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「レコード会社の人に目茶苦茶怒られたよ」THE ALFEEを救うためだった桜井賢”角刈り”イメチェン事件〈デビュー50周年“時効の話”を語り尽くす〉

文春オンライン / 2024年9月30日 6時0分

「レコード会社の人に目茶苦茶怒られたよ」THE ALFEEを救うためだった桜井賢”角刈り”イメチェン事件〈デビュー50周年“時効の話”を語り尽くす〉

高見沢俊彦 ©文藝春秋

ロックバンドのTHE ALFEEが、デビュー50周年を迎えた。半世紀にわたる音楽活動では数多くのトラブルにも遭遇してきた。今だからこそ語れる“時効の話”をメンバー3人が語り尽くす。

◆◆◆

ガロやチューリップの路線?

〈桜井が所属していたフォークグループ「コンフィデンス」に坂崎が加入。坂崎は明治学院大学を受験し、全員が同大学に進学。次いで高見沢がグループに加入。ハーモニーの腕を買われ1974年8月「Alfie(アルフィー)」としてデビュー。「アイドルフォークバンド」として売り出され、作家が書いた曲を歌ったが、ヒットに恵まれず試行錯誤を重ねる〉

 坂崎 デビューして、すぐ、「どうも何か違うなあ」と感じたね。

 高見沢 もう疑問符だらけ。桜井なんてギター弾けないのに無理矢理持たされて。どうするのかと思ったら、案外、弾き真似が上手くて。元祖エア・ギターは桜井かも(笑)。

 桜井 あの頃から音楽業界の大人が信じられなかった(笑)。

 坂崎 大人たちはグループサウンズブームや、ガロ、チューリップが売れた路線に僕らを乗せようとしていた。1974年は何百組ものバンドがデビューさせられたらしい。

 高見沢 僕らはなかなか売れなくてね。坂崎がライブでものまねをやると曲よりウケたから、いっそそっちの方向も試してみるか?と。そうしたら3億円事件をモチーフにしたパロディーソング「府中捕物控」が用意されて。

 坂崎 発売日は事件が時効を迎える1975年12月10日。結構ラジオでもかかって、これはヒットするかも、という空気だったのに……。

 高見沢 当時のビクターの社長の「社の良識に合わない」という鶴の一声で発売中止になったみたい。

 桜井 ショックだったね。「もっと早く言ってくれよ」って。

 高見沢 ビクターが家電を扱っていたことも影響したらしいけど、当時の僕らにとっては勝手な大人の事情。悔しかったけど、「オリジナル曲がない俺たちが悪い」と痛感して、それから猛烈に曲を作りはじめた。

 坂崎 普通はデビュー前にやることに、2年経ってようやく目覚めた。

 桜井 結局レコード会社を移籍して、1979年に再デビュー。あの発売中止がなかったら、確実に今のALFEEはなかったね。

桜井賢「角刈り」事件

 坂崎 それでもヒットに恵まれず、各々個性を模索していた。そのなかでも桜井の角刈り事件は、古くからのファンの間で語り草の一つ。

 桜井 いつも思うんだけど、これって「事件」なのか?(笑) 高見沢と俺が部屋で飲んでいたとき、雑誌に載っていた『西部警察』の渡哲也さんの写真を見て、高見沢が力説したの。「俺たちには個性が足らない。お前が打ち破れ。今後の俺たちのためだ!」。それで次の日、その雑誌を持って原宿の床屋に行って。

 高見沢 原宿の床屋だから、角刈りなんてやったことなくてね。

 桜井 慣れないから耳まで切られて血が出ちゃって。店の外を見たら、高見沢がくすくす笑っていやがる。

 高見沢 ただの酔った勢いだったのに、本当にやるからさぁ(笑)。

 坂崎 ところがその直前、シングル「冬将軍」のジャケット撮影を終えていたから、さあ大変。ジャケットの桜井は長髪なんだから(笑)。

 桜井 レコード会社の人に「お前、やる気あんのか!?」って目茶苦茶怒られたよ。

 高見沢 ホントごめんな(笑)。

 桜井 まあ、満員電車で押してくる人がいなくなって良かったけどね。

 坂崎 すげえ怖かったもん(笑)。

 高見沢 当時、坂崎はカーリーヘア。その後、桜井はリーゼントに。僕はパンクっぽいヘアになって、ようやく各々の個性が表れ始めたね。

ヒット曲なしでも武道館公演

 桜井 ヒットに恵まれない中、坂崎が『オールナイトニッポン』火曜2部のレギュラーに抜擢されたのは大きかった。1980年だったね。

 坂崎 そう、仲良しだった所ジョージが自分の『オールナイトニッポン』のスタジオに僕を連れていってくれたのがきっかけ。2部は当時9局ネットで、ラジオを機に新潟、高知、岩手あたりでライブのお客さんが急に増えはじめて。

 高見沢 「友達もファンになった」とか、レコード屋さんから「何枚売れたよ」と報告の葉書が届いた。あの頃からALFEEのファンは結束力が強かったね。互助会パワー(笑)。

 坂崎 ファンの一人一人がプロモーターや宣伝マンになってくれたね。その輪が全国に広がって、1983年にはヒット曲なしで当時としては異例の武道館公演が実現して。

 高見沢 その勢いで「メリーアン」がヒット。次の年には「星空のディスタンス」がヒットした。ヒットを狙っている時に出せなくて、諦めた途端に出た。

 坂崎 僕らはいつも遠回り(笑)。

(取材構成 内田正樹)

この座談会全文は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦「THE ALFEE デビュー50年『時効の話』」)。

 

この誌面版の記事では掲載しきれなかったエピソードを満載した「 THE ALFEE デビュー50年の20大ニュース 」〈2万2000字ノーカット完全版〉を、「文藝春秋 電子版」で9月28日から配信開始しました。

 

〔目次〕

【デビュー前(~1973)】
 1 学生運動に翻弄された高校での出会い
 2  坂崎、フォークソング同好会を創設
 3 桜井の美声デビューは村内放送だった!
 4 桜井、「古典4点事件」
【ブレイクまでの道程(1974~1982)】
 5 疑問符だらけのデビュー
 6 “大人の事情”でレコードが発売中止
 7 桜井、「角刈り事件」
 8 高見沢・坂崎、ギターをエレアコに持ち替える
 9 坂崎、『オールナイトニッポン』でレギュラーに
【ブレイク後の足跡(1983~2023)】
 10 『ザ・ベストテン』初の衛星中継でアクシデント
 11 ファン宅をサプライズ訪問したが……
 12 東京ベイエリアで10万人ライブ
 13 横浜スタジアムでライブ中止命令
 14 サイモン&ガーファンクルの“聖地”でライブ
 15 明治学院大学を“名誉”卒業
 16 「髙見澤俊彦」が作家デビュー
 17 高見沢、タマネギ事件
 18 コロナ禍で「顔を合わせない期間」最長記録
【デビュー50周年、これからの“ニュース予告”(2024~)】
 19 100回目の武道館、2025年にはライブ3000本に
 20 デビュー50周年のライブ、「青森ねぶた祭」に山車

(桜井 賢,坂崎 幸之助,高見沢 俊彦/文藝春秋 2024年9月号)

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