動など、混雑していて周囲にバレにくいタイミングが狙われやすい。スタッフの取り締まりが間に合わないことも多いので、十分注意してほしいです」

「3日間で5人とセックスした」という投稿も…

 非日常の空間を味わえるフェスだけに、羽目を外してしまう人も多いのだという。

「2015年には『フェスの3日間で5人とセックスした』という匿名女性のSNSの投稿が拡散され、未だにたびたび話題になっていますが、実際、某フェスのテントサイトは自由な雰囲気があり、見ず知らずの男女が夜な夜なフリーセックスを楽しんでいるとか……。

 たとえそうしたイメージを抱く人がいたとしても、セクハラや痴漢といった加害行為まで許容されるなんてことはもちろんありませんよね。高揚する気持ちも分かりますし、個人的には適度であれば羽目を外すのもいいと思いますが、フェスは決して“何をやってもいい場所”ではないことを忘れないでほしいです」

参加者同士の“相乗り”で起きたトラブル

 フェスまでの道中でもトラブルは発生する。フェスでは会場までの交通手段が限られる場合が多いため、参加者同士で相乗りなどをして会場まで向かうことがよくあるという。そこでよからぬことを考える輩もいるのだ。年に数回はフェスに参加するという山下香織さん(仮名・44歳)は、友人女性であるAさんとの恐怖体験を話してくれた。

「Aちゃんと山間で行われる夏フェスに参加したときのことです。彼女と私は別々で会場に行き、現地で待ち合わせることにしていて、Aちゃんは『ネットで知り合ったという同じフェスに参加予定の30代男性2人組の車に乗せてもらう』と、都内近郊から会場に向かっていたんです。

 Aちゃんが乗った車は和気あいあいとした雰囲気で、楽しげに会場に向かっていたところ、車は会場近辺のコテージ風の建物に到着。どうやら、男性の別荘とのことで、Aちゃんは、『荷物とか置いて行きなよ』などと部屋に入るよう促されたそうです」

 しかし、男性たちが一向に会場に行くそぶりを見せないことをAさんは怪しみ、早く会場に連れていくよう男性陣に求めた。それでも、のらりくらりかわす男性に痺れを切らしたAさんは、彼らに食ってかかったという。

「もし自分だったら……」と背筋が凍った

「Aちゃんは護身術を身につけていたので、物怖じせずに男たちの胸ぐらを掴み、『おい、テメエら、どういうつもりだ⁉︎』と凄んだそうです。男たちはAちゃんの喝破に気圧されたのか、顔面蒼白で『すみません、イタズラしようとしていました』と白状して謝罪。

 無事に解放されて事なきを得たそうですが、誰もが彼女のように強気で対抗できるわけではないですし、相手は成人男性2人。身の安全は決して保障できなかったと思います。『もし自分だったら……』と思うと背筋が凍りました」

メインステージに到着するまで1時間近くかかった

 篠原孝さん(仮名・45歳)は、ある有名フェスでの“惨状”を振り返る。

「イギリスの伝説的ロックバンド・Radioheadがヘッドライナーということで、なんとしても生で聴きたく、関東在住でしたが関西まで遠征して参加した夏フェスでした」

 それまで何度もフェスに参加してきた篠原さんだったが、会場入りから違和感を抱いていた。

「入場口で、入場パスの代わりになるリストバンドの交換があるのですが、そこで30分ほど待たされました。他のフェスのスタッフなら数秒で交換してくれるんですが、このときは渋滞ができていたので『これ大丈夫か?』と。

 さらに入場口からメインステージまでは1キロ以上の距離を歩かなければならない会場設計。おまけに導線も非常に悪かったのが問題でした。メインステージへの出入り口が1つだけだったので、人がかなり滞留していて全然進まず、到着まで1時間近くかかりましたね」

 さらにはこんなトラブルも。

トイレ不足で会場の隅では男性が…

「驚いたのはトイレの少なさ。1000人ほど観客が入るメインステージ付近でも、男子トイレは8個ほどしかなかった。女子トイレは男子の倍ほどはあったと思いますが、それでも全然足りなくて、実際、かなりの行列ができていました。中には会場の隅で立ちションしている男性もいました」

 運営に多少の違和感を抱きながらも、21時過ぎに目当てのRadioheadの演奏は終了。帰路につくことにした篠原さんも最寄り駅までのシャトルバス乗り場へと向かった。しかし、ここからが地獄の始まりだった。

深夜まで帰宅できなかった

「乗り場で待っていても、遅々としてバスが来なかった。1000人以上いる列はまったく進まず、最寄り駅の終電時間になっても乗れませんでした」

 タクシーを捕まえるなどして帰っていく人もいたが、篠原さんは大人しく、バスを待つことにした。篠原さんだけでなく、まだ500人ほどが会場に取り残される中、24時を回った頃にようやく運営からアナウンスがあった。

「運営の人が出てきて、『お客様の数とバスの台数が合っていませんでした。この度は誠に申し訳ございません。タクシー代を全額出すので、タクシーを用意します。必ずみなさんをご自宅まで帰らせます』というようなことを告げられました。それでもタクシーはなかなかやってこず、結局乗れたのは深夜1時すぎでしたね」

 日帰りすることを諦めた篠原さんは、現地のホテルに1泊したのだが……。

「夏休み期間だったということもあり、ホテルの空きを探すのも一苦労でした。ようやくホテルにチェックインした頃には、深夜3時。2時間くらい仮眠して、朝イチの新幹線で関東へ帰りました。あんなに疲労困憊した日はありません。

 あれ以来、このフェスには行ってないですね。おまけにRadioheadもライブで大盛り上がりするお気に入りの曲『Creep』を演奏せず、なんだかなあと(笑)。ある意味、一生忘れられないフェスになりましたね」

 全身で音楽を浴び、非日常的な体験ができる音楽フェスだが、思わぬトラブルに巻き込まれないよう用心してほしい。

(清談社)

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