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「なんで女性器の名称は言っちゃいけないの?」ラランド・サーヤが問いかける、日本の“性”の現在地――てれびのスキマ「テレビ健康診断」

文春オンライン / 2024年8月9日 19時0分

「なんで女性器の名称は言っちゃいけないの?」ラランド・サーヤが問いかける、日本の“性”の現在地――てれびのスキマ「テレビ健康診断」

※写真はイメージ ©takasu/イメージマート

「なんで、まんこって言っちゃいけないんだろうね?」ピー音の修正など一切なく、そんなラランド・サーヤの一言が、NHK Eテレの『はなしちゃお!』で放送された。サーヤは、男性器の名称はバラエティ番組などでも、多少の修正は入るにしても普通に発言されるのに、女性器の名称は「禁句」のように扱われるのが、純粋な疑問だと言うのだ。『はなしちゃお!』は2022年から不定期に放送され、「性と生の学問」という副題のとおり、「セックス×薬史学」「生理×生物学」「包茎×比較文化学」など、「性」についての話題を学問的視点で扱ってきた。

 そして、「2024夏号」と題された今回、1週目に「裸×社会心理学」「女性器×生物学」、2週目に「夜ばい×民俗学」「男のモテ×歴史学」をテーマに2週にわたって放送された。冒頭に引いたサーヤの発言が出た「女性器×生物学」の回のエンディングでマキタスポーツが声をあてているコンドームの妖精・まっきぃが「いやー、正直ね、すっごい汗かいてます」と言っていたが、それは多くの日本人男性の心理を代弁したものだろう。仲間内で下ネタで笑い合うことはできても、公の場で性のことを真面目に話すのは照れてしまうといった日本の性に対する意識の“現在地”をあらわしているようだ。

「夜ばい×民俗学」も興味深かった。「夜ばい」というと、どうしても男性が一方的に女性の寝床を襲うようなイメージをしてしまうが、風習としての「夜ばい」はそうではなかったという。「夜ばい」は、古くは求婚を意味する言葉で、婚約者の立場の男女が結婚前に性行為をすることが本来の「夜ばい」だという。番組では昭和30年代まで夜ばいの風習が残っていた地域の生き証人たちに話を聞いていく。実際には、当然ながら女性側の同意が必要で、それがなければ追い出されていたという。ある地域には、追い出されたことを歌った曲まで残されているのが面白い。この回に限らず、サーヤが「もうちょっと序盤に教えといてってことが多い」と言うように、知っているようで知らない話が次々と出てくる。

「女性器×生物学」の回では、街行く人に女性器のイラストを描いてもらうが、ちゃんと描けた人はいなかった。何しろ、教科書でも、男性器は形状が描かれているのに対し、女性器は内部構造のみで見た目は描かれていないそう。名称すら言えないことが象徴するように、特に女性側の「性」に関することは必要以上に避けられ隠されてきた。その結果、本質的には「知らない」ままになってしまいがちだ。「だから怖いんだ。知らないものって怖いもん」というサーヤの言葉は「性」に限らずすべてに通じることだろう。

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『はなしちゃお! ~性と生の学問~』
NHK Eテレ 不定期
https://www.nhk.jp/p/ts/47NWJQ9RP7/

(てれびのスキマ/週刊文春 2024年8月15日・22日号)

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