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「ドルで書いときゃ分からない…」清元秀泰・姫路市長(60)、姫路城で外国人だけ値上げの“リクツ”とは

文春オンライン / 2024年9月3日 6時0分

「ドルで書いときゃ分からない…」清元秀泰・姫路市長(60)、姫路城で外国人だけ値上げの“リクツ”とは

世界遺産の姫路城

「外国の人は30ドル払ってもらい、市民は5ドルくらいにしたい」

 世界遺産・姫路城の入城料を巡り、今年6月、国際会議の場で宣言したのは清(きよ)元(もと)秀(ひで)泰(やす)・姫路市長(60)だ。

◆◆◆

市長の値上げ発言が物議に

 現在、姫路城の入城料は1000円。市長の値上げ発言が物議を醸している。

「市長は値上げの理由を『耐震補強等に必要なコスト』などとしていますが、問題は外国人と日本人で差をつける『二重価格』。インドのタージマハルやカンボジアのアンコールワットなど、自国民と外国人とで二重価格を設定するのは世界的には珍しくないですが、国内では前例がない。この発言がニュースで取り上げられると賛否両論が巻き起こりました」(地元記者)

 1ドル150円と仮定すれば30ドルは4500円、5ドルは750円だ。

「本来は担当部局との調整や市議会での議論を経て発表すべきこと。『具体的にいくらにする』とか『二重価格にする』なんて話は全く決まっていなかった。ですが市長の発言によって市職員は火消しに走らざるを得なくなりました。当の市長は記者会見で『発言が独り歩きしたことは本意ではない』と、報道に恨み事を言う始末」(同前)

常に『自分は何でも知っている』という態度

 医師・東北大客員教授という肩書を引っ提げ、姫路市長選に初当選したのは2019年。現在2期目だ。

「政治家としてはまだ新人。なのに『自分は何でも知っている』という態度で人に接し、職員に対しては常に『エビデンスは?』と詰める。市民をバカにしているのか、あちこちで『姫路市民の文化度は低い』と言い回っていて、昨年は市民文化祭をいきなり廃止した。議会も軽視して、検討中の話を自分のお手柄みたいにあちこちで言ってしまう。姫路城の話がニュースになった時も『またやった』と思いました」(ベテラン市議)

 スタンドプレーはお手の物。今春には、人事でもその手腕を存分に発揮した。

「元TBSアナの久保田智子氏が教育長、元日テレアナの加藤聡氏が新設ポストの総合教育監、元外務官僚の山田基靖氏が副市長になりましたが、3人とも市内の『姫路女学院』関係者。その学校は清元氏を後継指名した前市長が特別顧問で、清元氏自身も懇意。人選も含めて市議会では訝しむ声もある」(同前)

ずいぶんな言いよう、『ドルで書いときゃ分からない』

 口の軽さには定評がある。今春ある団体から表敬訪問を受け、市長室で歓談した際には、こんなことまで口走っていた。

「鳥取県なんか姫路市よりも小さいですからね。あんなとこはもう島根と一緒になって『ネットリ県』になったらええんですよ」

 そして極め付きが今年3月の姫路城世界遺産登録30周年記念式典。小誌は、清元氏が壇上から言い放った音声を入手した。

「姫路城、ちょっと摩耗が激しくなっていますので……入城料上がります。(略)ドルで書いときゃ分からないかなと思っていますので、皆さんは1000円で、外国の方は、100ドルぐらい?」

 冒頭紹介した6月より前に二重価格に言及し、外国人からは日本円で1万5000円、つまり日本人の15倍もの入城料を徴収する構想をぶち上げていたのだ。

「さすがに司会者が笑いながら『高すぎ!』とツッコミを入れていた。『ドルで書いときゃ分からない』の真意は分かりませんが、姫路を訪れてくれる外国人に対してずいぶんな言いようだと感じました」(式典参加者)

「度量衡の問題ですからねえ」

 発言の意図を問うべく、市長を直撃した。

――3月に発言した「ドルで書いときゃ分からない」というのはどういう意図?

「いやそんなのは基本的に、度量衡の問題ですからねえ」

――度量衡?

「(記者の体躯をまじまじ眺めて)『百貫デブ』ってよく言いますけど、百貫が何キロなのか、みんな分からないでしょう?」

――協議の上での発言だったんですか?

「でも頭出ししなければ、3年後に料金変えても『唐突だ』って言われるでしょ? 最終決定されたことしか言ってはいけないの?」

――いきなり「100ドルにします」などと言ってしまうから突っ込まれるのでは。

「それがどうしました? 政治家だから、それはある程度リードをかけていくのはしょうがない」

「さすが文春さんですねー。」

――鳥取と島根を「ネットリ県」と揶揄した?

「私的な会で言ったことと、公的な会で言ってることを混同しないでください」

――公務中の発言だったことを確認しています。

「大変参考になりました。さすが文春さんですねー。これからは気をつけて丁寧な発言を心がけますー!」

 改めて市に問うと、「ドルで書いときゃ」発言については「ふさわしくなかった」とし、「ネットリ県」などの発言については「お詫びして取り下げます」とした。

 為替を悪用する“白サギ城”なんて呼ばれないようお気を付けて!

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年8月29日号)

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