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「普通に働け」「税金払え」とネットで批判…大企業を辞めて軽自動車で“車中泊生活”を始めた夫婦YouTuber(30代)が明かす、“周囲からの反応”

文春オンライン / 2024年8月25日 11時0分

「普通に働け」「税金払え」とネットで批判…大企業を辞めて軽自動車で“車中泊生活”を始めた夫婦YouTuber(30代)が明かす、“周囲からの反応”

YouTubeチャンネル「けんじとあかり」を運営するけんじさん(左)とあかりさん(公式YouTubeチャンネルより)

〈 40万円で買った軽自動車を“魔改造”して車中泊生活…大企業を辞めた30代の新婚夫婦が“家も年収も捨てて”車で暮らし始めたワケ 〉から続く

 改造した軽自動車で車中泊しながら、日本一周を達成した30代の夫婦・けんじさんとあかりさん。YouTubeチャンネル「 けんじとあかり 」で車中泊生活のリアルや日本一周の様子などを発信し、現在は登録者数15万人の人気を誇る。

 新卒で大企業に入社したふたりは、職場で出会い、2018年に入籍。その後、会社を辞めて、2021年4月から2022年6月までの約1年間で、日本一周を達成した。

 ふたりは軽自動車で車中泊をしながら、どんな生活を送っていたのか。安定した収入と職を捨てて旅をすることに、周囲はどんな反応を示したのか。話を聞いた。(全3回の2回目/ 3回目に続く )

◆◆◆

軽自動車での旅を選択した理由

――日本一周をするための手段はいろいろあると思いますが、なぜ軽自動車で旅をすることにしたのでしょう。

けんじ コロナ禍だから、というのはあります。その頃はまだ、電車や飛行機で日本一周をするのは憚られる状況だったので。

あかり あとは、お金がかからないから、ですね。中古で買ったスバルの「サンバーディアスワゴン・クラシック」の値段が約40万円で、車内のDIY費用が約20万円。大きい車を買っていたら、この何倍もお金がかかっていたと思います。

けんじ それに、日本一周と同時にYouTubeも始めようと決めて。どうやってほかのYouTuberと差別化するか考えたときに、軽バンで日本一周している人があまりいなかったんです。ほかの人がやっていないことをやれば、需要はあるかなと。

――車の選定基準は?

あかり 見た目です。ヘッドライトが丸目で、レトロな感じがかわいいなと。あとは、ほかのYouTuberと被らなそうなのもいいなと思いました。

DIYのこだわりポイント

――軽自動車をDIYするにあたり、こだわったポイントはありますか。

あかり 外装とベッドの寝心地。あとはキャンプをするためのテントを持っていきたかったので、「テントをどう積むか」ですね。

 本来なら車中泊にテントは必要ないんですけど、私たちはキャンプを楽しみたかったんです。テント泊しかできないキャンプ場もあるから、テントは必須の荷物だったんですよね。

けんじ テントは車内の上のほうに積めるようにして、ほかの荷物はベッドの下に収納して。あとは内装をシンプルにすることで、できるだけ広く寝られるようにしました。

――外装はかなり派手ですよね。

けんじ カレーをイメージした車にすることで、視聴者の方々に、僕たちが「カレー好き」というのを知ってもらおうと思ったんです。もともとカレー屋になりたくて、その夢は持ち続けていたので、YouTubeやSNSを通してそのイメージを発信すれば、将来的に何かにつながるかなと。

――それで車の名前も「カリー号」に。

あかり 最初は「カレー号」だったんですよ。でも、誰かが「カリー号」と間違えて言い出して、結局そのまま「カリー号」になりました(笑)。

お風呂は3日に2回…車中泊生活の“リアル”とは?

――1年間の日本一周では、どんな生活をしていたのですか?

けんじ 1週間のうち、週4日ぐらいは撮影を兼ねた観光をしていました。朝から夕方くらいまで観光しながら撮影して、夕方にはお風呂に入って、夜は道の駅とかに移動して寝るみたいな。残りの3日間は編集作業をしていましたね。

――お風呂はどうしていたのですか。

けんじ 主に「快活CLUB」を利用していました。30分300円台でシャワーを使えて、無料のタオルサービスもあったので。銭湯に行くより安く済むんですよね。

あかり 「快活CLUB」がなかったら、アプリで安い銭湯や温泉を探して行ってました。

――毎日入っていた?

あかり いや、夏場以外は3日に2回くらいでした。1日ずっと編集作業をする日とかは汗をかかないので、「まあいいか」みたいな感じで。観光した日は毎日入ってましたけど。

けんじ 夏場とか暑い日も毎日入ってましたよ。汗をかいたかどうかを判断基準にしていました。

7月と8月は暑さを避けて北海道へ

――夏場は暑くて大変そうですね。

けんじ 本州は暑すぎるので、7月と8月は北海道に行きました。

――北海道とはいえ、日中は暑いですよね。

あかり 私たちの場合、昼間は車にいないことのほうが多かったです。撮影のときは外で観光していたし、動画を編集するときはカフェやファミレスに行っていたので。

けんじ 朝早めに起きて、日が昇る前に活動するようにしてましたね。夜は涼しいので、大丈夫なんですけど。

――車内は暑さ対策を?

けんじ 車内にいるときは窓を開けて網戸にしたり、寝るときはニトリのヒンヤリするシーツを敷いたり。対策はそれくらいです(笑)。

――冬場はどうしていたのですか。

あかり 冬は服を着こんだり、寝袋とか毛布を使えばどうにかなるんですよ。大変なのはやっぱり夏ですね。

当初は節約のために“車中飯”を自炊していたが…

――洗濯はどうしていたのでしょう。

あかり 週1、2回くらいの頻度でコインランドリーに行って、洗濯から乾燥まで済ませていました。

――食事は?

けんじ 最初は節約のために自炊していました。「生活費は月15万円以内に抑える」と決めて、それを超えないようにして。

あかり なるべく外食は控えて、スーパーで買ったもので“車中飯”を作るみたいな。でも、YouTubeが収益化して、余裕ができてからは、ご当地グルメとかを食べるようになりました。

「せっかく日本一周するなら各地のおいしいものを食べたいな」と思っていたので、YouTubeのおかげでそれができたのは、すごくよかったです。

バズるのを狙って出した車内の紹介動画

――YouTubeが収益化したのは、いつ頃ですか?

けんじ 日本一周を始めて1か月くらいです。

――早いですね。

あかり 車内の紹介動画がバズって、登録者数が500人から2万人に一気に増えて。そこからはYouTubeの収益で生活費を賄えるようになりましたね。

――車内紹介の動画は、今では100万回以上再生されています。

あかり 最初は一気に50万回くらい再生されて、そこからジワジワと100万回まで増えていきました。バズるのを狙って出した動画だったのですが、思ったよりも反響がすごかったです。

――狙えるものなんですか。

けんじ 車内紹介の動画は、ほかの車中泊YouTuberも割と再生されていたんです。僕たちの場合、テントを積んでいるという珍しさもあったので、そこそこ再生されるかな、とは思っていました。

認知度が上がったことで起こった変化

――動画がバズったことで、認知度が上がったのでは?

あかり 車内紹介の動画をアップした数日後に、初めて視聴者の方に声をかけてもらったんです。石川県の能登地方にいたときだったんですけど、スーパーの駐車場で男性に話しかけられて、「ちょうどさっき、動画を観てたよ」と。しかもその方がすごくいい人で、「なんか買ったるわ」と言って、スーパーで1万円分くらい、食材とかを買ってくださって。YouTubeの反響を実感した出来事でした。

けんじ ありがたいことに、動画が再生されるようになって登録者数が増えてからは、声を掛けられる機会が増えて。差し入れを頂いたりすることもあったんです。

 富山のキャンプ場にいるときに、特に場所を言わずに景色の写真だけをインスタグラムのストーリーにあげたら、視聴者の方が2組くらい差し入れを持って来てくれたこともあって。お仕事を抜けて来てくださった方もいて、申し訳なく思ったので、それからはリアルタイムでSNSに情報をアップするのは控えるようになりました。

――車の外装が特徴的で目立つから、駐車していたら視聴者はすぐに分かるでしょうね。

けんじ 僕たちが車内にいるときに、窓を「コンコン」って叩いて挨拶してくれる人もいて。車内で着替えているときに「コンコン」ってされたときは焦りましたね。

あかり 朝起きてすぐに声を掛けられるときもあったんですよ。まだ顔も洗ってなくて、すっぴんの状態でドアを開けたら、外で待ってくれていた視聴者の方が「いつも観てます。写真撮ってください」って。そのときは申し訳ないと思いつつ、「ちょっと待ってもらっていいですか」と伝えました。

「普通に働け」「税金払え」YouTubeのコメント欄で批判され…

――有名になったからこその悩みですね。

けんじ 声を掛けられるのはうれしいんですけど、正直、朝イチは少しつらかった。ふたりともめちゃくちゃオフの状態なので。

あかり 嫌ではないんですけど、恥ずかしい(笑)。

――YouTubeの登録者数が増えると、批判的なコメントも増えるんじゃないですか。

あかり 最初の頃は多かったですね。コメント欄で「普通に働け」「税金払え」とか。

けんじ でも、そうやって言う人の気持ちも少しわかるんですよね。僕たちも会社員として働いていた側なので、定職に就いていない人を妬んで「働けよ」と思う気持ちも理解できるというか。

――批判はあまり気にならなかった?

けんじ 自分たちも会社員として働いてきた経験があるし、YouTubeが「仕事」になっている自信もあったので、周りに何を言われても気になりませんでした。

あかり 日本一周中は、ほぼ撮影と編集をしていて、全然休みがなかったので。周りには半分遊びみたいに見えていたかもしれないけど、自分たちからしたら「毎日仕事をしていて、休みはないです」みたいな。

「税金払え」というコメントに対しても、払っているのは自分たちが一番わかっているから、「何も知らない人に言われても……」「逆に、なんで払ってないと思うんやろう」という気持ちでした。

――今もYouTubeで生計を立てていますが、そういったコメントは寄せられますか。

あかり いや、最近はまったく言われないです。

けんじ 僕たちがYouTubeを始めた頃より、自由なライフスタイルとか、YouTubeで生計を立てるみたいな働き方が社会に浸透している気がします。その影響もあって、批判的なコメントが減ってきたのかなと。

〈 「会社員には戻りたくない」大企業を辞めて“改造した軽自動車”に住んだ30代夫婦YouTuberが語る、車中泊でひっくり返った“価値観”「大事なのはお金じゃない」 〉へ続く

(「文春オンライン」編集部)

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