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「巨人やSBとのマネーゲームは無理」と諦めムードも…立浪中日がキューバ人守護神(27)の“年俸4億円”を払うのが難しい単純すぎる理由

文春オンライン / 2024年9月1日 10時0分

「巨人やSBとのマネーゲームは無理」と諦めムードも…立浪中日がキューバ人守護神(27)の“年俸4億円”を払うのが難しい単純すぎる理由

昨季の「令和の米騒動」で反旗を翻した白米好き ©時事通信社

 立浪竜の“絶対的守護神”の去就に早くも注目が集まっている。セ・リーグトップタイの34セーブ、防御率1.13(8月25日時点)を誇る、中日のライデル・マルティネス投手(27)だ。

 3年契約の最終年。17年2月末に育成契約選手としてキューバから来日し、2年目に支配下登録を勝ち取ると、160キロ台の速球とフォーク、スライダーを武器にストッパーとして花開いた。当然、中日がみすみす手放すはずもない。加藤宏幸球団本部長兼編成担当は7月、「来季の残留交渉を始めている」と語っていたのだが……。

来季の“年俸4億円”を中日新聞が「払いきれない」という声も

「近年のあまりの好成績に、推定年俸2億円からの大幅増は不可避。来季以降は少なく見積もっても倍増の4億円はくだらないでしょう。一方、球団の親会社である中日新聞社は24年3月期の売上高も前期比3%減の減収決算。台所事情が厳しいため、球団内では『高額の年俸を払いきれず、他球団に奪われるのでは』と囁かれているのです」(球団関係者)

 性格は「ドがつく真面目」というライデル。同じキューバ出身のチームメイト、ジャリエル・ロドリゲスが昨年、メジャー挑戦のために球団に黙って亡命した際には、「あまりの身勝手な行動に憤りを隠さなかった」(同前)。日本に馴染めたのは、ドラゴンズを長年支える“先輩”の存在が大きかった。

「キューバに近い、ドミニカ共和国出身のルイス・フランシス通訳兼ブルペン捕手(48)です。広島カープの練習生として2年プレーした後、裏方へ転身。広島の松田元(はじめ)オーナーから語学学校の費用を出してもらい、日本語を習得しました」(球団OB)

 ドミニカでの外国人選手発掘に注力していた中日・森繁和コーチ(当時)の要請を受け、2007年に中日へ。助っ人外国人の教育係も兼ねるようになった。

「郷に入っては郷に従え」が口癖の“面倒見の男”

「面倒見もよく、キャンプや遠征先では助っ人外国人を食事へ連れ出すことも。日本文化のみならず、日本プロ野球界で明文化されていない“暗黙のルール”を教えるのも彼の役目です。口癖は『郷に入っては郷に従え』で、ライデルにも『チームの和を大事にしろ』『頑張ればちゃんと給料は上がる』と励まし続けてきた。ライデルが日本で伸び伸びと活躍できたのは、ルイスの存在が大きい」(同前)

 守護神を育て上げた中日だが、前出の球団関係者は「ソフトバンクや巨人などとのマネーゲームには太刀打ちできない」と嘆く。チーム成績に目を転じれば、現在リーグ5位で、球団史上初の3年連続最下位の可能性もちらつく状況だ。泣きっ面に蜂となるのか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年9月5日号)

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