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監禁生活中には何度も「なすびを見習え」と…TV番組で“壊れてしまった“エッグ矢沢(38)が語る、14年を経て告白に踏み切った理由とは

文春オンライン / 2024年8月30日 17時0分

監禁生活中には何度も「なすびを見習え」と…TV番組で“壊れてしまった“エッグ矢沢(38)が語る、14年を経て告白に踏み切った理由とは

〈 「3日目にぶっ壊れちゃって病院へ」目隠しでさらわれ、情報を一切遮断…密室で3ヶ月暮らしたエッグ矢沢(38)が明かす、当時のテレビ番組に思うこと 〉から続く

 2010年、TBSのバラエテイ番組『クイズ☆タレント名鑑』で、情報をすべて遮断された生活を送る企画「情報原人」に挑んだエッグ矢沢(38)。

 6月中旬、noteにて 『テレビ番組で監禁されてぶっ壊れた俺が今思うこと』 と題して当時の様子を綴って注目を集めた彼に、出演後の反響、14年を経て告白に踏み切った理由、2022年7月に起きた実家放火事件などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/ 続きを読む )

◆◆◆

キレられながら「お前、逃げて帰ってきたんやろ!」と言われて 

――3ヶ月におよぶ「情報原人」を終えても、周囲からは称賛の声が上がらなかったと。

エッグ矢沢(以下、矢沢) 「出られてよかったな」と言うヤツはいましたけど、「お前、逃げて帰ってきたんやろ」と言う先輩もいました。「情報原人」最後の回の収録が終わったあと、(田村)淳さんが監禁されていた部屋に来てくれたんですよ。でも、なんとなく俺に対する「こいつ、ダメだな」みたいな雰囲気が漂っていて。

 まあ、そのときに淳さんの運転手をやってた同期から「情報原人が始まった頃、淳さんはエッグのことを1年目なのにヤバいのが出てきたって言ってた」と教えてくれて。で、そいつは「それを聞いててエッグに嫉妬した」とも言ってくれたけど、「芸人としての俺って、どっちなんだろう?」って考え込んじゃいましたね。

――先輩芸人からの「お前、逃げて帰ってきたんやろ」は致命傷クラスの言葉といいますか。ズブズブと刺さったのでは?

矢沢 「お前、逃げて帰ってきたんやろ!」って、キレられながら言われたんです。その先輩は大御所で、番組プロデューサーの藤井さんとも仲が良いんですよ。これは僕の勝手な憶測ですけど、藤井さんから先輩に僕のことがそういうふうに伝わってたんだなって。

 ものすごい大御所の方から「逃げて帰ってきたんやろ!」と怒鳴られたら、こっちはなにも言い返せないじゃないですか。それに、吉本のなかでも僕がそうした烙印みたいなものを押されてしまっているってことでもあるから、悔しかったし、悲しかったですね。

監禁生活中には何度も「なすびを見習え」

――今年の6月にXやnoteで「情報原人」の件を打ち明けたのは、そうした悔しさや悲しみがあったからですか。

矢沢 告発的なことがしたかったわけでもなかったんですけど、『進ぬ!電波少年』で「電波少年的懸賞生活」をやったなすびさんが、BBCで取り上げられたじゃないですか。そのインタビューで、10年くらい前に番組のプロデューサーだった土屋(敏男)さんから謝罪を受けていたとか、いろいろおっしゃっていて。

 でも、どこかあっさりしているなと感じたんです。「情報原人」って、2代目なすび的な立ち位置を狙っていたんですよ。監禁生活中に「なすびを見習え!」って、スタッフに何度も言われていたし。そういうのもあって「もっとつらいことあったでしょう? なんで言わないの?」と思って。

書いていくうちに、火種で残っていたものがメラメラと燃え出した

――そして、X(旧twitter)に。

矢沢 ちょっと触れるぐらいのつもりでXに書いたんですけど、書いていくうちに火が付いちゃったというか。140字で15ぐらい投稿したけど、Xじゃ書ききれないなってnoteのほうで詳しくやろうって。

 今度はnoteで書いていくうちに、火種として残っていたものがメラメラと燃え出したという。ずっと封印していたことだし、そういうのを吐き出すのってお笑い芸人としてカッコ悪いなとも考えたけど、「書かなきゃいけないな」と。

 ここで書いておかないと、また何年かしてぶり返すんじゃないかなって。だったら、すべて吐き出しておこうと思ったんですよね。

――どんな反響が。

矢沢 これが肯定的な反応ばかりで。僕って、なにか呟くと賛否両論だったり、炎上したりすることが多いんですけど、今回に関してはいい感じで肯定が98%って感じでした。

2022年に実家が放火されて全焼

――炎上といえば、2022年に実家が放火されて全焼したことでも話題を呼びましたよね。その件でもお話を伺いたいのですが、実家は戸建てだったのですか。

矢沢 戸建てです。放火されたのって、2022年の7月1日なんですけど、僕はその半年前からタイに長期旅行していたんです。で、7月1日、トークライブに出るために福岡に行ってたんですけど、その日に燃やされました。

――ライブの最中に「家が燃えています」と知らされた?

矢沢 ライブ当日の朝、明け方ですね。僕は寝ていて、起きたら警察から30件ぐらい着信が入ってて「これは、なんか起きちゃったな」と思って掛け直したら火事だということで。帰りたかったんだけど、もう鎮火していたし、家も埼玉にあったんで、いま帰ろうが翌日に帰ろうが一緒だと判断して。

 現場検証も翌日に行われるということで、「じゃあ、明日の朝イチに帰ります」と警察と消防の方に伝えて、トークライブに出ました。

――実家の放火を知らされてのトークライブ、心ここにあらずになりませんでしたか。

矢沢 マジでキツかったですよ。頭が真っ白になっちゃいましたよね。しかも、僕が主役のトークライブで、2時間か3時間あったんですよ。だから「先に言っておきます。家が火事になっちゃったので、今日はすいません、うまくしゃべれるかわかりません」みたいなことを言いました。で、スベったら「家が火事になったもんで」と言って。

――被害の程度って。

矢沢 半焼とのことだったけど、僕からしてみるとほぼ全焼だろうって感じ。7割くらい燃えちゃっていたけど、崩れ落ちていないと全焼にはならないらしいんです。

 1階の仏間だけが残っていて、床は崩れ落ちてるし、1階から2階を見上げると天井が空みたいな。

警察と消防の見立ては「100%放火と窃盗」

――その実家には、どれくらいお住まいに。

矢沢 1歳から36歳まで。燃えたときが36歳で、海外や地方で滞在や活動をしていても本拠地は実家だったんです。ただ、両親は亡くなっていたし、兄弟も出ていたので、誰もいなかったのが、せめてもの救いで。

 僕の悪いところというか、芸人なのもあるんですけど、こういうことをヘラヘラと話すけど、泣きたくなるほど辛かったですよ。いろんな思い出が詰まった家ですから。

――最初から、警察と消防の見立ては放火?

矢沢 100%放火と窃盗だと。家の中が荒らされている形跡があって、「引き出しって、開けてたわけではないですよね?」と聞かれたんですよ。あらゆる引き出しが開いていたらしいんですけど、「僕は絶対に閉めるようにしています」って答えて。

――交友関係についてもいろいろ聞かれるわけですか。

矢沢 「犯人の目星はありますか?」と聞かれました。一瞬、頭に浮かんだ人がいたんですよ。僕はケンカっ早いというか、煽るような芸風なので、それが原因になってファンから脅迫されて裁判をしたことがあって。刑事と民事の両方で僕が勝って、相手は負けていて、それでも人の家に火をつけるほど凶暴な人間ではないなと。

 過去になにかあった人物は全員出してくれとのことで、5人か6人絞って名前を書いてくれと。たとえば、飲み屋で言い合いになって、手を出したわけじゃないけど、嫌な感じで別れたような人でもいいって。なんとかリストにしたけど、全員関係なかったですね。

「家が燃やされたから、ちょっと泊めて」とは言えず漫画喫茶へ

――焼け残った部屋に潜んで、放火犯を捕まえたそうですけど、警察に任せなかったのはなぜですか。

矢沢 燃やされた家って、埼玉でも池袋から電車で20分ちょっとくらいのとこにあったんです。地元だから友達もいっぱいいるんだけど、みんな結婚して子供ができていたりで、「家が燃やされたから、ちょっと泊めてくれ」とは言えなくて。ホテルに泊まろうと考えたけど、8000円くらいする。しかたないから、マンガ喫茶に泊まってみたけど、環境的にキツくて。

 奇跡的に仏間だけ焼け残っていたので、そこで寝泊まりしようと。あと、犯人は犯行現場に戻ってくるっていうじゃないですか。ついでに捕まえられるんじゃないかなって。

「おい」と声を掛けたら、逃げた後輩芸人

――放火されたのが7月1日だから、暑くて大変だったんじゃないですか。

矢沢 地獄でしたよ。クーラーはないし、電気も通ってなくて扇風機も回せないから、汗でビショビショですよ。風呂場も天井が抜けちゃって、床がグチャグチャに汚れているうえにガレキだらけで。ガスはダメだったけど、水道は通ってたので、ガレキを踏まないようにサンダルを履いてシャワーを浴びてましたね。

 で、自治体のほうで緊急避難先として団地を用意してくれて。7月11日から住んでいいですよってことで、その日に家の解体工事も始めるようにしていたんです。で、11日に団地に移ったんですけど、解体の様子が気になって実家に行って、解体業者がいるなか、2階に上がって自分の部屋を見てたんです。

 そうしたら、家の前で誰かが解体業者と話してるのが聞こえてきて。ひょっとして解体の音がうるさいとか文句を言われてんのかなと思って、2階の窓からチラッと覗いたら、後輩の芸人がいたんですよ。

――衝撃が走りますよね。

矢沢 2階で見た瞬間、心臓が止まりそうになって。で、向こうに見つかったらマズイなと思って、パッと隠れたんですよ。「僕の姿を見られたら逃げられる」とか「証拠の写真を撮らなきゃ」とか、テンパりながらもバーッといろいろ考えが巡ったけど、「ハッ、ここで捕まえちゃえばいいのか」と悟って。すぐ下に降りて「おい」って声を掛けたら、逃げたんですよ。

 その後輩って、体が細くてヒョロヒョロしてるし、常にパンパンに荷物が詰まったリュックを背負ってヨロヨロしてたから、まともに走れてないんです。だから、逃げ切れるわけがなくて、僕が追いかけたら早々と逃げるのをあきらめて。

――その後輩は、どういった方なんですか。

矢沢 簡単に言うと、嘘をつけないタイプ。スベった先輩芸人に「スベってましたね」とか平然と言っちゃって、メチャクチャ怒られたり、殴られたりするようなヤツで。場の空気を読んだり、お世辞を言ったり、人の様子を窺うといったことがまったくできなくて、それが原因でトラブルを起こしまくっていたんですよ。

 ただ、吉本に入ってたくらいだから、面白いし、そういうヤツなんで芸風もぶっ飛んでいて。僕は彼を気に入って可愛がってたんですけど、吉本を辞めて、放火の2、3年前に失踪しちゃって、そのまま連絡がつかなくなっていたんですよ。

「お前、犯人じゃないよな」「絶対に僕じゃないです」

――放火現場で久々に再会を果たしたと。後輩は犯行を認めましたか。

矢沢 実家の近くにあった駐車場に連れていって、「なんで俺の家の前にいた?」って聞いたら「どうして先輩の家が燃えちゃってるんですか?」って逆に聞かれて。嘘をつかない人間だったから、一瞬「ピュアに僕に会いに来たのかも」と思ったけど、「まあ、犯人だろうな」って。

 続けて「お前、犯人じゃないよな」と聞いたら、「絶対に僕じゃないです」と。「でも、家の防犯カメラにお前が映っちゃってるから、あとで警察が来ていろいろ聞かれるぞ。だから、いま俺が警察を呼んでやるから、僕は関係ありませんってハッキリ言えるか?」って言ったんです。家に防犯カメラなんてあるわけないんですけど、なんとかして警察に突き出しておかないとマズイなって。

――すんなり言うことを聞きましたか。

矢沢 「警察に言えます」って。もともと、そいつには基本的に優しく接するようにしていたんです。優しく言ってやると、話を聞いてくれるんで。なんで、そのときも「暑いから、日陰に行こうか」とか「リュック重そうだな。ちょっと置こうか」なんて、気に掛けながら話をしてました。

 で、警察を呼んで、警察のほうでリュックを調べたら、うちから盗んだものが入っていて。警察から「犯人でした」って連絡がきました。盗んだものをリュックに入れて、10日間持ち歩いてたらしいです。

動機は「自分の人生をずっと邪魔されている」という妄想

――動機は?

矢沢 被害妄想とのことでした。僕が彼の人生をずっと邪魔してるみたいな。失踪していた2、3年の間に起きたイヤな出来事は、すべて僕が操って起こしていたことなんだとか思っていたそうで。

 僕に対する嫉妬もあったみたいです。僕が海外を放浪したり、タイに住んでいるのが、どうも豪遊しているように見えていたらしく。貧乏旅行なんだけど、どうして僕だけが海外で遊べるぐらい稼げてるんだっていう。それだけじゃなく、いろいろ嫉妬してたそうです。

 あと、親とも折り合いが悪かったようです。親と大きく揉めて、ものすごく叱られたんですよ。それが引き金になったかどうかはアレですけど、その1ヶ月後ぐらいに火をつけたんですね。親と揉めたってのは、あちらのお父さんから聞きました。

――当然、逮捕されて裁判に。

矢沢 放火の1年ちょっと後、去年の9月ぐらいに裁判員裁判で5日くらい。結構な凶悪犯罪ということなので、時間はかかったほうじゃないですかね。

――当然、実刑に。

矢沢 いや、これがまさかの懲役3年、執行猶予5年だったんですよ。

〈 後輩芸人によって実家を放火、ミャンマーでの出家…吉本退社後、タイ人と結婚したエッグ矢沢(38)が明かす、タイ移住の真相 〉へ続く

(平田 裕介)

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