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「今の時代なら『ブラックだ』と批判されるけど…」それでも「つらい経験」をした人こそ強くなるとわかる《地獄の合宿2日目》の記憶

文春オンライン / 2024年8月28日 11時0分

「今の時代なら『ブラックだ』と批判されるけど…」それでも「つらい経験」をした人こそ強くなるとわかる《地獄の合宿2日目》の記憶

光通信・地獄の合宿2日目の様子をお届けする。写真はイメージ ©getty

〈 入社1日目の仕事は“偉い人間に認められるまで”「社訓を読み続けること」…今だったらありえない《地獄の合宿風景》 〉から続く

 汗だくなのに風呂に入れない、山までの40~50キロの道を走らされる…そんな地獄のような合宿を経験した元光通信の社員。今の価値観と照らしあわせれば許されない状況だが、それでも当時の記憶を彼が決して「ネガティブ」に捉えない理由とは?

 2003年、19歳で光通信に入社したのち最年少の役員に。さらにその後、HIKAKINと出会い、UUUMを創業し、日本のYouTuberの躍進を支えた鎌田和樹氏による初の著書『 名前のない仕事──UUUMで得た全知見 』(ダイヤモンド社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 前編 を読む)

◆◆◆

 なんと21時までしかお風呂に入れなかったのです。

「明日は5時起きだから早く寝てください」

 そう言い残され、僕は汗だくのまま呆然としました。

 言われるがままにコテージに向かうのですが、ここから夜が長いのです。

 山奥なので気温がおそらく0度くらいで、パジャマなんて持ってきているわけがない。

 汗だくのままお風呂に入れず寝る……。

 これは心が折れます。

 コテージでは許容された人数よりはるかに多い人が寝ていました。50人くらいがいたと思います。

 そんな中で、0時をまわって、ようやく眠れそうになったときに、「♪お昼休みはウキウキウォッチング、あっちこっちそっちどっち いいとも~」と、アラームが鳴り出す事件が起こりました。

 こういうつらい体験は、一生覚えているでしょう。

 そういえば、両親に「着いたら連絡する」と言ったきりでした。携帯の電波が入らない場所で、

「これじゃあ、拉致されたのと一緒だな……」

 そう思いながら、それでも疲れていたのでしょう。気づいたら眠っていました。

「理不尽」すぎる原体験

 2日目は本当に5時起き。また体育館のような場所に集められました。

「今日は何をするんだろう……」

 昨日のこともあったので、そんな不安が頭をよぎりました。

 そう思った矢先に、「今日は5人で1チームになり、『あの山の向こう』まで行って戻ってきてください」と告げられました。

 目的地は「あの山の向こう」とのこと。

 その表現が本当にすごい……。

 その距離を考えると、走らないと間に合わないことは明らかでした。

 チームをつくり、団体で「マラソンをしてこい」と言うわけです。

 その行程を詳しくは書きませんが、走ったり歩いたりを繰り返して、その道中でやっと携帯の電波が入り、親に生存報告をしました。

 その日、僕たちのチームは、「あの山の向こう」まで行きました。そして帰ってきた。12時間くらいをかけて。

 いま考えると、40~50キロを走ったことになりますね。

 そして、その日も21時以降に戻った人はお風呂に入れません。

 女性もいましたが、そんなことは関係ありません。

 5人のチーム全員が揃って帰ってこないとダメだったのです。

「なぜ、こんなことをしないといけないんだろう」

「なぜ、こんなことをしないといけないんだろう」

「なぜ、こんなことをしないといけないんだろう」……

 走りながら、100回以上は本気で考えたと思います。

 考えても仕方ないけど、それを考えるほかにやることがないんです。

 それくらい理不尽で納得できていないのです。

 しかし、この体験をいま振り返ると、「大切な一歩だった」と思うんですよね。

 これはもしかするときれいごとに聞こえるかもしれません。

 しかし、その後も、社会人生活を送る上で、「理不尽なこと」は満載でした。

 理不尽な状況でも、「自分の殻を破るしかない」と思える原体験になったのは、間違いなく、この合宿です。

 それを19歳のときに経験できたことは、その後の人生に大いに効いているのです。

「つらい体験をした人は、強い」

 ここで、読者のあなたに質問があります。

 つらい体験が、あなたにはあるでしょうか?

 学生気分をぶち壊すようなマインドセットは、「ある程度」は必要なんだろうと思います。

 こう言うと、今の時代なら、「体育会系だ」「ブラックだ」と揶揄されるかもしれません。

 でも、つらい体験をした人は、強い。

 どうしたって、強くなってしまうんです。

 それは間違いない。

 だから、そんな体験がある人は、「いい体験」として大事に持ち続けてほしいんです。

 とはいえ、長々と武勇伝を語る必要はありません。

 人生で最高につらかった話。

 しかも、それがあったおかげで今があるという前向きな話。

 それくらいなら、明るく語れるようにしておいていいはずです。

(鎌田 和樹/Webオリジナル(外部転載))

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