「遺体から衣服と下着を脱がし、愛撫を…」自殺した若い女性に欲望の限りを尽くした火葬場職員(65)の“おぞましすぎる犯行手口”
文春オンライン / 2024年9月20日 6時0分
写真はイメージ ©アフロ
〈 「3年間で、500体の遺体の脳を売りさばいていた」三重の火葬場で“とんでもない事実”が明るみに…昭和に起きた“脳みそ盗み”事件の一部始終 〉から続く
故人のご遺体を火葬し、その人生を締めくくる場所「火葬場」。今でこそクリーンな運営をしている場所が多いが、かつては火葬場で陰惨な事件が起きていたこともある。いったい、どんな事件が起こっていたのか——。
ここでは、元火葬場職員・下駄華緒氏が、火葬場で起きた事件を徹底調査してまとめた書籍 『火葬場事件簿 一級火葬技士が語る忘れ去られた黒歴史』 (竹書房)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/ 2回目に続く )
◆◆◆
成人女性の遺体に行われた卑劣な行為
戦前の火葬場では、現代の常識からは考えられない事件が起きていた。
大正12年(1923)8月、熊本のとある火葬場に勤める42歳の職員が恐るべき犯行をおこなった。
その日、火葬場には8歳の少女と、23~24歳ほどの女性4名の遺体が運び込まれていた。喪主が火葬場に棺を入れて鍵をかけ帰宅したあと、男はこっそりと裏に回って棺を引きだした。
そして遺体から衣服を剝ぎとり、さらに指輪や金歯など金になりそうなものを残さず盗んだ。
犯行はそれだけに留まらなかった。成人女性のうちひとりの遺体に対して、してはならないことをしたのである。
当時の報道によると「死體を侮辱す驚くべき隠亡の罪惡」「肉體に侮辱を加へたといふ戦慄すべき事実が暴露」と書かれている。
「侮辱」がどういったことなのかについては具体的に書かれていないが、おおむね想像はつくだろう。
人の欲望とは恐ろしいものである。
寺の墓地から遺体が消失
同様の事件は昭和に入ってからも起きていた。
昭和7年(1932)5月、神奈川県の大磯町にてとんでもない事件が起きていた。寺の墓地からある遺体が消失したのである。
消えたのは、同町に住んでいたY子さんという若い令嬢の遺体。生前は、町じゅうで噂になるほどの美人だったそうだが、恋仲の学生とともに心中を図り、この世を去った女性だった。
いったいどこに行ったというのか……。地元は「死美人紛失」として大騒ぎとなり、連日捜査がおこなわれた。
そして発覚から10日後、留置所にいたH本長吉という65歳の火葬場職員の男が、自分の犯行であると自供した。
この男は何が目的でY子さんの遺体を持ち去ったのか。
「そのお嬢さんね、とっても美しい人だったそうよ」
Y子さんは地元では評判の美人。そんな彼女が心中事件でこの世を去ったとなれば、すぐさま町じゅうで噂となっていた。
ちょうど用事があって横須賀から帰ってきたばかりのH本もその噂を耳にしていた。美人と聞くと少し気になる。
いったいどんな顔だったのだろうか。そんなことを考えながらH本は帰宅した。
「きょう町内で心中があったんだって。学生とお嬢さん。そのお嬢さんね、とっても美しい人だったそうよ」
晩御飯を食べていると、娘がそんなことを言ってくる。
美人――H本はなおも気になってしまった。
そしてご飯を食べ終えると「留守中に仕事を頼んでいたSのところへ行ってくる!」と言い残して家を出た。
S宅を訪れたが、Sは夫婦揃って芝居見物に出ており留守。そのまま家に戻るかと思いきや、H本はその足でまっすぐにお寺の墓地へ向かったのだった。
遺体を引きずりだし、帯や下着を剝ぎとる
H本が向かったのは、心中したあの美人令嬢の亡骸が埋葬された墓地である。
巷で大評判だったという令嬢。その美しい顔をひと目見てみたい――Hは密かにそう思っていたのだ。
墓地へ着くなりH本は素手で掘り起こしはじめた。
埋めたばかりでまだ柔らかい土はどんどん掘り進むことができる。無我夢中で掘っていくと、土のなかからY子さんの遺体が見えてきた。
おぼろな月明りに映える、真っ白いY子さんの顔。
H本は暗い欲望が沸々とたぎるのを抑えきれなくなった。
遺体を引きずりだすと、まずY子さんの帯や下着を剝ぎとる。そして遺体を小脇に抱えて走りだしたのだ。
男が走っている場所は、松林に囲われた砂地。ただでさえ走りづらい場所である。そこをひとりぶん担いだまま走るとは、とても65歳とは思えない力だ。欲望は限界を超越するのだろうか。
松林のあいだを300メートルほど走ると、H本は海岸の近くに建つ、ぶり船会社の倉庫にたどり着いた。
倉庫へ入るなり、H本はねじれた欲望の限りをつくす。
晴れ着を脱がすやいなや、愛撫をしだし…
人形のようなYさんの遺体から着ていた晴れ着を脱がすやいなや、愛撫をしだしたのだ。
当時の報道によると、なんと夜8時半から10時半まで、2時間ものあいだ夢中で犯行におよんでいたらしい。
「愛撫」の具体的な中身はさすがに新聞には書かれていなかったが、世にもおぞましい事件である。
遺体を××しはじめてから2時間も経つと、さすがにH本もY子さんのことが気の毒になってきたらしい。
倉庫の横の砂地に埋めて隠すと、H本は家に帰路についた。途中、松林のなかにある井戸で手や足を洗ったあと、何食わぬ顔をしながら11時半頃に家につき、そのまますぐに眠りについた。
知らぬ顔で遺体捜索にも参加
翌朝になると、大磯町は「死美人紛失」で大騒ぎ。警察だけでなく近隣住民も交えた大捜索がおこなわれた。
このとき、H本の行動は大胆不敵だ。
彼は自分が犯人であるにもかかわらず、この捜査隊のなかに混じり、どこだろう?と何食わぬ顔でみんなと一緒に探し回っていたのである。
しかし、町じゅうをあげた大捜索でもY子さんの遺体は見つからない。
そこで大磯署は、町内の埋葬人夫をとりあえず全員留置することを決めた。怪しいやつがこのなかにいるだろうから、とりあえず全員集めて片っ端から取り調べるという力技だ。
H本も留置されることになったが、ここでも彼は知らぬ存ぜぬを貫き通し、否認しつづけた。しかし、別の職員が犯人だとされそうになっているのを見て罪の意識がわきあがり、取り調べから10日目、ついに自白したのである。
〈 「若い女性の遺体を丸裸にして、局部を眺めていた」「それだけで終わらず…」滋賀の火葬場職員が行っていた“鬼畜すぎる所業” 〉へ続く
(下駄 華緒/Webオリジナル(外部転載))
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