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愛知の団地で外国人住民が激増、周辺に“謎のトルコ料理屋”が乱立…“異国化”した街でガチ外国料理を食べ歩いてきた

文春オンライン / 2024年9月8日 11時0分

愛知の団地で外国人住民が激増、周辺に“謎のトルコ料理屋”が乱立…“異国化”した街でガチ外国料理を食べ歩いてきた

愛知県・岩倉市にあるトルコ系のスーパー「Kaserya」

 愛知県には豊田市の保見団地(名鉄豊田線浄水駅)や名古屋市の九番団地(地下鉄名港線東海通駅)を筆頭に、外国人労働者が多く住む団地があります。その周辺には、外国人労働者に優しいゆったりした異国飯屋が点在していることが多いです。

 店内の空間に余裕があり、店員がバタバタしていない。人情味のある大衆食堂的な店が多く、店員とも気軽に話せるのが特徴です。東京や大阪の異国飯屋とは違った雰囲気があります。

 なかでも私がおすすめしたいのは、岩倉にある異国飯屋です。名鉄犬山線の特急なら名古屋駅から1駅で行けるのでアクセスがよく、岩倉団地周辺に素晴らしい店が点在しているので、私は高頻度で行っています。

岩倉駅周辺で本格トルコ料理を堪能できる料理屋

 まずは岩倉駅の西側にある「KERVAN TURKISH KITCHEN」というトルコ料理屋を紹介します。岩倉で異国飯屋巡りをした際に、同行者の皆さんから「このお店は入りやすい!」と高い評価を得たお店です。

 店内は広く、内装は金色ベースできらびやか。日本人も入りやすく、それでいて多くのトルコ人の食欲を満たす本格的なトルコ料理を提供しています。よくあるケバブラップやケバブ丼だけでなく、現地の人しか知らないような料理も楽しめます。全般的に料理が辛くないので、辛いのが苦手な人も安心です。チャイやトルココーヒーを飲みながら、バクラヴァなどのデザートで休憩するのもよし。

 平日には、ショーケースに並べられた料理から3品選べるセットメニューもあります。トルコの食堂や家庭で出されそうな煮込み料理などを味わえますよ。

 そして是非行ってほしいのが日曜の午前中。この時間は、店長が「トルコのホテルのビュッフェを再現した」というビュッフェスタイルのランチを楽しめます。ずらりと並んだトルコ料理の中から、自分の好きな物を選んで食べられます。

 異国飯屋では、現地さながらの雰囲気を楽しめるだけでなく、「すべて知らない料理だし、なんだかわからないけど、めちゃめちゃうまい」と感じられるのがいいところ。「KERVAN TURKISH KITCHEN」も、見たことのない美食をいろいろ食べられるのが素晴らしい点です。

「KERVAN TURKISH KITCHEN」からそう離れてないところには、キラキラした外観が特徴の「Kaserya」という店もあります。こちらは名古屋市内にもあるトルコ系のスーパーで、店内にはトルコケバブのチェーン「Mega Kebab」も入っています。さまざまな食材や雑貨を販売しているので、チェックしてみると面白いですよ。

「ここは東南アジアの食堂か?」と錯覚するフィリピン食堂兼スーパー

 岩倉市と北名古屋市の市境にあるフィリピン食堂兼スーパーの「カイビガン」もぜひ行ってほしいお店です。岩倉駅から名古屋に向かって1駅先の大山寺駅と2駅先の徳重・名古屋芸大駅の間の川沿いにあります。

 店の外にはベンチとテーブルが並べられ、店内はまるで海外のような独特なライティングに驚かされます。外観から内装までなんとも独特な雰囲気のお店です。店内ではフィリピン食材や化粧品などが売られています。

 食材コーナーで、フィリピンビールやフィリピンジュース、フィリピン菓子、あるいはフィリピンの肉まん「シオパオ」、フィリピンの春巻き「ルンピア」を買い、外のイートインコーナーでまったり食べる。これがいい。

 お腹が空いているなら、「イナサル」と呼ばれる焼き鳥のようなバーベキュー料理や、「ティラピア」と呼ばれる淡水魚の焼き魚を頼めば、店員が外で炭火で焼いてくれて、テーブルまで運んでくれます。フィリピン人もお店に出入りしては、買い物をしたりまったり食事をしたりしています。「ここは東南アジアの食堂なんじゃなかろうか」と思えるような素敵なお店なんです。

ブラジル料理弁当から未知の“お茶体験”まで

 岩倉駅から東へ向かうと、岩倉団地があります。愛知県のなかでも相当古い団地で、30年以上前の1992年頃から岩倉団地で外国人が急増したと言われています。岩倉団地には日系を含むブラジル人が多く住んでおり、団地内やその周辺ではポルトガル語表記をよく見かけます。しかし、実際に現地に行ってみると、ブラジル人だけでなく、フィリピン人、ベトナム人、ペルーなどの日系人が多いことが窺えます。

 さて、岩倉団地周辺のお店でまず行きたいのは「マイ ブラジル レカント」というスーパーです。ブラジル・ペルー・トルコ・ベトナムの肉、パン、調味料、香辛料、化粧品、お菓子、お酒、雑貨などが購入できます。店内が広く、商品も充実していて、異国商店巡りが好きな人にはたまらないお店です。

 人によって気になる商品は様々ですが、個人的には、店で作られたフェジョアーダ(豆料理)などが入っているブラジル料理弁当や、ベーカリーのパンなどが好きで買っています。パンを売っているブラジル系の商店は多いですが、弁当を売っているお店はあまりないので、このお店で買っておきたいところ。

 お店では、ブラジル南部の伝統的なお茶「Chimarrao」も売られています。専用のひょうたんのような容器に茶葉を入れ、お湯や水を入れたあと、専用のボンバと呼ばれる金属のストローで吸ってお茶を飲みます。未知の“お茶体験”です。茶葉と専用の容器が一式セットで売られているので、興味があればぜひ購入してみてください。

昭和な雰囲気が漂う商店街で異国の料理と雰囲気を味わう

「マイ ブラジル レカント」から少し北に向かうと、団地と駅方面を結ぶ商店街があり、さらに北に進むと店舗が点在するエリアに行きつきます。この辺は入れ替わりが激しく、以前は本格的なフィリピン料理屋と商店だった場所には、海鮮に強いペルー料理屋「El Rincon Peruano」ができていました。

 スペイン人とペルー人の夫婦がやりくりしている店で、海鮮系のセットメニューが美味しいです。スペイン人のオーナーがフレンドリーなので、まったりとした雰囲気の中、スマートフォンの翻訳アプリを使いながらオーナーとのゆったりした会話も楽しめました。

 岩倉団地周辺の昭和な雰囲気が漂う商店街には、居抜きしたトルコレストラン、ブラジル軽食屋、ブラジルカラオケ居酒屋、ナイジェリアの服屋、ブラジルネイルサロンなど多様な店があります。Google Mapのストリートビューで見ると、日本の商店街だったのが一気に異国化していることがわかります。

 ラテン系の人々は前からいますが、店の変化は最近なんですね。この辺りをリピート訪問してみると、よくオープンしているのはブラジル軽食屋「ミスターチュロス」と、ブラジルカラオケ居酒屋「Corujao」です。

 夜や土日に「Corujao」へ訪れると、岩倉に住むブラジルなど南米出身の人々がリラックスしています。彼ら彼女らが歌うカラオケを聴きながら、ブラジルハンバーガーやシュラスコ系の肉、ブラジル定番の酒・カイピリーニャなどを楽しむのも、他ではなかなかできない不思議な異国体験です。

 都会の喧騒から離れ、異国情緒のあるお店でラテン系やトルコ系の外国人がゆったりしながら食事を楽しんでいるのが、岩倉という素敵な街の魅力です。岩倉は市域は小さいのですが、外国人との共生に力を入れていて、岩倉市図書館では外国料理のレシピ集や、外国人との共生系の本なども充実しています。是非一度ご探索あれ。

写真=山谷剛史

(山谷 剛史)

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